異世界でウサギダンジョン始めました

テトメト@2巻発売中!

第4層 進化

「あ、起きたの!ジュン・・・!おはようなの!」
「おう。おはようボーパル・・・・。朝から元気だな・・・」

テメトトちゃんの世界に転移してから2日目の朝だ。
昨日は今までの俺の人生で最も波乱万丈な1日だったと断言できるな。
学校の帰りに転がってきた丸太に轢き殺されて、幼女神様に拾われて、ダンジョンに行ったらウサミミ幼女がいて、ダンジョン属性がウサギになってて・・・

・・・ちょっと波乱万丈なんていうレベルじゃ無いかもしれん。実際1回死んでるし。
でも、まぁ。今が楽しいからいっか。ダンジョン作りも楽しいし、ボーパルちゃんも可愛いしな。
おっと、「ボーパルって呼び捨てにしてほしいの!」って頼まれてるんだった。俺もボーパルの家族の一員だからだってさ。嬉しいこと言ってくれるよな。

「昨日の収支報告書が出てたの!ジュンも目を通しておくの!」
「へー、そんなのがあるのか」

クリエイトルームにある俺のベットの隣でぴょんぴょん跳ねつつハイテンションで喋っていたボーパルが、ぺらっと、A4サイズの紙を1枚渡してくれた。

・・・ところでボーパルさん?あなた今この紙をどこから出しました?俺が知っている限り、あなたの服にポケットは無かったと思うんですが・・・
ボーパルがウサミミ巨乳ロリっ娘だったり、パンツを履いてたりしたら分からんでも無いんだが、それも無いとなると・・・いや、やめよう。何時まで経っても布団から出られない。

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花の月58日 DM収支報告書

前日持ち越し分  2000

エリア作成    -1000
モンスター召喚  -51
オブジェクト召喚 -911

エリア維持費   -10 (前日比-10)
モンスター維持費 -1 (前日比-1)

DM生産     +82 (前日比+82)

翌日持ち越し分  107 (前日比-1893)

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うん。DMがごっそり減ったなとか、生産量が一気に倍近く上がったなとか、エリアに維持費がかかる事は聞いてないとか、言いたい事は色々あるけど、一番は日付がゲシュタルト崩壊していることだな。
花の月って何月だよ!なんで日付は数字なのに、月は漢字なんだよ!てか58日っておかしいだろ!
・・・うん。まぁ異世界だし、地球とは暦が違うってだけだとは思うがな。ぱっと見て明らかに変だったからつい突っ込んでしまった。

「花の月は春のことなの!この世界は季節に合わせて、花の月、葉の月、実の月、種の月の4つの月があるの!もっともこの月は世界が1つの国に統一されていたときの首都を基準としているから、花の月なのに秋だったり、葉の月なのに冬だったりすることはザラなの!暦は大災害前の名残なの~。ちなみに1ヶ月は100日で、1年は400日なの!」
「分かりやすくするために季節に対応したカレンダーを作ったのに逆に分かりにくくなってんじゃねーか・・・」

ちなみに俺達のダンジョンがある辺りはその大昔の首都とだいたい似たような季節のため、月はそのまま信じていいらしい。つまりダンジョンの外は春だってことだな。だからどうという事はないが。

「エリアの維持費は太陽光を作ったり、空気を循環させたり、フンを片付けたり、泉の水を綺麗にしたりするのに使うDMなの!説明をうっかり忘れてたの~。えへへ、なの~」
「かわいいやつめ。まぁ、聞かなかった俺も悪いか」

幸いDMを余らせといたおかげで合計がマイナスにはなってないしな。問題無しだ。かわいいは正義!

