異世界でウサギダンジョン始めました

テトメト@2巻発売中!

第1層 ダンジョン属性は?

 
「ん、んぅ・・・?ここは・・・?」

えーと、俺は確か丸太に轢かれて死んで。テメトトちゃんに拾われて、異世界でダンジョンを経営して欲しいって言われて飛ばされて・・・って事はテメトトちゃんの世界なのか?

グルッと辺りを見渡してみたが、さっきまでテメトトちゃんといた空間みたいにどこまでも白い空間が続いているな。唯一の違いは俺の目の前にふよふよと光の球が浮かんでいることだ。コイツがダンジョンコアか?
んで、こっからどうすれば・・・

「あ、ごしゅじんさま、おはよーなの!」

「ファッ!?」

ダンジョンコアだと思われるものをツンツンしながら、これからどうしようかと考えていたら、背後から突然舌ったらずな声で話しかけられて、思わずビクッと跳ねてしまった。
あれ・・・?たしか、さっき周りを見渡した時は誰も居なかったはずなんだが、いつの間に・・・って、そういえばテメトトちゃんも床から生えたりしてたな。今更か。

「・・・え、え~と、始めまして?かな?俺の事はジュンって呼んでくれれば――――」

「・・・ん?な~に?あたちの顔になにか付いてるの?」

振り向いて後ろから声をかけてきた子を見た瞬間時が止まった。

クリクリとした大きな瞳を瞬かせて、キョトンとした顔をしているその少女は、テメトトちゃんと同じく10歳ぐらいの少女の姿をしていて、足元まで伸びている長い銀髪と綺麗な緋色の瞳がチャームポイントだな。
服は天使の衣の様な純白の肩だしワンピースで、靴は履かずに裸足みたいだ。

この時点でも、元の世界では並び立つ者が居ないぐらいのウルトラ美少女なのに、この子の魅力の本質は今までに語ったところには無い。
この子の魅力の最たるところは頭の上。ピョコンと生えていてこの子が動く度にピョンピョンと弾むウサミミだ。

そう。ウサミミである。天然ものである。天然ウサミミっ娘である。

・・・テメトトちゃんありがとーーーー!!もうこれだけでこの世界に来た価値はあったよ!!この世界に居続けるためなら俺なんだってするよ!ウサミミっ娘がいるという事はキツネ耳っ娘やネコミミっ娘。垂れイヌミミっ娘とかも居るってことだよね!?

あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~

「ごしゅじんさま?お~い。ごしゅじんさま~・・・むぅ。ごしゅじんさまがあたちのことを無視するの・・・」

「・・・はっ!いやいや、無視したわけじゃ無いよ~。ちょっと考え事してただけだよ~」(なでなで)
「むふ~。ごしゅじんさまのなでなではきもちいいの~。ん~、もうちょっとミミの根元をなでて欲しいの~。あ、そこ。そこなの~きもちいいの~」

もふもふ~~~!!!かわいい~~~!!!ここが天国か!!幻想郷か!!おっと、鼻血が・・・

うっとりと目を細めて自分から頭を俺の手に擦りつけてくるように差し出してくる少女のサラサラもふもふの頭をなでなでする。あぁ^~心がぴょんぴょんしまくるんじゃぁ^~

!?

ちょっと待て。頭をなでなでしているウサミミ少女の背中・・・というかお尻でふりふり動いているあれは・・・しっぽ!?しっぽだと!?
動いてるって事は、あれもきっと自前だよな?でも、ワンピースの外側にしっぽが出てるんだが・・・
つまり、ワンピースのしっぽの位置に穴が開いていて、そこからしっぽだけ出てるって事か・・・この服の製作者とは上手い酒が飲めそうだな。まだ高校生だから飲酒はできないけど。

