3人の勇者と俺の物語
178章 久々の冒険
うー、ダンジョンダンジョン。
そんなわけで女神の盾のメンバーはアイツらとの戦いの場、Gダンジョン(仮)に来ている。
これはエイべスの世界のバグ、アイツらを自動的にダンジョン内に転送してきて冒険者たちに処分させることによってエネルギーを喰らい無尽蔵に増えるアイツらを駆除しようという試験的な試みだ。
もちろんテスト稼働には状況を理解しているワタルたちに白羽の矢が立った。
そして今ワタル達の世界の北端の地、まだ未開の豪雪地帯に作られた仮設ダンジョンの前に来ている。
当然、ユウキは欠席だ。
「周りはすごい吹雪なのにこの周囲は過ごしやすいですね」
カイの言うとおりダンジョンの周り5mほどの範囲には雪は降り込んできていない、
感じられる温度も過ごしやすいくらいだ。
「一応万が一に備えて簡易結界で包まれているらしい。
逃げ出されたら大問題だからね」
ダンジョンの入口は建物になっている。
平屋のレンガ造りで風よけのフードのかかった照明が周囲を明るく照らしている。
両開きの扉を開くと丸テーブルがいくつか置かれており、椅子もきれいに備え付けられている。
壁面にはカウンターテーブルとカウンターチェア、
室内を照らす照明は雰囲気のあるシャンデリア風、揺らいでいるのは演出だそうだ。
言ってみればこれぞギルドと言った雰囲気だ。
奥のカウンターには女性の受付が待っていた、【中央】の職員だ。
「お待ちしておりました女神の盾の皆様、ご説明いたしますのでこちらへどうぞ」
素敵な笑顔で迎えてくれる美人受付嬢。テンプレだ。
「この度はアイツらの討伐にご協力いただき誠にありがとうございます。
正式サービス提供まではまだ間がありますがオープンβテストとして皆様にはご協力頂きます」
ワタル達相手なのでメタい発言だらけだが気にしない。
「このダンジョンに入られる方は、この世界の住人の場合女神の腕輪を必ず登録していただきます。
他の世界の場合はギルドの腕輪と言うかたちを取らせていただきます、
腕輪に追加される機能は、生体モニター、強制転移です。
生体モニターは皆様の健康状態を常にチェックさせていただきます。
戦闘続行が不可能な状態になった場合即座に医務室へと強制転移させていただきます。
強制転移は申し訳ございませんが進入時のデータを参照にいたしますので、
ダンジョン内で得たアイテム、金銭はロストいたします。ご注意下さい。
腕輪のある腕を切り落とされた場合なども即座に転送されてしまいます。
もちろん腕を転送するわけではなく肉体もついて来ますから、
転送されたら腕だけだった、ということはありませんご安心下さい」
妙な間を取ってから続きを話し始める。今のところが笑うところだったらしい。
笑いとは難しいものだ……
「このダンジョンは100階層となっております。5階層ごとにセーフゾーンと転送装置があります。
その転送装置を使えば安全にこの場へと戻ってこれます。
アイテムや金銭も持ち帰ることが出来ます。
10階層ごとに中ボス的なアイツらが待っています。
見事中ボス的なアイツらを倒すとエリアボーナスとして宝箱が用意されています。
中ボスは1パーティで一度しか戦えませんが、一ヶ月ごとにそれはリセットされます。
最終階層のボスは手強いですが制覇ボーナスはこの世界で言う大ダンジョンに近い報酬を得られます」
「大盤振る舞いだな」
「はい、今回のテストで問題がないと判断されれば各世界で同じ形態のダンジョンがオープンしていきます。また、このダンジョン制覇の報酬に別世界へと転送することが可能になるキーアイテムを予定しております。女神の盾の皆様には普通のアイツらではあまりに味気ないので特殊変異した個体を多数準備しております。厄介なものもおおいのでここで間引いておきたいので皆様のご活躍に期待いたします」
「デルスそんなこと一言も言ってなかったのに……ワタ兄帰ったら締めよう」
「まぁまぁ、あんまり弱くてもつまらないじゃん、
