3人の勇者と俺の物語
143章 悪夢の始まり
『バルビタール様!!』
ドニが奥の部屋に扉を乱暴に開け放って飛び込んでいく、
そしてその目の前に広がる光景に絶句した。
ブトル、ペント、ショウが【黒】に侵食されボロボロの姿で地面でもがき苦しんでおり、
プロポはバルビタールに首を捕まれ今まさに手刀で腹を貫かれた瞬間であった。
『なんだ、わざわざ殺されに戻ったのか』
今腹を突き刺したプロポになんの興味もないように床に打ち捨てて、
手についた血をうっとおしそうに振り払う。
地面に転がされたプロポにも腹部の傷から【黒】がうぞうぞと侵食していく。
侵食されていくプロポは他の3人と違い全く動く気配がない……
あまりの光景に動きが止まってしまったドニにワタルが声を荒げる、
「呆けてる暇があるか!? 仲間を助けるんだろ?」
『!? すまん!!』
ドニはワタルたちから借りた刀を構え部屋に飛び込む、
バルビタールと仲間との間に立つ。
『大丈夫か!?』
バルビタールから目を話すことはなく背後の3人へと声をかける。
返事はない、皆低い声で苦しそうに唸っている。
「ドニ、気をつけろ! それに侵食されるとたぶんバルビタールに操られる!」
すぐにカレンは3人の元へ向かい新しく得た力で4魔将についた【黒】の処理を始める。
女神の腕輪から伸びる光の糸が【黒】を巻き取り剥がしていく、それと同時に【黒】を分解し消滅させていく。【統率者】がもたらしたアンチウイルスワクチンによる力だ。
プロポの元へはバッツが行っている。
『バルビタール様!! なぜですか!?
このようなことをせずとも我らはバルビタール様のために働きます!
なぜ!? なぜこのようなことを!!』
ドニの叫びもバルビタールはめんどくさそうに受け流す、
『てめぇらなんて知らねーよ、俺は最強なんだ、俺以外は存在価値のない糞だ。
お前も目障りだから死ねよ、死んだ後に操り人形として駒でなら使ってやる』
あまりにも酷いかつての仲間であり家族であり部下への言葉、
かつてのバルビタールならそのような言葉は決して口にはしない。
ドニの掴む刀が細かく震えている。
「バル!! あなた……なんてこと言うのよ!!」
その話に怒りを覚えたのはドニだけではなかった。
リクに背負われながらついてきていたセイがプロポの魔法から開放され目を覚ましていた。
バルビタールの発言にセイが声を荒げた。
「あんたのことを大切にしてくれた人たちになんてことしてるの!!」
『チッ……うるさい小娘が、ヤツが騒いで不愉快だ。やはりお前から死ね!』
声の主に向き直り、忌々しそうにセイを睨みつける。
バルビタールが手を向けると周囲の光が奪われるかのように一点に凝縮する。
バチバチと雷のようなものが高速で回転しながら光玉にまとわりついていく、
大気がビリビリと震えている。
一瞬で簡単に行われたような一撃だがねりこまれている魔力は莫大だ。
次の瞬間その恐ろしい塊がリクに背負われているセイに向かって放たれる、
空間が悲鳴を上げるほどのエネルギーがうねりをあげて高速で飛来する。
普通に受けてしまえばその余波でも周囲に莫大なダメージを与えてしまうことが予想される。
カイもクウも一瞬対応に迷ってしまう。ワタルも盾による防御での展開を必死に考えていた。
動いたのはユウキだった。
「喰らえ狭間!」
ユウキはその手に持つ槍を迫り来る光球へと突き立てる。
同時に展開される魔法陣、光球を覆うように展開され周囲の大気の震えも静になる、
次の瞬間光球が槍へと一瞬で吸い込まれていく。
『ぬ……』
バルビタールの表情に不快感が顕になる。
ユウキはエネルギーの異次元への転送実験の経験から敵の攻撃魔法やエネルギー派を喰らい、
以前にも利用した次元にて循環させたうえで回収するというシステムを完成させていた。
世界の一部を壊しかねない実験ではあったが、そこから得た成果もあったのだった。
なお、ネームングセンスについてはお察し下さい。
彼女も一時期の陰湿ないじめ時代に邪気眼などの黒歴史は一通り通ってきているのです。
「こないだほどじゃないけど、凄まじいエネルギーだね。
ワタル君気をつけて、この相手は強い」
取り込んだエネルギーの巨大さに驚くユウキ。
それをいとも簡単に放つ敵への警戒も最大限に高まる。
しかし、その当人の反応はややおかしかった、
イライラと足を動かし、体も落ち着きなく動かし、親指をガリガリとかじり、
まるで癇癪を起こす子供のような行動をとっていた。
『まったく、どいつもこいつも俺を不快にさせる!
