3人の勇者と俺の物語

穴の空いた靴下

150章 因果応報

 【クソが!! なんとか、くっそ! 体は固定されてる、ダンジョンはいじれねぇ!
 卑怯だぞ! チクショウ!! 出てきやがれ!】

 「何言ってんだ、さんざん卑怯なことやってんのはそっちだろ」

 【!? てめぇ見てやがんのか!! ぶっ殺すぞ!! 早くこれ止めろ!!】

 「勝手なことばかり言いおって、こんな奴に俺の大切な仲間が殺されたとは信じたくないものだ」

 【あ!? そういや外の奴らはどうしたんだよ!! 俺を助けに来いよ出来損ない共!!】

 「あいつらは全部倒したぞ、てんで弱くて相手にならなかった」

 【バカな! あいつらはただの塊だからいくらでも代わりができるはずだ!
 そ、そうかここでも……な、なんだよ! 何も出来ねーじゃねーか!?】

 「もうダンジョン内部は【統率者】の管理下になってるぞ、
 あとは今のお前の力だけでなんとかするしかないぞ」

 【くそっくそっ! こんなもん数値いじればラクショーなんだ!
 卑怯だぞ! 早く俺を助けろ!!】

 「何言ってるんだお前は? なんで俺たちがお前を助けないといけないんだ?
 お前は最強なんだろ自分の力でなんとかしてみろよ」

 【うるっせぇ!!! 俺に説教するんじゃねぇ!! どいつもこいつも偉そうに!!
 俺はなんだって出来るんだ!! こんなのだってなんとでも出来るんだよぉ!!】

 ガルゴはマグマに向かってエネルギー弾を打ち込む、強烈なエネルギーの塊がマグマの波に吸い込まれ爆発を起こす、当然そうすればそこら中にマグマは飛び散る。
 下手に巨大なダンジョンにしたせいで後から後からマグマは際限なく流れ込んでくる。

 【ぐあーーーーー!! 熱い熱い!! く、苦しい!! お、おい!!
 なんとかしろチクショウ!! チクショウ!!】

 飛び散るマグマが体に付着して煙を上げる、更に爆発により熱風が荒れ狂う。

 「まさかお主それしかできんのか? その程度少し魔力なり闘気なりでカバーして脱出すればいいだけだろ?」

 あまりの醜態にバルビタールが助言までしてしまう。

 【うるせー!! 俺に指図すんな!! 出来るよ! 今からやろうとしてたんだよ!!】

 それから何やら試していたがそれもできずにまたいたずらにエネルギー弾を打ち出している。
 つまりコイツは巨大な力をただ打ち出すか振り回すことしかできない、
 それだけだった。

 「外からデータを弄ることしかできないんだなお前は……興ざめだよ」

 【な、な、何だとこらぁ!! てめぇここに来いよ!! ぶっ殺してやる!
 こんな卑怯なことしかできない負け犬がぁ!! オラァ!!
 俺が最強なんだよ! 俺が正義なんだ!!  俺がァァァァ!!】

 狂ったように叫びだし滅茶苦茶に周囲へと当たり散らす。
 そんなことをしても何も変わらない、すでに部屋の半分以上までマグマの侵入を許している。

 「こんな奴に……こんな奴にあいつらは……」

 憎むべき敵のあまりにも惨めな姿はバルビタールの無念をより一層大きな物へと変えてしまう。

 「ワタ兄、このやり方じゃダメ」

 「ワタル、ボクもそう思う。このまま終わりそうだけど、これじゃぁあまりにも……」

 「そう……だな……」

 「ワタル君、ダンジョンの構造をこちらから変えてこうしよう……」

 ユウキの案に全員が賛同する。
 黒龍の手伝いでダンジョン内の構造を変化させる。
 ダンジョン内に満たされたマグマは大部屋に集めさせる。
 ガルゴには気が付かれないようにガルゴ周囲は状況を維持させる。
 そして戦いの場を準備する。

 「ガルゴ、お前はそのままマグマに飲まれて死ぬのと俺らと戦って死ぬの、どっちがいい?」

 【はぁはぁ、ばっかじゃねぇの、お前らに俺が倒せるわけがねーだろーがばーか……
 死ねよクソがぁ……】

 「はぁ……お前は本当に救いようがないな……」

 「ワタル、俺一人でいい。俺の手でアイツに引導を渡す」

 バルビタールがダンジョン内へ入っていく。
 この戦いはバルビタールに任せる、女神の盾は見届人となる。

 戦いのために用意した空間へたどり着く、
 何もない巨大な空間。周囲の壁には【統率者】によるプロテクトと次元固定を施している。
 この空間の中でならたとえ核融合が起ころうと外部への影響はない。
 中心にはガルゴとその周りの空間が置かれている。
 ガルゴが少し真面目にやればこの部屋に出るぐらいはできただろう。
 だがガルゴはすでに諦めてしまっている。

 「ガルゴ! 俺に勝てたらお前の勝ちでいい! かかってこい!!」

 バルビタールが裂帛の気合とともにガルゴを覆っていたダンジョンの外壁を吹き飛ばす。
 突っ伏して恨み言をグチグチと垂らしているみっともないバケモノがそこにはいる。

 周囲の急な変化とバルビタールの言葉の理解にガルゴは時間が必要だったが、
 すぐに調子に乗った表情と態度を取り戻す!!

 【クックックックック……とんだ大バカどもだなァ!!
 お前らしんだぞ! ぜってぇ許さねぇ!! ぶっ殺してやる!!】

 「御託はいいからかかってこいよ、俺しか手は出さねぇ。
 あいつらの仇、きっちりお前の体に刻みつけてやる!!」

 【はっ、くっだらねぇ。終わりだよこれで】

 ガルゴは巨大なエネルギー弾をバルビタールへ打ち出す、
 確かにそのエネルギーは巨大で、打ち出されるスピードも常軌を逸してはいる。
 だが、ただそれだけだ。

 「歯ぁ食いしばれよ」

 ガルゴの攻撃を見切り一足でガルゴの懐に潜り込んだバルビタールの拳が深々とガルゴの腹に突き刺さる。

 さぁ、お仕置きの時間だ。


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