異世界でウサギダンジョン始めました

テトメト@2巻発売中!

第41層 殺意の高い遊び


「よし。今度こそクロのダンジョンの改造に入るぞ!おー!」

ティータイムが終わってから近くの万年桜の木陰に移動して今度こそ会議の再開だ。
ウサギ販売店が開店するよりも早くダンジョン解放してウサギレンタル店も営業開始しておきたいからな。頑張らないと。

「え~?お腹いっぱいになったからお昼寝しようよ~」
「すやすや・・・」
「くぅくぅ・・・」

・・・ウチの姫様方はおねむの時間でした。
桜の木に背中を預けたボーパルとクロが互いの肩と頭をくっつけてお昼寝してる。
姉妹の様に仲良くお昼寝しているボーパル達を起こすなんて俺にはとても出来ないが、俺1人でダンジョンを作るのは寂しい。ダンジョンマスターである2人は正直最初からあてにしていなかったから、燈火だけは寝かせない様にしなくては。

「燈火さ~ん。食べて直ぐ寝たらウシになるよ~」
「んん~大丈夫・・・ウシになってもブタになっても時間を戻せば元通りだから・・・」

くっ、手ごわい。
それはつまり燈火においしいご飯をあげ続けていっぱいお昼寝させたらずっと幼女でいるって事だからな。
こんな宣言されたら起こしづらいじゃないか・・・!

「じゅんにぃの膝枕ゲット~・・・わ~い・・・えへへ~」

なんだこの可愛い生き物は。若干寝ぼけてるからかいつもより雰囲気が幼くなっていて超可愛いんだけど。
俺の足の上に乗っかる小さな頭を思わずなでなでしてしまうぐらいにはかわいい。そしてなでなでの気持ちよさで燈火の瞼がゆっくりと落ちていく・・・

くぅ・・・!!なんたる策士!まさか俺からなでなでを引き出し、それを利用してお昼寝に入るとは・・・!

こうなれば最終手段を使うしかないか。なんかいつも最終手段使ってる気がするけど。

「・・・時間を巻き戻してたら一生子供が出来な」
「私もう時間を戻さないよっ!!」

それはやめて。

さっきまでウトウトしてたのに俺の呟きを聞いた瞬間に”カッ!!”と目を見開いた燈火が体を起こしながら叫んだ。
目覚まし完了。でも嫌な決意を固めてるから後で説得しておかないと。今の燈火が大好きなんだ。愛してる。って言っとけば大丈夫だろう。たぶん。

「目が覚めた所でダンジョン作るぞ。前置きだけで今回の3分の1使っちゃったからな」
「ちょっと何言ってるか分かんないけど、お昼寝する気分じゃ無くなっちゃったから手伝うよ!・・・んしょっと」

とりあえずクロのダンジョンのマップを俺の正面に表示するとマップを良く見れるように燈火が俺の膝の上に移動した。
ケーキの甘い香りと燈火の香りが混ざって思わず食べちゃいたくなるようないい香りになって俺を襲ってくるが、今燈火を構いだすといつまで経ってもダンジョンが出来ないので我慢我慢。

「ん~、とりあえず入り口塞ごっか。今ダンジョンに居るのは・・・冒険者かな?邪魔だから退場して貰お?」
「そうだな。う~んと・・・ちょっと出てきてくれるか?」
「「「きゅい!」」」

俺と燈火の合わさった影をコンコンと叩いて声を掛けると”ヌゥ・・・”っと沸いて出てくるように3羽の黒ウサギが出てきた。
こいつらはシャドウラビット。影に潜む事ができる能力を持つウサギで、俺と燈火の裏の護衛だな。影踏みして遊んでたら進化した。
基本俺が外に出るときはサクラ達が戦闘をするが、サクラ達が居ない時に襲われた場合の最後の護衛にして切り札だ。食事以外では影から出すべきじゃ無いんだが・・・まぁ、ダンジョン内にいるなら大丈夫だろう。

「とりあえず”兎隠し”と”ソニック”がいればなんとかなるかな?クロのダンジョンの入り口を岩かなんかで塞いで、中にいる生き物を全部排除してきてくれ。よろしく」
「「「きゅい!!」」」

ビシッ!っと敬礼したシャドウラビット3羽がそれぞれ走り去っていくのを見送る。
兎隠しはかくれんぼをしてたら進化したウサギで、神隠しができるウサギだ。兎隠し1羽毎に特殊な収納空間を持っており、触れた人や物をその空間にしまったり出したりできる。
収納空間は時間が止まっているから食べ物が痛まないし、温かい料理は温かいまま保存できるから便利なんだよね。あと、引越しや拉致にも便利。
ソニックラビットは駆けっこで進化したウサギで、音速で駆ける事ができるウサギだな。青色でチクチクしてる。
シャドウラビットは3匹で力を合わせればウサギ1羽ぐらいなら一緒に影に入れるので、兎隠しと一緒にソニックラビットの影に入ってもらって、クロのダンジョンまで移動。
兎隠しが収納から出した岩かなんかで入り口を塞いで、影を移動して中にいる生き物を全て収納。ダンジョンの外に放り出せば・・・

「あ、処理が終わったみたいだぞ」
「・・・私の知ってる、影踏みとかくれんぼと駆けっこってこんなに殺意高いコンボが完成する遊びじゃ無かったと思うんだけどなぁ・・・」

・・・うん。まぁ、言いたい事は分からんでもない。今回は1羽で良かったから兎隠しを派遣したけど・・・サモナーラビットを派遣しても良かったんだよな。その場合は・・・お察し。
とはいえこの兎隠しが何かを収納している間や、シャドウラビット以外を影に入れている間は常に魔力を消費するから無敵でも無いんだけどね。影に潜んでいても魔力を探られたらバレるらしいし、影を消されたら炙りだされちゃう。

・・・それでも強いけど。

「それじゃあさっそく改築・・・と行きたい所だけど何からしようか・・・」
「ダンジョンの形をどんなのにするにしても、まずは何のモンスターを配置するかを考えた方がいいんじゃない?・・・あれ?そう言えば召喚したモンスターをどうやってクロのダンジョンに持っていくの?」

「後でボーパルと一緒にクロのダンジョンに転移してその場で召喚してくるか、兎隠しに収納できるだけ収納して運んでもらおう」
「あぁ、そっか。ダンジョンマスターは自分のダンジョン内には自由に転移できるもんね。私も出来たらいいのに・・・」

ちょこっとしょんぼりしている燈火の頭を撫でつつ何のモンスターを配置しようか考える。
ウチとの関係性を探られたら嫌だから、ウサギは置けないなぁ。ウサギが居ないとなれば食物連鎖でウサギの上にいるオオカミとかも配置しづらいよな。
となると、いっそ動植物系以外のモンスター。魔動物質系か、魔法生物系のモンスターを配置したいけど・・・召喚のコストがたけぇんだよなぁ・・・ウチのダンジョンはウサギ特化だからなぁ・・・

ピコーン!

「あ、じゅんにぃなんか届いたよ?ふむふむ・・・モンスターの交換機能の追加だって!これでクロのダンジョンに配置するモンスターは私のダンジョンから連れてくればOKだね!ナイスタイミング!」
「お、おう・・・」

ナイスタイミング・・・ナイスタイミングなんだけど、ナイス過ぎてちょっと怖いんだが・・・
テメトトちゃん俺の脳内をリアルタイム検閲とかしてないよね?偶然だよね!?ね!?

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