ユエとリィアンの冒険
ユエはボケちゃん、リィアンは突っこみさん
リィアンは、読書が好きである。
絵本ではなくて立派な箱つきの表装もしっかりとしたものである。
ママが、
「実家で足置きにしてるんだけど……これ、きれいなまま古本屋に持ち込んだら一冊10000円の本だったのに……。何で、こー言うものをきちんと整理しないの‼県の歴史書の初版の一冊だから、絶対に全巻揃っていたら、綺麗だったら、売ってお金にできたのに‼もうボロボロだよ……でも、持ってきた。どうせ、ママしか読まないし」
と、ブツブツ言っていた。
ママはドケチと公言しているが、
「リィアンたちのためなら、お金をかける‼」
と言い、お友達のペンちゃんママと、うさちゃんママと、はむちゃんママたちや、サイトのお友達にご心配とご迷惑とをかけている。
本当にはた迷惑なママなのだが、リィアンたち兄弟にとっては、とっても甘いママである。
今日は今日で、お出掛けと言うのは表向きで、病院がよいである。
ママはとっても内臓も全身もガタガタなのだ。
「年やけん‼」
と力一杯言うママの顔はとても悲しそうで、リィアンとユエは一緒にギュット抱きつく。
「ママは可愛いよ~‼」
「ユエたちのママだもん。美人‼」
と甘えるようにだっこするのが日課。
でも、僕たちは、ぎゅっと抱き返してくれるママの優しい腕や胸が大好きなんだ。
実は、今日も本当は、もっと早く出て欲しかったかったのだが、ママは対人恐怖症。
その上、狭くて人が多いところにはいられない閉所恐怖症で、乗り物酔いと人に酔う。
で、毎回、リィアンとユエと兄弟たちと、
「ママは行ってくるの」
「えーでも……」
「声が変わってるでしょ。お風邪だよ。ユエ、言って‼」
双子と言い張る、ついでにお兄ちゃんと言い張るユエだが、
「ママ?行ってこよ?」
「でもぉ……ユエちゃんといる」
「じゃぁ、いよっか?」
わぁぁい‼
と突進していくユエを捕まえる。
「駄目でしょ‼ユエ‼ママに元気になってって送り出すのがいい子‼ユエは悪い子なの?」
「ユエ、いい子‼いい子だよ‼」
振り返り必死の形相で言うと、
「ママ?ユエ、いい子で待ってるから病院行ってきてね?」
「……ユエちゃん、リィアンちゃん可愛い……‼ママ、頑張っていってくるね‼電車の揺れにも、通勤でぎゅうぎゅうの電車にも……負けたらどうしよう……」
半泣きのママに、リィアンは、
「ぎゅうぎゅうは、一便遅らせる。それに、ママの駅は降りる人が多いから大丈夫だよ」
「そ、そうか‼うん。頑張ってくるね‼」
と、鍵をかけて出ていった。
本当はベランダまでは出ていってもいいのだが、それを許しちゃうとユエが大変‼
好奇心旺盛のユエは、リィアンが読書に集中している間に、ベランダに出て、僕たちが取り合う、古いベビーチェアーを踏み台にして、ママが、
「エアコンの室外機よ」
って言っていた四角いものに乗って、背伸びをしていた。
そんなに身長もないのに、見えているのはピョコピョコ動く耳。
でも、その耳に気がついた外の人が、警察って言うところに通報したらしく、外は大騒ぎになってしまった。
ちょうど戻ってきたママが、
「すみません‼あの、家の子の耳です。ロンパースの」
「犬でも飼っているんですか?」
このマンションペット厳禁なんだよね、たしか。
ママは入ってきて、ユエを連れ出すと、
「すみません。この子を日光浴させていました、テディベアです。風に揺れてこの、友人の子供さんの使っていた着ぐるみロンパースの耳が動いていたんだと思います。私は、未婚者ですので……すみません。ご迷惑をおかけしました」
頭を下げる。
ユエは、このときものすごく反省して、ベランダにはあまりでなくなりベビーチェアで絵を描いたり、ママの作ったフェルト布の積み木で遊ぶようになった。
リィアンはというと、ママの作った枕にもなるユエと二人で座るクッションに寝転がり本を読んでいた。
ママの読む本は、幅広くて、今は日本刀の雑誌を見ている。
「切られたら痛いだろうなぁ……」
呟くと、
「おい‼リィアン‼母ちゃんが、また兄弟つれてくるだって‼」
「エェェェ‼」
慌てておき上がると、パタパタ背中に羽をつけた蜜蜂の格好で、
「ウワァイ‼ユエの弟~‼」
「そんなの言ってないし‼それよりも聞いてないよ‼」
「小さいのかな?」
すると、りりしい顔のシュタイフ社のトリスタンが、
「ううん。確か、私がこの家に来る前のお家にいた、金茶色の子だったと思うよ。ママのあの写真の子に良く似てる」
「何だって~‼じゃぁ、大きくない?」
「40センチはあったね」
リィアンは打ちのめされる。
「またでっかい子……小さい子を探さないの‼ママは‼」
「前のお家のママはいい人で、ママと仲良しだよ。悪い人じゃないよ」
トリスタンは真面目に返事をくれるが、それよりも、
「ママのアホ~‼」
「ホーホケキョ‼」
リィアンの叫びを無にする一言に、がっくりと落ち込む。
「あれぇ?リィアン、しりとりしてないの?」
