最弱の英雄
二章 11話 「仲直り」
きまずい
あれからお互い無言のまま時間は流れ、流石になにか話そうと思い
「げ、元気だったか? 」
「…え⁉︎ あ、あぁ…はい、元気でしたよ」
「そ、そうか…」
「はい…」
「…………………」
「…………………」
はい、会話終了!
なんだよこの空気は! めっちゃ話しづらいわ!
そして次はセレナが
「ライトさんは…怒ってたりしますか? 」
急にそんな事を言ってくる。
「怒るって、もしかして屋敷での事か?」
俺がそう言うとセレナがコクリと頷く
「なら、俺が怒るわけないだろ? むしろあれは俺が完全に悪いわけだしな。 普通怒るならセレナのほうだろ?」
「わ、私はっ…まぁライトさんが出て行ったばかりの頃はイライラしてましたが……今はもう怒ってません、むしろ反省してるくらいです」
「反省?」
「はい、流石に言い過ぎてしまったかもしれないと、ずっと考えていました」
「そ、そんな事はないぞ⁉︎ セレナが反省する事なんか1つもないからな!」
事実だ、屋敷であった事は俺が全部悪いし。
セレナに信用できないと言われて逆ギレしたのも俺が悪い。
セレナが反省する事なんてあるはずがない。
俺が悪いなら、やらなきゃいけない事がある
「セレナ」
「はい?」
「あの時は事情があるんだーとか、信じてくれーとか言って、最初に言わなきゃいけない事を言うのを忘れてたよ」
俺の話をセレナは静かに聞いている。 ありがたい
「嘘をついてて、悪かった! これからは嘘をつかないとは言えない……けど!」
何を言えばいいのか言葉に詰まる。
そして突然セレナが笑い出し
「ふふっ…なんか前までは屋敷で会うたびに喧嘩してたのに、お互い遠慮しながら話すのは違和感がありますね」
「…喧嘩じゃなくて、お前が一方的に俺に毒吐いてただけだろ?」
「そうでしたね、また前みたいな関係に戻れますかね…」
セレナが急に不安そうに聞いてくる。
俺はなんだか今までの事が馬鹿馬鹿しくなり
「まぁ大丈夫だろ、普通に話してればそのうち前みたいに戻れるさ」
「そうですね! あ、私からも言いたい事があります」
「なんだ?」
「屋敷では言い過ぎました、ごめんなさい!」
セレナは頭を下げてくる。
まったく…反省する必要はないって言ってるのにな
「じゃあこれで仲直り…でいいのか?」 
「いいんじゃないですか? 」
「なんか…あっさりしてたな」
「…ですね、屋敷ではあんなに言い合ったのに」
もう屋敷には戻れないと思っていた。
だがこうしてセレナと無事に仲直りすることが出来た、これからは人との関係を大事にしていこうと、そう思った。
「さて、王城に行きますか? 遅れてきても構わないと言われましたが、もう仲直りも出来ましたし」
「そうだな、向かうか!  ちょっと恥ずかしいけどな…」
そういって俺たちは王城へと歩き始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
王城へと向かう最中
「なぁ、王女様に呼ばれた理由って分かったりしないのか?」
「んー…私とアイリスとファリアとアリスさんだけなら、女王候補に関係する話だと思うんですが…ライトさんやソラさんまで呼ばれてるとなると、私には分からないですね」
なるほど、やっぱりセレナも俺が呼ばれた理由を知らないのか…
ん? 待てよ? 今…
「な、なぁ今、セレナ達の他にアリスの名前も呼んだか?」
「? はい、それがどうかしたんですか?」
「いや、女王候補の話かもしれないのになんでアリスが呼ばれるんだ…?」
俺の問いかけにセレナは納得した様に手を叩き
「あぁなるほど、ライトさんは知らないんですね」
「な、何がだ?」
「アリスさんも私達と同じ、女王候補ですよ? まぁアリスさんは女王になりたくはないみたいですが…」
「は、はあぁ⁉︎ アリスが⁉︎」