「それと、ダンジョンの領域もこまめにチェックするの!ダンジョンの広さとDMの生産量は比例しているの!ダンジョンが健やかに全方位に伸びていければそれがなによりなの!でも、時々ダンジョンは壁に当たったように広がらなくなることがあるの!なんでか分かるの?」
「ん~、あれだろ?他のダンジョンの領域にぶつかったってことだろ?たしか、他のダンジョンの領域を奪うには相手のダンジョンコアを吸収しなきゃならないわけだしな」

ぶつかって、弱いほうが吸収されるんじゃ、産まれたばかりの俺達がピンチすぎるしな。

「半分正解なの!普通のダンジョンなら壁に当たったように成長が止まるのは他のダンジョンにぶつかった時だけなの!でもあたちたちのダンジョンは普通じゃないの!あたちたちのダンジョンはママが決めたエリアの外には伸びないようになってるの!だからエリアの境界線にぶつかったらそれ以上は進めないの!」
「なるほど。そういえば、まずはエリア内の魔力を調律してって言ってたな」

エリアの壁や他のダンジョンにぶつかっても、ダンジョンコアは全方位へと領域を伸ばそうとしつづける。そのときは俺達でダンジョンを伸ばす方向性を決めてやればいいらしい。
野良ダンジョンはメッチャ頑張れば領域を削ることもできるらしいが、割に合わないそうだ。乗り込んで取り込むのが1番いいらしい。

「なの!他にも地表からあんまり離れると魔力が無くなってダンジョンは成長できないの!魔力は基本的に地表付近で渦巻いているから、エリア内の魔力の渦を全て取り込めたら、エリアの調律完了なの!」
「・・・なるほど。漠然とエリア内を全部とりこめばいいと思ってたけど、平面的な範囲はテメトトちゃんが決めたエリア内だとしても、上下。特に上は無制限みたいなものだったしな。地表を取り込めばOKなら、分かりやすくていい。んで?俺達が調律しなきゃならない範囲ってどれくらいなんだ?」

ボーパルと話ながらダンジョンの領域を確認したが、特に問題なく全方位に伸びて行っているな。半径は1.5キロくらいか?昨日が1キロぐらいだったから結構伸びてるな。この調子ならエリア調律も簡単なんじゃね?

「だいたいアメリカと同じぐらいなの!」
「デカッ!!・・・くもないのか?世界全体の大きさがアメリカ25個分って事だもんな。むしろ地球よりは小さいのか・・・?わからん」

残念ながら地理の成績は良くないから、わがんね。
世界地図上でのサイズなら大体分かるが、よく見る長方形の地図は実際のサイズじゃ無いしな。

「今日のお勉強はこれぐらいにしておくの!早くエリアに降りてみんなで遊ぶの~!」
「はいはい。分かったよ。着替えて朝ご飯を食べたら行くから、ボーパルは先に行ってていいぞ」

「わかったの!あたちは先に行って遊んでるの!ジュンも直ぐに来るの~」

ボーパルがぴょんぴょん跳ねながら俺に手とミミを振って、次の瞬間には消えていた。草原エリアに降りたんだろう。
元気いっぱいでずっとちょこまか動いてるボーパルが居なくなると、急に部屋が広く感じるから不思議だな。ボーパルなんてサイズ的にはちっちゃいのにな。

さて、と。DMで出した服に着替えて、朝飯は・・・ちょっと豪華にしようかな?DM余ってるし。
最初はやっぱりDMをガンガン消費して、生産量を上げたいな。ウサギは51匹+ボーパルがいるし、エリアの拡張と新しいオブジェクトの設置とかしたいな。草原の片隅を花畑にしたりとか。

幼女と花畑の組み合わせはいいよな~。花冠とか作ったりしてな。ダンジョンらしさはどっか飛んでったけど、しばらくは戦う予定は無いしいいよな。

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「なあ、ボーパル。ちょこっと予想外だったんだけど、これも俺が知らないだけで普通のことだったりするのか?」
「あたちもちょびっと予想外だったの!サクラはすごいの~!」
「きゅい?」

