異世界でウサギダンジョン始めました

テトメト@2巻発売中!

第3層 サクラ

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種族 ウサギ
性別 ♀
維持 1(0)

Lⅴ 1
体力 3
魔力 0
筋力 2
頑丈 1
敏捷 5
知力 1
精神 1

スキル
草食獣

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ん?なんだこれ?姉妹ウサギみたいに仲良く草を食んでいるボーパルちゃん達の姿にほっこりしていたら、突然画面にステータス画面が表示されたんだが・・・このウサギのものか?

「そうなの!これはこのウサギのステータスなの!ダンジョンマスターは自分の配下のステータスを見ることができるの!敵のステータスは見れないから注意なの!」
「ほえ~。便利だな。これって自分のステータスは見れないのか?」

「見れないの!見れるのは配下のモンスターのステータスだけなの!それと、ステータスの数値はあくまでも目安で、絶対では無いから気をつけるの!ちなみにあたちの戦闘力は53万なの!ドヤッ!」
「ウサギの姿でドヤ顔されても分かんないんだが・・・だいたいは分かるけど維持費だけが良く分かんないな。単位は毎時なのか?括弧内の数字はなに?」

「単位は毎日なの!維持費は24時間経過で消費されると思うDMの値を表示してるの!括弧内の数値はご飯をおなかいっぱい食べたときの数値なの!表示は0だけど、厳密にはちょっとは消費されてるから注意なの!」
「なるほど・・・つまりこの草原で飼う限りは維持費はほとんど気にしなくていいんだな。草原を丸裸にされるほどの数は飼えないけどさ」

「ダンジョンの領域が広がれば、もっとフロアを広く出来るし、草原が荒野になっても、DMで元に戻せるの!」
「まぁ、地下のはずなのに、太陽光やら、風やらまで作り出すぐらいだしな。草を生やすぐらいは出来るか。んで、このスキルの草食獣ってどんなスキルなんだ?」

「百聞は一見にしかずなの!もう1回このウサギのステーテスを見てみるの!」
「ん?了解」

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種族 ウサギ
性別 ♀
維持 1(0)

Lⅴ 2
体力 4
魔力 0
筋力 3
頑丈 2
敏捷 7
知力 2
精神 2

スキル
草食獣

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「あれ?なんかレベル上がってね?」
「上がってるの!それがスキル草食獣の効果なの!草食動物の効果は草を食べたらちょびっとHPが回復して、経験値も入るの!動植物系のモンスターはだいたいみんな似たようなスキルを持っているの!肉食獣とか雑食獣とか光合成とかなの!」

「なるほど。ご飯を食べて成長したってことか。でも、レベルアップ早くない?もう3レベルだよ?」
「それはダンジョン属性がウサギだからなの!ダンジョン属性の一致しているモンスターは他のモンスターよりも成長が早いの!それがたった1種族に集約されているなら戦闘をしなくても食っちゃ寝だけでレベルが上がるの!」

「え、なにそれ強い。食べて寝るだけで異世界最強とか、なろうのタイトルにありそうなレベルで強い」
「ちょっとなに言ってるか分からないの。流石に食べて寝るだけじゃ、最強になる前に寿命が尽きるの。それにご飯を食べただけでレベルアップするのは必要経験値が少ない今だけなの。あ、またレベルが上がったの!」

ん?どれどれ。

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種族 ウサギ
名前 サクラ (NEW)
性別 ♀
維持 1(0)

Lⅴ 3
体力 6
魔力 0
筋力 5
頑丈 2
敏捷 10
知力 3
精神 2

スキル
草食獣

称号
ボーパルの眷属(NEW)

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「・・・なんかレベル以外にも色々と変わっているんだけど?」
「この子の名前はサクラにしたの!桜の花びらみたいな綺麗なピンク色が名前の由来なの!」
「きゅい~」

ボーパルが付けた名前が気に入ったのか、サクラが顔をすりすりとボーパルの首筋に擦り付けて、ボーパルも「かわいいやつなの~」って言いながら短いおててでサクラの頭をなでなでしてる。おまかわ。
ボーパルの方がサクラよりも一回り体が大きいから、仲の良い姉妹か親子にしか見えないな。小動物が仲睦まじく触れ合っている姿って癒されるよね。ウサギしかり、幼女しかり。

「って、名前はまぁいいんだよ。それよりも称号の方が気になるんだけど?」

ボーパルの眷属ってなに?いや、意味はなんとなくわかるんだけど、わざわざ称号って形でステータスに書くってことは、たぶん何かあるんだろ?

