3人の勇者と俺の物語

穴の空いた靴下

155章 帰還

 いくつかお菓子を作って神様のところへおみやげとして渡して御暇することにする。
 神様は当然アイテムボックスがあるので各種スイーツを取り揃えた。
 ジュラは普通の女子大生として生きているので簡単な形成などは後からやればいいので、
 土台となるスポンジ、各種生クリーム、チョコレート、様々なペースト。
 これらを組み合わせればいろいろな絶品ケーキがホールで作ることができる。
 シフォンケーキやクッキー、ババロア、プリン、ゼリー、洋菓子だけではなく和菓子各種。
 それはもういろいろなものを置いていく。
 ワタルも充実したキッチンでの調理に火がついてしまってやややり過ぎていた。

 「ありがとうワタル君、あれはゆっくりと堪能させてもらうよ!」

 がっしりと力強く握手を交わすジュラとワタル。
 ヴェルダンディとアレスも同じようにおみやげをもらっている。
 今回の一件でさらに二人はラブラブになっていた。
 めでたいことです。

 「それでは一度自分たちの国へ帰ります。またお力になれることがあれば呼んで下さい」

 扉を抜けると、魔神城跡地だった。
 念の為にダンジョンは初期化しておく。
 流石に宝なんかはそっとしておく。
 黒龍とバルビタールはお互い気に入ったらしくしばらく一緒に行動をするそうだ。
 肉体や精神的な相性が良いらしく、一緒にいることがお互いにとって有益だと判断したみたいだ。

 ワタル達一行はノーザンラクト城へ車で移動する、
 すでに女王を含め王たちには戦いの終わりは伝えてある。
 完全に平穏が訪れたわけではないかもしれないが、ひとまずは目の前の崩壊は防ぐことが出来た。
 なぜ完全に平和が訪れたと言えないかというと、ジュラが言っていたことが関係する。

 「【絶対者】は自らの痕跡を消すために世界を消すことを今まで全く躊躇しなかった、
 いくつもの世界が奴らに消された、消された世界の持ち主については不当なプログラムを【絶対者】から受けていた者は同情できない、でもその世界に住んでいた者達はなんの罪もないのに……
 今回は私達が関与していたから手を引いていますが、
 逃げ切れたと判断したらこの世界に関与してくる可能性が高いと私たちは考えています。
 それに……いや、こんな心配してないできちっと私達でとっちめてやらないと!
 こっちも十分に気をつけてはいますが、あなた達も気をつけて下さい」

 城へついた女神の盾のメンバーは大喝采に迎えられた。
 世界を救った冒険者パーティ。バルビタールのこともガルゴのことも事前に伝えてある。
 ただ、世界の成り立ちや神のことを話すわけには行かないので、
 ガルゴに操られたバルビタールは転生して生まれ変わり、
 共にガルゴを討ち果たし世界は救われた。
 そんなありがちなRPGの終わりみたいな話になっている。

 世界中に点在する【黒】も冒険者達によって淘汰されていく。
 世界には一時の平和が訪れた。
 ノーザンラクト城は巨城へと生まれ変わり、その維持管理のためにも周囲一帯の農地改革を行った。
 ワタルが。
 その後ワタル達女神の盾は女神の寝屋の各国の王の元で各地の問題を解決して回る特殊部隊のような位置づけになっていく。
 女神の盾商会も国家間の商いなどを中心として活躍して発展を続けている。
 正式にゲーツ女史が代表者として今でもメキメキと成長を続けている。

 バルビタールは長年のアタックを実らせセイと一緒になっている。
 ノーザンラクト郊外でのんびりと暮らしている。
 バッツは女神の盾商会服飾部門の長として日々最先端のファッションを追い求めている。
 カレンは世界中を飛び回ってワタルの耳となり目となり献身的に働いている、
 女神の盾の魔道具開発にも多大なる貢献をしている。
 ワタルは家でゆっくりしていても良いと言っているのだが、旅自体も好きだし、
 たまにワタルも同行したりしている。妻としての勤めも果たしている。
 リク、カイ、クウは各国の武術指南、魔術指南、女神の盾の武具開発、魔道具開発などに忙しく暮らしている。ワタルとの結婚生活も充実しており、イステポネの新居を中心に生活している。
 ワタルとユウキは忙殺と言っていいような生活を過ごしている。
 各国を間断なく行き来して地方に至るまで様々な場所でその能力を遺憾なく発揮している。
 世界全体の人口も爆発的に伸びている、
 ユウキがもたらす近代医学、栄養学、その他様々な知識は世界中に知らされていき、
 ワタルによる食料生産、生産品の質の向上など世界全体を押し上げる要因となっている。

 そんなかんなで、数年の平穏な時代を女神の盾のメンバーは忙しく過ごして行くことになる。

 その平穏が破られるのはワタル達がジュラ達と別れてから7年の月日が流れた頃であった。

 【ワタル、お久しぶりです。女神の盾の皆に話があります。
 女神の塔へいらしてください】

 久しぶりのベルダンディーからの通信がワタル達のもとへもたらされた。

 

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