ユエとリィアンの冒険
ママはたぬき、子供はこだぬき
ユエは元々、ママが『ネットフリマ』と言うところで見つけた。
ママは20年近く前に、テディベアを作りはじめていた。
最初ママは見よう見真似、でも、テディベア教室で基礎をならった。
型紙を準備して、布を買ってきて、手足の動きを手伝う『ジョイント』と言う部品や、『スタッフィングスティック』と言う綿つめの道具、布をひっくり返す為の『鉗子』とジョイントを締めるための『コッターキー』と言ういろいろな道具をこつこつ集め、テディベアを作った。
え?『鉗子』?
手術用の鉗子と同じだってママは言ってた。
あとのお道具は、見てもらったらわかるんだそうです。
最初は不細工でも、ボアと言う布で作り上げたベアは、丁度結婚するお友達のに『ウェルカムベア』としてプレゼントした。
『ウェルカムベア』は結婚式の受付で、お客さんをお出迎えする大切な役目をするんだ。
ママも、昔は自分も……と夢見たけれど、作ったけれど諦めたって言ってた。
売ることはできないけれど、寂しく並ぶカップルベアは寂しそうで、ママも、その子も辛そうだった。
それで、ママは兄弟達をおうちにお迎えするようになったんだって。
だって、ユエがおうちに来たときには、ユエほど大きいのは数人だけど小さい兄弟がいたもの。
一番最初にママが作ったアル兄ちゃんが、
「またか‼母ちゃんは‼」
って叫んだんだ。
で、ユエがモソモソ出てくると、みんなあっけにとられたんだよ。
なんでだろー?って思ったら、その日の内に、
「ユエはチーキーだろう?家の母ちゃん……皆はママって呼んでるはるかは、滅多にチーキーお家にお迎えしないからみんなビックリしてたんだ」
だって。
兄弟を見ると、シュタイフ社のきりっとした兄弟や赤ヘルマン社の兄弟がいて、やぁって手を振ってる。
「うーん。仲が悪いの?それとも、ユエは……」
「嫌いとかじゃないと思う。母ちゃん、最初ユエたちチーキー見て、何だ?って思ったんだって。最初の頃は母ちゃんゴツゴツベア好きだったし」
示したのは、がっしりごつごつ、美男のシュタイフ社のベア。
そして素朴な暖かみのある赤へルマン社のベア。
ちなみに、ヘルマンはドイツ語読み。
ハーマンと呼ぶと分かるんだ。
で、ドイツにはヘルマン社は二つあって、緑ヘルマン社のベアをママは探しているらしい。
「で、緑ヘルマンの兄弟かと思ったら、ずいぶん大きい包みで、何人連れてきたんだよ……って。そしたらウサギ耳でキョトーンしてるし……あぁ、こりゃ、母ちゃん好きだわ、このタイプって思った」
「ユエのたいぷ~?ピューン?」
「……お前、母ちゃんとソリ合うわ、絶対。台風じゃなくて、性格だよ‼」
「セー書く……」
マジックペンを見つけて床に書こうとしたら、
「書くな~‼母ちゃん以上にボケかよ‼」
「ボケ?お花?」
「あぁ、木瓜の花はあるが、お前は、正真正銘、ぼけだぁぁ‼」
とアル兄ちゃんに怒られたんだ。
で、少しして、
「ユエちゃーん。兄弟‼兄弟見つけたよ~?お家についたよ~‼」
と言う、ママの言葉に、てててっと着いていく。
「兄弟?ユエおにーちゃん?」
「そうだねぇ。はい。じゃ、ジャーン‼」
ママの想像とは裏腹に、全く似てない。
ユエは、クリーム色でクルクルの毛並みが自慢。
目の前のは、薄いグリーンの真っ直ぐの毛並。
そして、
「ふーん……タヌキ?」
「タヌキじゃないもん‼ユエだもん‼ユエは、お、おにーちゃんなんだもん‼」
「……ふーん」
「こらこら、兄弟喧嘩はダメだよ。ユエちゃん。弟のリィアンだよ~。仲良くね?」
リィアンにもタヌキのお洋服を着せる。
「わぁ~‼ママ、似合うと思ったの~‼お揃い‼」
しばらくの間、ユエとリィアンはお揃いで我慢したのだった。
ママは20年近く前に、テディベアを作りはじめていた。
最初ママは見よう見真似、でも、テディベア教室で基礎をならった。
型紙を準備して、布を買ってきて、手足の動きを手伝う『ジョイント』と言う部品や、『スタッフィングスティック』と言う綿つめの道具、布をひっくり返す為の『鉗子』とジョイントを締めるための『コッターキー』と言ういろいろな道具をこつこつ集め、テディベアを作った。
え?『鉗子』?