あんだけ、ほんとに血反吐吐いて訓練したのにそれを思いっきり震えなくて
もやもやしてたし、今日は思いっきりストレス発散しよう」
「それでは準備ができましたらこちらのプレートに腕輪をかざして、
奥の扉よりダンジョンへとお進み下さい」
ワタル達が腕輪をかざすと魔術文様のようにプレートが青色LEDの様に光る。
一瞬でバージョンアップは終了だ。
「モニタリングは問題ありません。ご武運を」
建物の一番奥に鉄製の扉がある、この先がダンジョンになっている。
少し重い扉を開くとひんやりとした空気が室内に流れてくる。
「お、なんかこの雰囲気久しぶりでワクワクするね」
「そうだね、こういうの久々!」
「リク様危ないので通路で斧を振り回さないで下さい!」
「あ、ごめんごめん!」
通路には等間隔に松明型照明が置かれている。
壁面は特性な岩を模した素材で、アイツらでも食べられない物体だそうだ、
普通の洞窟にアイツラを入れると岩だろうが床だろうがなんでも食べて増殖してしまうので、
こういった特殊な素材を用いらないといけない。
通路の奥にもう一つの扉がある。
この通路自体が最終防衛線となっており、万が一内部でアイツらが異常増殖して洞窟から溢れ出した場合この通路にて処分され外には出られないようになっている。
「いかにもダンジョンの入口って感じの扉だね」
ワタルが扉の持ち手に手をかけ、力強く開く。
内部にも照明は点在しているが基本的には薄暗く自分たちで照明を用意したほうが得策だ。
「カレン、頼む」
「はい、ワタル様」
カレンは光の中精霊を呼び出す。
ワタル達は光の精霊の暗視の加護を得る、これによってダンジョン内でもまるで昼間の外のように視覚情報を得ることができる。
照明などの光も精霊が調節してくれるので目がくらんだりもしない、
フラッシュバンのような光学式の目くらましも通用しなくなる。
こうして、ワタル達のダンジョン探索が始まる。
そんなわけで女神の盾のメンバーはアイツらとの戦いの場、Gダンジョン(仮)に来ている。
これはエイべスの世界のバグ、アイツらを自動的にダンジョン内に転送してきて冒険者たちに処分させることによってエネルギーを喰らい無尽蔵に増えるアイツらを駆除しようという試験的な試みだ。
もちろんテスト稼働には状況を理解しているワタルたちに白羽の矢が立った。
そして今ワタル達の世界の北端の地、まだ未開の豪雪地帯に作られた仮設ダンジョンの前に来ている。
当然、ユウキは欠席だ。
「周りはすごい吹雪なのにこの周囲は過ごしやすいですね」
カイの言うとおりダンジョンの周り5mほどの範囲には雪は降り込んできていない、
感じられる温度も過ごしやすいくらいだ。
「一応万が一に備えて簡易結界で包まれているらしい。
逃げ出されたら大問題だからね」
ダンジョンの入口は建物になっている。
平屋のレンガ造りで風よけのフードのかかった照明が周囲を明るく照らしている。
両開きの扉を開くと丸テーブルがいくつか置かれており、椅子もきれいに備え付けられている。
壁面にはカウンターテーブルとカウンターチェア、
室内を照らす照明は雰囲気のあるシャンデリア風、揺らいでいるのは演出だそうだ。
言ってみればこれぞギルドと言った雰囲気だ。
奥のカウンターには女性の受付が待っていた、【中央】の職員だ。
「お待ちしておりました女神の盾の皆様、ご説明いたしますのでこちらへどうぞ」
素敵な笑顔で迎えてくれる美人受付嬢。テンプレだ。
「この度はアイツらの討伐にご協力いただき誠にありがとうございます。
正式サービス提供まではまだ間がありますがオープンβテストとして皆様にはご協力頂きます」
ワタル達相手なのでメタい発言だらけだが気にしない。
「このダンジョンに入られる方は、この世界の住人の場合女神の腕輪を必ず登録していただきます。
他の世界の場合はギルドの腕輪と言うかたちを取らせていただきます、
腕輪に追加される機能は、生体モニター、強制転移です。
