異世界でウサギダンジョン始めました

テトメト@2巻発売中!

第23層 お宅訪問


歩きながら自己紹介してくれたんだが、お母さんはシノハさん。天使ちゃんはシノコちゃん(通称ノコちゃん)。と言う名前らしい。ちなみにおっさんはシエイだって。実にどうでもいいね。

「俺は久遠時 潤です。みんなはジュンって呼んでますね。こっちは居候の燈火です。それと、従魔のサクラです」
「居候って・・・くっ、当たらずとも遠からずだから否定しにくい・・・!」
「きゅい!」

いや、燈火は居候以外の何者でもないだろ。金払ってないし。寄生してるだけだし。

「寄生じゃありません~。専業主婦ですぅ~。つまりは居候じゃなくて、単なる同棲だから問題が無いのは確定的に明らかだよ!」
「その発言には問題しかないと思うんだが?」

”幼女が居候している”よりも、”幼女と同棲している”の方が問題がある気がするのは気のせいだろうか。
警察に踏み込まれても、”幼女が居候している”なら、まだ言い逃れが出来そうな気がする。

「あらあら、まぁまぁ。2人はとっても仲良しなんですね」

俺と燈火の掛け合いを”うふふ”と口に手をあてて上品にみていたシノハさんが、椅子を勧めながらそういった。
ちなみにノコちゃんは床に座ってサクラに遊んでもらってるな。さっきから、「うさぎしゃん!」「きゅい!」「うさぎしゃん!!」「きゅい?」「キャァ~~~><」って声がエンドレスで聞こえてる。俺もそっちに混ざりたい。

・・・にしても、燈火と仲良しか。まぁ、小さい時からずっと一緒に居るし仲はいいよな。今は幼女だし。

「仲良しなのは当然だよね!だってじゅんにぃと私は生涯のパートナーだもん!」
「お前はちょこちょこ俺の心を読んでくるよな・・・。あと、燈火と結婚した覚えは俺にはないぞ」

燈火が俺の心を読んでくるから俺が喋る必要が無い気がしてきた。
・・・ダメだ。俺の発言を燈火に代弁させたら絶対に願望が混じって捻じ曲がる。

「ふふ。トウカちゃんはジュンさんのお嫁さんになりたいのかな?」
「うん!いつもどこでもじゅんにぃの傍に。這いよる幼女。久遠時 燈火とは私のことだよ!」
「なんだその冒涜的な自己紹介は・・・」

実際に常に近くに這い寄っているから困る。確実に近くに居ないはずなのに、名前を呼んだら天井裏から返事が返ってきたりするからな。
お前はNINJYAか。もしくはテレポートのミュータント能力者か。ZAPしないと。

「全てはじゅんにぃへの愛故に・・・」
「あなた勤勉デスね~」

まぁ、今は幼女だし、ストーカー行為で通報するのは勘弁してやろう。
お巡りさんに、「類は友を呼ぶ・・・」って言われるのはもう飽きたしね。

「ふふふ。小さくてもやっぱり女の子なのねぇ。ノコも直ぐに好きな男の子の話とかしだすのかしら・・・」

バンッ!

「パパは許しませんからね!!」

あ、おっさんが復活してる。止血して、顔を洗って、服を着替えて戻ってきたみたいだが、戻ってきての第一声がそれでいいのか。
突然の登場にノコちゃんもびっくりしてるじゃないか。

・・・あ、入ってきたのがおっさんだと分かると、すぐに視線を逸らしてサクラと遊びだした。哀れおっさん。愛娘からパパの相手よりもウサギとのふれあいを優先される。

「ままー!うしゃぎしゃんに、のこのおやつあげていいー?」
「あら、ノコが自分のおやつを?ん~、でも、ウサギに人間のおやつは・・・あ、ずいぶん大人しいけど、従魔って事はモンスターなのよね?食べ物は・・・」
「ん~、そうですね。基本的になんでもなんでも食べれるとは思いますよ?好き嫌いはあるみたいだからそこらへんはサクラに食べたいか聞いてみれば分かりますね。あ、サクラがいつも好んで食べてるのはお花とかですね」
「だね~。サクラちゃんは桜の花びらをよく齧ってるよね」

「あの・・・ぱぱはね・・・?許さないんだよ・・・?その・・・ね?」

哀れおっさん。部屋にいた全員からも無視される。
というか、どう触れろっていうんだよ。下手に触れてこっちに矛先向けられたら嫌だよ。燈火が触れてよ。
って感じに隣に座る燈火の足をふみふみして、アイコンタクトをしたら、足と腕を絡めてしなだれかかってきたので、無理やり席を立ってサクラの所へ行った。やったぜ。ノコちゃんと遊ぶ口実ゲットだぜ。

ノコちゃんの抱いているサクラを撫でるついでに当然の様に一緒にノコちゃんの頭もなでなでするぜ!

「えへへ~。ねぇ、おにしゃん。うさぎしゃんはおはなたべるの?」
「そうだよ~特にピンクのお花とかをよく食べるかな?なぁサクラ?」
「きゅい!」
「ほうほう。つまり、男の人を落とすには押すだけではダメだと。たまには引いてみるのも大事ってことですね師匠!勉強になります!」
「そうなのよ。私が居ないと寂しい。物足りない。って感じさせる事が大事なの」
「あの・・・俺この家の主・・・誰か話を・・・ぐすん」

その後、涙目になっているおっさんをそっと抱きしめたシノハさんが”計画通り”って笑顔をして、おっさんの瞳にハートが浮かんで、燈火の顔がシノハさんへの尊敬に染まって、遊びつかれたノコちゃんとサクラが抱きあったまま寝落ちしちゃって、仲良く眠る2人の姿を見た俺が幸福になったりしたけど、概ね何事も無く、また来る約束をしてシノハさんの家を出て買い物に出発した。

うん。ノコちゃんにもまた会いたいし、今度また遊びにこよう。ノコちゃんとちゃんとお別れしてないし、帰りにでも寄ろうかと思ったけど、おっさんとシノハさんの顔を見て諦めた。
今夜行ったらどう見てもお邪魔になるな。ノコちゃんがお姉ちゃんになる日は近い・・・かも知れない。




・・・あと、燈火が、シノハさんの家で書いてた謎のメモを何度も読み返しては、ニヨニヨ笑っていてキモイんだが、メモの中身は見せてくれない。乙女の秘密らしい。
どうしても見たいわけじゃ無いから別にいいんだけどさ。というか、同じ部屋にいたから俺にも燈火達の話は聞こえてたし。

・・・燈火が何をしようと燈火の勝手だけどさ。燈火が伝授されたその作戦には致命的な欠点がある事を燈火は気づいてないのかね・・・?
まぁ、それは俺が指摘する事じゃ無いだろうしいっか。

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