朝食を食べて草原エリアに降りた俺は、桜の木の根元でボーパル達が集まっているのを見て近づいていったんだが、ボーパルを中心に集まっていると思っていたウサギ達の中心にいたのはボーパルじゃなくてサクラだった。
サクラに何かあったのかと心配になったが、サクラのステータスを見た瞬間疑問は一応解決した。

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種族 桜ウサギ(NEW)
名前 サクラ
性別 ♀
維持 1(0)

Lⅴ 10
体力 15
魔力 0
筋力 15
頑丈 4
敏捷 25
知力 5
精神 4

スキル
草食獣 魅了(NEW)

称号
ボーパルの眷属

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「サクラが進化してる!」
「なのー!」

というわけで冒頭に戻る。

「進化ってこんなに早くするものなのか?まだ、サクラを召喚してから1日たってないぞ?」
「進化は条件を満たした状態で寝るとおきるの。だから条件さえ満たせば時間は関係ないの~」

なるほど。サクラが進化した先は桜ウサギだから、進化条件は桜を食べたこと・・・か?

「サクラ以外に進化した子は?」
「いないの。ついでに言うと、サクラ以外の子には前もって桜を食べないように言ってあるの」

これは当たりなのか、それともボーパルが付けた名前の影響なのか・・・あ、体の色が関係している可能性もあるな。もうちょっと検証が必要か。

「そうだな・・・じゃあ、サクラ以外の子にも何羽か桜を食べさせてみようか。なるべく体の色がバラバラになるように選んでくれるか?ピンクの子多めで」
「まっかせるのー!それと、ウサギの進化は1回じゃないの!DMに余裕があるなら、桜ウサギも10羽ほど召喚しておくの!」

ウサギはツリー式に進化していくのか?これは全部埋めるのは至難の業だな・・・まぁ100年単位ならいけるか。

「桜ウサギの必要DMは・・・1だな。よし。10羽召喚だ!」
「なのー!それと、桜を食べて桜ウサギに進化したなら、桜以外でも似たような事がおきてもおかしくないの!」

「だな。なにもかもを試せるほどDMに余裕は無いが・・・もともと今日は花畑でも作ろうと思ってたんだ。ここは色んな種類の花を植えまくるか!」
「なの!おいしいお花畑をあたち達の手で作るのー!」

「「おー!」」

何を植えようかな~。バラとかよさげじゃね?あ、イチゴとかもあるぞ!全部植えたいけど、維持の分のDMは残さないとだしなぁ・・・くぅう!悩む!

「リストが見えないのー!とぅっ!見えたの!あたちはチューリップがいいと思うの!」
「チューリップか・・・じゃあチューリップは買いで。って!ボーパル!裸で俺の背中に抱きつくんじゃありません!」

確認はしてないけどたぶん全裸のはずだ。俺の腰に回されてる白いフトモモがまぶしー!

「むぅ。ジュンはケチンボなの!あたちもリストが見たいの!」
「分かった分かった。俺が座るからボーパルはウサギに戻るか、服を着てくれ・・・」

「分かったの~。ジュンの足に座るの~♪」
「はいはい。かわいいかわいい」

「えへへ、なの~」

ウサギ形態であぐらを組んでいる俺の足の間にすっぽりと収まったボーパルの背中をなでなでしながら、何の花を買うか話し合った。
俺の知ってる花も知らない花もいっぱい書いてあるリストから今あるDMで買える範囲まで絞り終わった頃には、すっかりお昼を過ぎていて、他のウサギ達はとっくに解散してそこらへんで道草を食っていた。
みんな食欲旺盛みたいで何よりだ。これから色々食べてもらうつもりだしな!

やっべぇ、ダンジョン作り2日目にして俄然楽しくなってきたぞ!結果が分かる明日が今から待ち遠いぜ!わくわく。

「わくわくなのー!」
「きゅい?もきゅもきゅ」

なんかいつの間にか膝の上に増えていた桜の花びらを齧っているサクラとボーパルを撫で回しながら、思ったよりも楽しい事になりそうな異世界生活に思いを馳せていた。

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