衝撃だった、あのゲーム激強お嬢様が…女王⁉︎ 
「まじかよ…正直驚いたわ」
「本当にライトさんはこの国の事を何も知らないんですね」
「あ、そうだ、その事だけどさ」
今なら、信じてくれるかもしれない
「俺が記憶喪失だってのは嘘だ、だけど……文字が読めない事と、俺がこの世界の住人じゃないってのは本当なんだ」
「………」
「だから…えっと…」
「信じますよ、もうあなたが嘘をつく必要はないですもんね」
「ほ、本当か⁉︎」
「はい、あの時は信じられませんでしたが、今なら信じられます。 屋敷に帰ったら、また文字の勉強をしましょう」
「あ、あぁ! ありがとな…セレナ先生!」
「先生はやめてください‼︎‼︎」
そんな懐かしいやりとりをしながら歩いていると、王城についた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「下から見るとめっちゃでかいなこの城!」
「住んでみたいと思いますか?」
「そりゃなー、あ、そういや王女になった人はこの城に住めるんだろ?」
「まぁそうですね」
やっぱり住む世界が違うのだと思い知らされた。
だがセレナは少しだけ頬を赤くし
「もし…もしですよ? 私が王女になれたら、ライトさんをこの城で執事として雇ってあげますよ」
「まじで⁉︎ この城に住めるんなら執事でも雑用係でもなんでもやるよ!」
「な、なんでもですか…」
俺たちがそんな話をしていると、城の門にいた兵士が
「失礼、王城に何の御用か教えてもらおうか」
「先程放送で呼ばれたセレナと」
「同じく、呼ばれたライトだ」
俺たちがそういうと兵士は慌てて
「も、申し訳ありません! ど、どうぞ中へ!」
と王城の門を開ける。
「ありがとうございますね」
「お、お邪魔しまーす…」
セレナは堂々と、俺はビクビクしながら王城へと入っていった。
あれからお互い無言のまま時間は流れ、流石になにか話そうと思い
「げ、元気だったか? 」
「…え⁉︎ あ、あぁ…はい、元気でしたよ」
「そ、そうか…」
「はい…」
「…………………」
「…………………」
はい、会話終了!
なんだよこの空気は! めっちゃ話しづらいわ!
そして次はセレナが
「ライトさんは…怒ってたりしますか? 」
急にそんな事を言ってくる。
「怒るって、もしかして屋敷での事か?」
俺がそう言うとセレナがコクリと頷く
「なら、俺が怒るわけないだろ? むしろあれは俺が完全に悪いわけだしな。 普通怒るならセレナのほうだろ?」
「わ、私はっ…まぁライトさんが出て行ったばかりの頃はイライラしてましたが……今はもう怒ってません、むしろ反省してるくらいです」
「反省?」
「はい、流石に言い過ぎてしまったかもしれないと、ずっと考えていました」
「そ、そんな事はないぞ⁉︎ セレナが反省する事なんか1つもないからな!」
事実だ、屋敷であった事は俺が全部悪いし。
セレナに信用できないと言われて逆ギレしたのも俺が悪い。
セレナが反省する事なんてあるはずがない。
俺が悪いなら、やらなきゃいけない事がある
「セレナ」
「はい?」
「あの時は事情があるんだーとか、信じてくれーとか言って、最初に言わなきゃいけない事を言うのを忘れてたよ」
俺の話をセレナは静かに聞いている。 ありがたい
「嘘をついてて、悪かった! これからは嘘をつかないとは言えない……けど!」
何を言えばいいのか言葉に詰まる。
そして突然セレナが笑い出し
「ふふっ…なんか前までは屋敷で会うたびに喧嘩してたのに、お互い遠慮しながら話すのは違和感がありますね」
「…喧嘩じゃなくて、お前が一方的に俺に毒吐いてただけだろ?」
「そうでしたね、また前みたいな関係に戻れますかね…」
セレナが急に不安そうに聞いてくる。
俺はなんだか今までの事が馬鹿馬鹿しくなり