ママとユエが揃えば最強だと思ったリィアンだった。
絵本ではなくて立派な箱つきの表装もしっかりとしたものである。
ママが、
「実家で足置きにしてるんだけど……これ、きれいなまま古本屋に持ち込んだら一冊10000円の本だったのに……。何で、こー言うものをきちんと整理しないの‼県の歴史書の初版の一冊だから、絶対に全巻揃っていたら、綺麗だったら、売ってお金にできたのに‼もうボロボロだよ……でも、持ってきた。どうせ、ママしか読まないし」
と、ブツブツ言っていた。
ママはドケチと公言しているが、
「リィアンたちのためなら、お金をかける‼」
と言い、お友達のペンちゃんママと、うさちゃんママと、はむちゃんママたちや、サイトのお友達にご心配とご迷惑とをかけている。
本当にはた迷惑なママなのだが、リィアンたち兄弟にとっては、とっても甘いママである。
今日は今日で、お出掛けと言うのは表向きで、病院がよいである。
ママはとっても内臓も全身もガタガタなのだ。
「年やけん‼」
と力一杯言うママの顔はとても悲しそうで、リィアンとユエは一緒にギュット抱きつく。
「ママは可愛いよ~‼」
「ユエたちのママだもん。美人‼」
と甘えるようにだっこするのが日課。
でも、僕たちは、ぎゅっと抱き返してくれるママの優しい腕や胸が大好きなんだ。
実は、今日も本当は、もっと早く出て欲しかったかったのだが、ママは対人恐怖症。
その上、狭くて人が多いところにはいられない閉所恐怖症で、乗り物酔いと人に酔う。
で、毎回、リィアンとユエと兄弟たちと、
「ママは行ってくるの」
「えーでも……」
「声が変わってるでしょ。お風邪だよ。ユエ、言って‼」
双子と言い張る、ついでにお兄ちゃんと言い張るユエだが、
「ママ?行ってこよ?」
「でもぉ……ユエちゃんといる」
「じゃぁ、いよっか?」
わぁぁい‼
と突進していくユエを捕まえる。
「駄目でしょ‼ユエ‼ママに元気になってって送り出すのがいい子‼ユエは悪い子なの?」
「ユエ、いい子‼いい子だよ‼」
振り返り必死の形相で言うと、
「ママ?ユエ、いい子で待ってるから病院行ってきてね?」
「……ユエちゃん、リィアンちゃん可愛い……‼ママ、頑張っていってくるね‼電車の揺れにも、通勤でぎゅうぎゅうの電車にも……負けたらどうしよう……」
半泣きのママに、リィアンは、
「ぎゅうぎゅうは、一便遅らせる。それに、ママの駅は降りる人が多いから大丈夫だよ」
「そ、そうか‼うん。頑張ってくるね‼」
と、鍵をかけて出ていった。
本当はベランダまでは出ていってもいいのだが、それを許しちゃうとユエが大変‼
好奇心旺盛のユエは、リィアンが読書に集中している間に、ベランダに出て、僕たちが取り合う、古いベビーチェアーを踏み台にして、ママが、
「エアコンの室外機よ」
って言っていた四角いものに乗って、背伸びをしていた。
そんなに身長もないのに、見えているのはピョコピョコ動く耳。
でも、その耳に気がついた外の人が、警察って言うところに通報したらしく、外は大騒ぎになってしまった。
ちょうど戻ってきたママが、
「すみません‼あの、家の子の耳です。ロンパースの」
「犬でも飼っているんですか?」
このマンションペット厳禁なんだよね、たしか。
ママは入ってきて、ユエを連れ出すと、
「すみません。この子を日光浴させていました、テディベアです。風に揺れてこの、友人の子供さんの使っていた着ぐるみロンパースの耳が動いていたんだと思います。私は、未婚者ですので……すみません。ご迷惑をおかけしました」
頭を下げる。
ユエは、このときものすごく反省して、ベランダにはあまりでなくなりベビーチェアで絵を描いたり、ママの作ったフェルト布の積み木で遊ぶようになった。
リィアンはというと、ママの作った枕にもなるユエと二人で座るクッションに寝転がり本を読んでいた。
ママの読む本は、幅広くて、今は日本刀の雑誌を見ている。
「切られたら痛いだろうなぁ……」
呟くと、
「おい‼リィアン‼母ちゃんが、また兄弟つれてくるだって‼」
「エェェェ‼」
慌てておき上がると、パタパタ背中に羽をつけた蜜蜂の格好で、
「ウワァイ‼ユエの弟~‼」
「そんなの言ってないし‼それよりも聞いてないよ‼」
「小さいのかな?」
すると、りりしい顔のシュタイフ社のトリスタンが、
「ううん。確か、私がこの家に来る前のお家にいた、金茶色の子だったと思うよ。ママのあの写真の子に良く似てる」
「何だって~‼じゃぁ、大きくない?」
「40センチはあったね」
リィアンは打ちのめされる。
「またでっかい子……小さい子を探さないの‼ママは‼」
「前のお家のママはいい人で、ママと仲良しだよ。悪い人じゃないよ」
トリスタンは真面目に返事をくれるが、それよりも、
「ママのアホ~‼」
「ホーホケキョ‼」
リィアンの叫びを無にする一言に、がっくりと落ち込む。
「あれぇ?リィアン、しりとりしてないの?」
ママとユエが揃えば最強だと思ったリィアンだった。
コメント