生体モニターは皆様の健康状態を常にチェックさせていただきます。
戦闘続行が不可能な状態になった場合即座に医務室へと強制転移させていただきます。
強制転移は申し訳ございませんが進入時のデータを参照にいたしますので、
ダンジョン内で得たアイテム、金銭はロストいたします。ご注意下さい。
腕輪のある腕を切り落とされた場合なども即座に転送されてしまいます。
もちろん腕を転送するわけではなく肉体もついて来ますから、
転送されたら腕だけだった、ということはありませんご安心下さい」
妙な間を取ってから続きを話し始める。今のところが笑うところだったらしい。
笑いとは難しいものだ……
「このダンジョンは100階層となっております。5階層ごとにセーフゾーンと転送装置があります。
その転送装置を使えば安全にこの場へと戻ってこれます。
アイテムや金銭も持ち帰ることが出来ます。
10階層ごとに中ボス的なアイツらが待っています。
見事中ボス的なアイツらを倒すとエリアボーナスとして宝箱が用意されています。
中ボスは1パーティで一度しか戦えませんが、一ヶ月ごとにそれはリセットされます。
最終階層のボスは手強いですが制覇ボーナスはこの世界で言う大ダンジョンに近い報酬を得られます」
「大盤振る舞いだな」
「はい、今回のテストで問題がないと判断されれば各世界で同じ形態のダンジョンがオープンしていきます。また、このダンジョン制覇の報酬に別世界へと転送することが可能になるキーアイテムを予定しております。女神の盾の皆様には普通のアイツらではあまりに味気ないので特殊変異した個体を多数準備しております。厄介なものもおおいのでここで間引いておきたいので皆様のご活躍に期待いたします」
「デルスそんなこと一言も言ってなかったのに……ワタ兄帰ったら締めよう」
「まぁまぁ、あんまり弱くてもつまらないじゃん、
あんだけ、ほんとに血反吐吐いて訓練したのにそれを思いっきり震えなくて
もやもやしてたし、今日は思いっきりストレス発散しよう」
「それでは準備ができましたらこちらのプレートに腕輪をかざして、
奥の扉よりダンジョンへとお進み下さい」
ワタル達が腕輪をかざすと魔術文様のようにプレートが青色LEDの様に光る。
一瞬でバージョンアップは終了だ。
「モニタリングは問題ありません。ご武運を」
建物の一番奥に鉄製の扉がある、この先がダンジョンになっている。
少し重い扉を開くとひんやりとした空気が室内に流れてくる。
「お、なんかこの雰囲気久しぶりでワクワクするね」
「そうだね、こういうの久々!」
「リク様危ないので通路で斧を振り回さないで下さい!」
「あ、ごめんごめん!」
通路には等間隔に松明型照明が置かれている。
壁面は特性な岩を模した素材で、アイツらでも食べられない物体だそうだ、
普通の洞窟にアイツラを入れると岩だろうが床だろうがなんでも食べて増殖してしまうので、
こういった特殊な素材を用いらないといけない。
通路の奥にもう一つの扉がある。
この通路自体が最終防衛線となっており、万が一内部でアイツらが異常増殖して洞窟から溢れ出した場合この通路にて処分され外には出られないようになっている。
「いかにもダンジョンの入口って感じの扉だね」
ワタルが扉の持ち手に手をかけ、力強く開く。
内部にも照明は点在しているが基本的には薄暗く自分たちで照明を用意したほうが得策だ。
「カレン、頼む」
「はい、ワタル様」
カレンは光の中精霊を呼び出す。
ワタル達は光の精霊の暗視の加護を得る、これによってダンジョン内でもまるで昼間の外のように視覚情報を得ることができる。
照明などの光も精霊が調節してくれるので目がくらんだりもしない、
フラッシュバンのような光学式の目くらましも通用しなくなる。
こうして、ワタル達のダンジョン探索が始まる。
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