3人の勇者と俺の物語
168章 予想外の問答
「本当にそんな情報が流れていたのですか?」
今までと変わらない口調だが、微細な変化があったような気がする。
ほんのすこしワタル達を探るような、そんな変化だ。
「我々もなにぶん巻き込まれたようなものですから、実際はわかりません。
ただそういう情報と認識できる何かを知ってしまったのです」
ユウキは一切の変化なく問答に応じる。
ワタルでは100%無理だった。
「否定はなさらないのですか?」
デルスが続ける。
「君たちはすでにその情報の確信を得ているんだろう。無駄に否定しても意味のないことだ。
そうだ、我々【中央】と呼ばれている者たちはこの世界の人間ではない。
別次元、この世界よりも少しだけ高次元な世界から送られたシステムだ」
「……そんなに簡単に認めるとは思っていませんでした」
「先程も言ったとおり、無意味な否定は無駄だ。
我々はこの世界の住人に害をなす存在ではないつもりだ、
むしろこの世界の住人を保護している」
「それは否定できません【中央】から与えられる恩恵には計り知れない物が多い。
ただ、それならなぜ今までその事実を発表しないのですか?」
「無駄だから、正確には無駄が大きいからだ。
事実を発表して何が起きるか、それを解決するためにどのような労力が必要か、
それらを天秤にかけた結果、発表しないほうがいいと判断した。ただそれだけだ」
「歯に衣着せぬお答えはありがたいのですが、よろしいのですか?
聞いておいた側が言うのはアレですが、かなり過激な内容が含まれていますよ?」
「繰り返しになるが、嘘をついても意味がない。
結局事実はいつか突き止められ、その時に嘘をついたことが問題になる。
メリットとデメリットを考えて行動しているだけだ」
特に感情が変化するわけでもなく淡々と【中央】の男はそう話す。
徹底したリアリストであることが言葉の端々から伝わってくる。
「あなた方【中央】は何者なんですか?
高次元の生物で我々が作り出すエネルギーを必要としているというのがどうも結びつかないのです」
これ以上無駄な問答をする意味が無いと判断したガルゴは最も重要な点を正面から問うことにした。
「高次元とはいっても実質的にはほとんど差はないのかもしれない、
精神エネルギー体となった我らのマスターたちは世界に存在する力の波、
波動のようなものを糧にその存在を維持していた。
世界と一体となり、世界がマスターであり、マスターが世界でした。
何も消費せず、何も変わらず、そのまま悠久の時を過ごすはずでした。
しかし、ある日マスターに変化が起きました。
エネルギーを消費しないと活動が維持が出来なくなってしまったのです。
原因はわかりませんでした、
しかし、すでに世界と同意義になっているマスターの消費するエネルギーは膨大でした。
いままでエネルギーを必要としていなかったため、
エネルギー対策などをしていない世界のエネルギーはどんどん消費されていきました。
星星は枯れ、生命は倒れていきました。
今まで世界のために全てを愛していたマスターは大変心を痛めていました。
それでもエネルギーの消費を止めることは出来ませんでした、
そこでマスターは別次元からエネルギーを得られないか考えました。
その結果生み出されたのが我々です。
我々は他世界へと派遣され、各世界でエネルギーを得る方法を模索し、
そして成功した場合はそのエネルギーをマスターの次元へと送っています。
もちろん奪い取るようなことはしません、出来る限り穏便にエネルギーを分けてもらう、
そういう指示のもとでたくさんの世界へと我々は活動しているのです」
 淡々と衝撃的な話を続ける【中央】側の男。
比較的この話を理解できているのはデルスとワタルとユウキそして以外にもバルビタールだった。
他のメンバーはあまりのスケールの話にやや困惑気味だ。
「僕の作ったワールドクリエイターにおける神が突然その世界からな何らかのエネルギーを消費することになったと考えると理解しやすいですね。……それはそれで面白そうな案だな……その消費するエネルギーをどのように賄うかという戦略的要素を……ブツブツ……」
デルスは新たな構想の着眼点を得て自分の世界に引きこもっていってしまう。
「あなた方【中央】に明確な悪意がないことはわかりました。
しかし、今後どうなるのでしょう? 私たちはこのような衝撃的な事実が判明した以上、
この事実を隠匿していくわけには行かなくなります。
情報の開示は許可していただけるのか?