「”ボーパルの眷属”はあたちの眷属かぞくの事なの!サクラはあたちと同じ釜の飯を食った家族なの!」
「きゅい~」

いや、お前ら地面に生えている草をそのまま食ってんじゃねえか。釜の飯は食ってねえよ。
・・・はぁ。まぁいっか。たぶんボーパルが身内だと認めた証みたいなもんだろう。一緒にご飯を食べるだけで強くなれるんなら誰も苦労しないしな。

「んで、とりあえず餌の準備も出来てるし、ウサギをもっと召喚したいんだが、DMを全部使って千匹召喚するのは正直やりすぎだと思うんだよね。あとなにか召喚したいのあるか?」
「なの!200DMぐらいの小さいやつでいいから水場を作るの!後は、ごしゅじんさまのご飯とベットも作るの!」

あ、危ねえ!調子にのって全部ウサギにしなくてよかった・・・意識した瞬間お腹が空いてきたし、危うくDMが貯まるまでひもじい思いをしなきゃならないところだった・・・
ありがとねーボーパルちゃん。ついでにサクラもなでなで。

「ん~~。この姿で撫でられるのもきもち~の~。ごしゅじんさまの手、おっきくてあったかいの~」
「きゅい~」

ボーパルちゃんとサクラを気が済むまで撫で回し、両手が幸せになったところで草原の片隅に小さな泉を設置して、クリエイトルームにベッドとトイレとテーブルと椅子を置いた。トイレは水とトイレットペーパーが無限に出てくる優れもので、300DMもした。これで残りは300DMほど。
お昼ご飯はノリ弁当が3DMで売ってたからそれを買って食べたな。
ウサギ3羽分・・・俺にウサギを捌く技術があれば・・・いや、かわいそうすぎて無理だ。

んで、残りは300DMなわけだがどれぐらい召喚しようか・・・
ある程度召喚したら自然繁殖で増えそうだしなぁ・・・かと言って残しとくぐらいなら使ってダンジョンコアを成長させたいし・・・むぅ。

「ごしゅじんさま。ごしゅじんさま。DMが余るならここに何か作って欲しいの!ちっちゃな泉と草原しかないから日差しを遮れる木がいいの!」
「きゅい!」

草原に腰をおろして、リストを見ながらウンウンと唸っている俺にボーパルちゃん達がリクエストをしに来てくれた。

「確かになんにも無いからな。木か・・・あ、これなんていいんじゃないか?」

リストから丁度いい木を見つけたので、ポチっと購入。これで残りDPは100だ。

「きゃ~!桜なの!きれいなの!」
「きゅい~」
「ほんとだな・・・」

俺が設置したのは万年桜という名前の木だ。その名の通り1年中花を咲かせ続ける桜らしい。自分の名前の由来になった木を見れて、サクラも喜んでくれるかな?

「きゅい!」(もぐもぐ)

「あー!サクラー!桜を食べちゃダメなのー!桜は見て楽しむものなのー!」
「きゅい?」

「もう!しょうがないからあたちが捕まえておくの!ほら~きれいなの~」
「きゅい!」

ありゃりゃ、やっぱりウサギのサクラにお花見は難しかったかな?ヒラヒラと舞い散る花弁をキャッチしてもぐもぐされちゃったな。花より団子(物理)。

・・・ところでボーパルさん?人化して、サクラを抱えてお花見をするのは大変可愛くてよろしいと思うんですが、お願いですから服を着てください。

地面に座ったボーパルちゃんの小さな背中を完全に隠す程長い銀髪の下から、ボーパルちゃんが楽しげに体を揺らす度にちらちらと見える真っ白な背中とか、ピコピコと忙しなく振られているポンポンみたいなしっぽと、そのしっぽの動きで髪が動いて見えそうで見えない小さなお尻とかが、ちょっといろいろとアレなんで。

「・・・とりゃ!」

「わっ!わわわ!前が見えないの~!」
「きゅい~!」

後ろから声をかけて振り返られたら色々とヤバイので、背後から忍び寄り、強制的にワンピースを被せてやった。サクラごと。

「ぷはぁ~。前が見えたの~。んっ!ひゃっ!ちょっと、サクラ!動いたらくすぐったいの~~」
「きゅい・・・きゅいきゅい!」

なんとか頭まですっぽりとワンピースを被せることには成功したが、ボーパルちゃんのお腹でワンピースに囚われたままのサクラが脱出しようともがいているらしく。ボーパルちゃんがお腹を押さえてケラケラと笑ってる。

ワンピースの胸元からピョコンと頭を出したサクラとにっこにこ笑顔のボーパルちゃんとのツーショットはとてもかわいかったけど、お兄ちゃんはボーパルちゃんの将来がちょこっと心配になったよ。悪い人に騙されたりしなければいいんだけど・・・こうなったら四六時中一緒に居るしかないな。うん。

・・・ところで、全く微塵も一切関係無いけど、次にDMが貯まったらお風呂を買おう。2人ぐらいが余裕で入れるでっかいやつだ。お風呂は日本人の心だからね。しかたないね。
いや、待てよ?2人で入ろうとしたら密着しないといけないような狭いお風呂もいいかも。狭いのって安心するもんね。ま、なにはともあれDMが貯まらないことにはなんにも出来ないんだけどさ。

今日のところはとりあえずウサギを50羽程召喚して、様子を見ようか。明日にはどれぐらいDMの上昇量が増えるか、今から楽しみだな。

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