「よしよし。いい子いい子。あ~、手が幸せ~」
「えへへへへ~。はっ!って、いつまでもなでなでされては居られないの!」

「あっ・・・」

とろけた様な笑顔をしていたウサミミっ娘が急に俺の手から離れてしまった・・・
あぁ、手のひらからぬくもりが逃げてゆく・・・あ、ちょっといい匂いがする。幸せ。

「よく考えたら、まだごしゅじんさまに自己紹介もしてないの!あたちの名前はボーパルなの!ごしゅじんさまと一緒のダンジョンマスターなの!今日からよろしくなの!」

ウサミミっ娘・・・ボーパルちゃんは俺からトテチテと離れると、元気に両手を振り上げながら自己紹介してくれた。脇チラ、脇チラ。まぁ、俺は脇フェチじゃないからそんなに嬉しくは無いけどさ。

「おう。さっきも言ったかもだが、俺の名前は久遠寺くおんじ じゅんだ。ジュンでも、お兄ちゃんでも、ジュンにぃでも、にぃにぃでも好きなように呼んでくれていいぞ」
「ごしゅじんさまはごじゅじんさまなのー!」

「そうか・・・まぁ、それでもいいけどね。これからよろしく」
「よろしくなのー!」

ボーパルちゃんのちっちゃな手とぎゅっと握手をしたら、ブンブンと勢いよく上下に振られた。ボーパルちゃんは元気な子だねぇ。やっぱ子供は元気が一番だよ。

「それじゃあさっそくダンジョンを作るの!フロアを作れるのは今居るクリエイトルームでだけだから覚えておくの!」
「ほえー、ここクリエイトルームって言うのか。じゃあ、ダンジョンはこの空間を組み替える感じじゃなくて、こことは別の空間で生成する感じなのか?」

「なの!とりあえず、出口は作らないで、地下にダンジョンを作るの!ダンジョンはまず範囲を決めて、フロアを作るの!そして作ったフロアにいろいろ配置していくの!」
「あぁ、まずは部屋を作らないと、家具だけあってもしょうが無いもんな」

「そんな感じなの!」

ボーパルに教えてもらってクリエイト画面というのを開いてダンジョン作成をする。
ダンジョンはダンジョンコアの影響範囲にしか作ることが出来ないので、今は半径1キロぐらいのエリアを作るのが精一杯みたいだな。十分凄いと思うが。
テメトトちゃんの話では、ダンジョンの魔力は限界まで使うべきらしいから、今できる最大の大きさのエリアを作ろうかなぁ・・・それでも残魔力は半分ぐらい残るし。

「フロアを作るときはフロア自体のタイプを決めるの!最初は草原エリアを作るのがオススメなの!あたち達のダンジョン属性が”ウサギ”だから草原エリアはウサギの食料確保の意味でピッタリなの!」
「そうだな。わざわざ餌を持ってこなくても、フロアから勝手に生えてきてくれるんならウサギの維持費は殆どかからないってことだしな。なにせ、ダンジョン属性が”ウサギ”・・・ウサギ?」

「ウサギなの!」

「動植物系じゃなくて?」

「ウサギなの!」

「範囲が狭まれば特攻効果が上がってしまうのに?」

「ウサギなの!」

「土用の丑の日に食べるのは?」

「ウナギなの!」

「イモムシが成長したらなるのは?」

「サナギなの!」

「そうか~。ボーパルは賢いなぁ~」
「えへへ~。なの~」

「あー、癒されるぅ~。もふもふ~」
「えへへへ~。なの~」

「あはははは~」
「えへへへへ~。なの~」

「あはははh・・・じゃないよ!え!?ダンジョン属性がウサギ!?なんでウサギ!?」
「ママが寝惚けててうっかりしちゃったらしいの!一回ゲームオーバーになったら戻せるの!お詫びにあたちが来たの!」

「・・・そうか~。テメトトちゃんがうっかりしてたのか~ならしょうがないにゃあ~」
「しょうがにゃいの~」

「あははははは~」
「えへへへへへ~。なの~」

・・・母さん。どうやら、俺は異世界組で1人だけ人生ハードモードらしいです。
テメトトちゃんは俺にウサギだけでどうしろと・・・

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