もう一点、マスターがいらっしゃるという世界は今どうなっているのですか?」
ユウキが議論をきちっと引き継いでくれる。
ワタルはすでに執事さんと一緒に給仕や軽食などを準備している。
「情報の開示については、仕方がないでしょう。
もし、それでこの世界の人々に理解が得られなければ我々はこの世界から撤退致します。
この世界は特異なほどのエネルギーをこの世界に悪影響を与えずに長期的に得られていたので名残惜しいですが、また別の世界でエネルギーを得る手段を考えます。
そうですね、今度はきちんと最初からわかり合って得る努力をするでしょう。
2点目のご質問は、お答えできません。
我々は向こうの世界の状態を知ることは命令されておりません」
「え……?」
今までと変わらない口調だが、微細な変化があったような気がする。
ほんのすこしワタル達を探るような、そんな変化だ。
「我々もなにぶん巻き込まれたようなものですから、実際はわかりません。
ただそういう情報と認識できる何かを知ってしまったのです」
ユウキは一切の変化なく問答に応じる。
ワタルでは100%無理だった。
「否定はなさらないのですか?」
デルスが続ける。
「君たちはすでにその情報の確信を得ているんだろう。無駄に否定しても意味のないことだ。
そうだ、我々【中央】と呼ばれている者たちはこの世界の人間ではない。
別次元、この世界よりも少しだけ高次元な世界から送られたシステムだ」
「……そんなに簡単に認めるとは思っていませんでした」
「先程も言ったとおり、無意味な否定は無駄だ。
我々はこの世界の住人に害をなす存在ではないつもりだ、
むしろこの世界の住人を保護している」
「それは否定できません【中央】から与えられる恩恵には計り知れない物が多い。
ただ、それならなぜ今までその事実を発表しないのですか?」
「無駄だから、正確には無駄が大きいからだ。
事実を発表して何が起きるか、それを解決するためにどのような労力が必要か、
それらを天秤にかけた結果、発表しないほうがいいと判断した。ただそれだけだ」
「歯に衣着せぬお答えはありがたいのですが、よろしいのですか?
聞いておいた側が言うのはアレですが、かなり過激な内容が含まれていますよ?」
「繰り返しになるが、嘘をついても意味がない。
結局事実はいつか突き止められ、その時に嘘をついたことが問題になる。
メリットとデメリットを考えて行動しているだけだ」
特に感情が変化するわけでもなく淡々と【中央】の男はそう話す。
徹底したリアリストであることが言葉の端々から伝わってくる。
「あなた方【中央】は何者なんですか?
高次元の生物で我々が作り出すエネルギーを必要としているというのがどうも結びつかないのです」
これ以上無駄な問答をする意味が無いと判断したガルゴは最も重要な点を正面から問うことにした。
「高次元とはいっても実質的にはほとんど差はないのかもしれない、
精神エネルギー体となった我らのマスターたちは世界に存在する力の波、
波動のようなものを糧にその存在を維持していた。
世界と一体となり、世界がマスターであり、マスターが世界でした。
何も消費せず、何も変わらず、そのまま悠久の時を過ごすはずでした。
しかし、ある日マスターに変化が起きました。
エネルギーを消費しないと活動が維持が出来なくなってしまったのです。
原因はわかりませんでした、
しかし、すでに世界と同意義になっているマスターの消費するエネルギーは膨大でした。
いままでエネルギーを必要としていなかったため、
エネルギー対策などをしていない世界のエネルギーはどんどん消費されていきました。
星星は枯れ、生命は倒れていきました。
今まで世界のために全てを愛していたマスターは大変心を痛めていました。
それでもエネルギーの消費を止めることは出来ませんでした、
そこでマスターは別次元からエネルギーを得られないか考えました。
その結果生み出されたのが我々です。
我々は他世界へと派遣され、各世界でエネルギーを得る方法を模索し、
そして成功した場合はそのエネルギーをマスターの次元へと送っています。
もちろん奪い取るようなことはしません、出来る限り穏便にエネルギーを分けてもらう、
そういう指示のもとでたくさんの世界へと我々は活動しているのです」
 淡々と衝撃的な話を続ける【中央】側の男。
比較的この話を理解できているのはデルスとワタルとユウキそして以外にもバルビタールだった。
他のメンバーはあまりのスケールの話にやや困惑気味だ。
「僕の作ったワールドクリエイターにおける神が突然その世界からな何らかのエネルギーを消費することになったと考えると理解しやすいですね。……それはそれで面白そうな案だな……その消費するエネルギーをどのように賄うかという戦略的要素を……ブツブツ……」
デルスは新たな構想の着眼点を得て自分の世界に引きこもっていってしまう。
「あなた方【中央】に明確な悪意がないことはわかりました。
しかし、今後どうなるのでしょう? 私たちはこのような衝撃的な事実が判明した以上、
この事実を隠匿していくわけには行かなくなります。
情報の開示は許可していただけるのか?
もう一点、マスターがいらっしゃるという世界は今どうなっているのですか?」
ユウキが議論をきちっと引き継いでくれる。
ワタルはすでに執事さんと一緒に給仕や軽食などを準備している。
「情報の開示については、仕方がないでしょう。
もし、それでこの世界の人々に理解が得られなければ我々はこの世界から撤退致します。
この世界は特異なほどのエネルギーをこの世界に悪影響を与えずに長期的に得られていたので名残惜しいですが、また別の世界でエネルギーを得る手段を考えます。
そうですね、今度はきちんと最初からわかり合って得る努力をするでしょう。
2点目のご質問は、お答えできません。
我々は向こうの世界の状態を知ることは命令されておりません」
「え……?」
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