手術用の鉗子と同じだってママは言ってた。
あとのお道具は、見てもらったらわかるんだそうです。
最初は不細工でも、ボアと言う布で作り上げたベアは、丁度結婚するお友達のに『ウェルカムベア』としてプレゼントした。
『ウェルカムベア』は結婚式の受付で、お客さんをお出迎えする大切な役目をするんだ。
ママも、昔は自分も……と夢見たけれど、作ったけれど諦めたって言ってた。
売ることはできないけれど、寂しく並ぶカップルベアは寂しそうで、ママも、その子も辛そうだった。
それで、ママは兄弟達をおうちにお迎えするようになったんだって。
だって、ユエがおうちに来たときには、ユエほど大きいのは数人だけど小さい兄弟がいたもの。
一番最初にママが作ったアル兄ちゃんが、
「またか‼母ちゃんは‼」
って叫んだんだ。
で、ユエがモソモソ出てくると、みんなあっけにとられたんだよ。
なんでだろー?って思ったら、その日の内に、
「ユエはチーキーだろう?家の母ちゃん……皆はママって呼んでるはるかは、滅多にチーキーお家にお迎えしないからみんなビックリしてたんだ」
だって。
兄弟を見ると、シュタイフ社のきりっとした兄弟や赤ヘルマン社の兄弟がいて、やぁって手を振ってる。
「うーん。仲が悪いの?それとも、ユエは……」
「嫌いとかじゃないと思う。母ちゃん、最初ユエたちチーキー見て、何だ?って思ったんだって。最初の頃は母ちゃんゴツゴツベア好きだったし」
示したのは、がっしりごつごつ、美男のシュタイフ社のベア。
そして素朴な暖かみのある赤へルマン社のベア。
ちなみに、ヘルマンはドイツ語読み。
ハーマンと呼ぶと分かるんだ。
で、ドイツにはヘルマン社は二つあって、緑ヘルマン社のベアをママは探しているらしい。
「で、緑ヘルマンの兄弟かと思ったら、ずいぶん大きい包みで、何人連れてきたんだよ……って。そしたらウサギ耳でキョトーンしてるし……あぁ、こりゃ、母ちゃん好きだわ、このタイプって思った」
「ユエのたいぷ~?ピューン?」
「……お前、母ちゃんとソリ合うわ、絶対。台風じゃなくて、性格だよ‼」
「セー書く……」
マジックペンを見つけて床に書こうとしたら、
「書くな~‼母ちゃん以上にボケかよ‼」
「ボケ?お花?」
「あぁ、木瓜の花はあるが、お前は、正真正銘、ぼけだぁぁ‼」
とアル兄ちゃんに怒られたんだ。
で、少しして、
「ユエちゃーん。兄弟‼兄弟見つけたよ~?お家についたよ~‼」
と言う、ママの言葉に、てててっと着いていく。
「兄弟?ユエおにーちゃん?」
「そうだねぇ。はい。じゃ、ジャーン‼」
ママの想像とは裏腹に、全く似てない。
ユエは、クリーム色でクルクルの毛並みが自慢。
目の前のは、薄いグリーンの真っ直ぐの毛並。
そして、
「ふーん……タヌキ?」
「タヌキじゃないもん‼ユエだもん‼ユエは、お、おにーちゃんなんだもん‼」
「……ふーん」
「こらこら、兄弟喧嘩はダメだよ。ユエちゃん。弟のリィアンだよ~。仲良くね?」
リィアンにもタヌキのお洋服を着せる。
「わぁ~‼ママ、似合うと思ったの~‼お揃い‼」
しばらくの間、ユエとリィアンはお揃いで我慢したのだった。
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