「まぁ大丈夫だろ、普通に話してればそのうち前みたいに戻れるさ」
「そうですね! あ、私からも言いたい事があります」
「なんだ?」
「屋敷では言い過ぎました、ごめんなさい!」
セレナは頭を下げてくる。
まったく…反省する必要はないって言ってるのにな
「じゃあこれで仲直り…でいいのか?」 
「いいんじゃないですか? 」
「なんか…あっさりしてたな」
「…ですね、屋敷ではあんなに言い合ったのに」
もう屋敷には戻れないと思っていた。
だがこうしてセレナと無事に仲直りすることが出来た、これからは人との関係を大事にしていこうと、そう思った。
「さて、王城に行きますか? 遅れてきても構わないと言われましたが、もう仲直りも出来ましたし」
「そうだな、向かうか!  ちょっと恥ずかしいけどな…」
そういって俺たちは王城へと歩き始めた。
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王城へと向かう最中
「なぁ、王女様に呼ばれた理由って分かったりしないのか?」
「んー…私とアイリスとファリアとアリスさんだけなら、女王候補に関係する話だと思うんですが…ライトさんやソラさんまで呼ばれてるとなると、私には分からないですね」
なるほど、やっぱりセレナも俺が呼ばれた理由を知らないのか…
ん? 待てよ? 今…
「な、なぁ今、セレナ達の他にアリスの名前も呼んだか?」
「? はい、それがどうかしたんですか?」
「いや、女王候補の話かもしれないのになんでアリスが呼ばれるんだ…?」
俺の問いかけにセレナは納得した様に手を叩き
「あぁなるほど、ライトさんは知らないんですね」
「な、何がだ?」
「アリスさんも私達と同じ、女王候補ですよ? まぁアリスさんは女王になりたくはないみたいですが…」
「は、はあぁ⁉︎ アリスが⁉︎」
衝撃だった、あのゲーム激強お嬢様が…女王⁉︎ 
「まじかよ…正直驚いたわ」
「本当にライトさんはこの国の事を何も知らないんですね」
「あ、そうだ、その事だけどさ」
今なら、信じてくれるかもしれない
「俺が記憶喪失だってのは嘘だ、だけど……文字が読めない事と、俺がこの世界の住人じゃないってのは本当なんだ」
「………」
「だから…えっと…」
「信じますよ、もうあなたが嘘をつく必要はないですもんね」
「ほ、本当か⁉︎」
「はい、あの時は信じられませんでしたが、今なら信じられます。 屋敷に帰ったら、また文字の勉強をしましょう」
「あ、あぁ! ありがとな…セレナ先生!」
「先生はやめてください‼︎‼︎」
そんな懐かしいやりとりをしながら歩いていると、王城についた。
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「下から見るとめっちゃでかいなこの城!」
「住んでみたいと思いますか?」
「そりゃなー、あ、そういや王女になった人はこの城に住めるんだろ?」
「まぁそうですね」
やっぱり住む世界が違うのだと思い知らされた。
だがセレナは少しだけ頬を赤くし
「もし…もしですよ? 私が王女になれたら、ライトさんをこの城で執事として雇ってあげますよ」
「まじで⁉︎ この城に住めるんなら執事でも雑用係でもなんでもやるよ!」
「な、なんでもですか…」
俺たちがそんな話をしていると、城の門にいた兵士が
「失礼、王城に何の御用か教えてもらおうか」
「先程放送で呼ばれたセレナと」
「同じく、呼ばれたライトだ」
俺たちがそういうと兵士は慌てて
「も、申し訳ありません! ど、どうぞ中へ!」
と王城の門を開ける。
「ありがとうございますね」
「お、お邪魔しまーす…」
セレナは堂々と、俺はビクビクしながら王城へと入っていった。
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