俺が最強、俺が正義なんだよ!! 俺のいう事聞いてりゃいいんだ!!
俺を認めないなら全部ぶっ壊す!!!』
頭をかき乱し、ボリボリと体をかきはじめ、飛び跳ね、地団駄を踏み出す。
急に半狂乱になるバルビタール、明らかに普通の様子ではない。
『貴様、バルビタール様ではないな!! 何者だ!!』
ドニは明らかに尋常ではないかつての主の姿に目の前の男が自分の主ではない事に確信を持って叫ぶ。
『くくくく……ふふふふ……ハーッハッッハッハハ!!
俺か!? 俺はガルゴ! 全ての世界の神にして絶対の支配者!! ガルゴ様だ!!』
ドニが奥の部屋に扉を乱暴に開け放って飛び込んでいく、
そしてその目の前に広がる光景に絶句した。
ブトル、ペント、ショウが【黒】に侵食されボロボロの姿で地面でもがき苦しんでおり、
プロポはバルビタールに首を捕まれ今まさに手刀で腹を貫かれた瞬間であった。
『なんだ、わざわざ殺されに戻ったのか』
今腹を突き刺したプロポになんの興味もないように床に打ち捨てて、
手についた血をうっとおしそうに振り払う。
地面に転がされたプロポにも腹部の傷から【黒】がうぞうぞと侵食していく。
侵食されていくプロポは他の3人と違い全く動く気配がない……
あまりの光景に動きが止まってしまったドニにワタルが声を荒げる、
「呆けてる暇があるか!? 仲間を助けるんだろ?」
『!? すまん!!』
ドニはワタルたちから借りた刀を構え部屋に飛び込む、
バルビタールと仲間との間に立つ。
『大丈夫か!?』
バルビタールから目を話すことはなく背後の3人へと声をかける。
返事はない、皆低い声で苦しそうに唸っている。
「ドニ、気をつけろ! それに侵食されるとたぶんバルビタールに操られる!」
すぐにカレンは3人の元へ向かい新しく得た力で4魔将についた【黒】の処理を始める。
女神の腕輪から伸びる光の糸が【黒】を巻き取り剥がしていく、それと同時に【黒】を分解し消滅させていく。【統率者】がもたらしたアンチウイルスワクチンによる力だ。
プロポの元へはバッツが行っている。
『バルビタール様!! なぜですか!?
このようなことをせずとも我らはバルビタール様のために働きます!
なぜ!? なぜこのようなことを!!』
ドニの叫びもバルビタールはめんどくさそうに受け流す、
『てめぇらなんて知らねーよ、俺は最強なんだ、俺以外は存在価値のない糞だ。
お前も目障りだから死ねよ、死んだ後に操り人形として駒でなら使ってやる』
あまりにも酷いかつての仲間であり家族であり部下への言葉、
かつてのバルビタールならそのような言葉は決して口にはしない。
ドニの掴む刀が細かく震えている。
「バル!! あなた……なんてこと言うのよ!!」
その話に怒りを覚えたのはドニだけではなかった。
リクに背負われながらついてきていたセイがプロポの魔法から開放され目を覚ましていた。
バルビタールの発言にセイが声を荒げた。
「あんたのことを大切にしてくれた人たちになんてことしてるの!!」
『チッ……うるさい小娘が、ヤツが騒いで不愉快だ。やはりお前から死ね!』
声の主に向き直り、忌々しそうにセイを睨みつける。
バルビタールが手を向けると周囲の光が奪われるかのように一点に凝縮する。
バチバチと雷のようなものが高速で回転しながら光玉にまとわりついていく、
大気がビリビリと震えている。
一瞬で簡単に行われたような一撃だがねりこまれている魔力は莫大だ。
次の瞬間その恐ろしい塊がリクに背負われているセイに向かって放たれる、
空間が悲鳴を上げるほどのエネルギーがうねりをあげて高速で飛来する。
普通に受けてしまえばその余波でも周囲に莫大なダメージを与えてしまうことが予想される。
カイもクウも一瞬対応に迷ってしまう。ワタルも盾による防御での展開を必死に考えていた。
動いたのはユウキだった。
「喰らえ狭間!」
ユウキはその手に持つ槍を迫り来る光球へと突き立てる。
同時に展開される魔法陣、光球を覆うように展開され周囲の大気の震えも静になる、
次の瞬間光球が槍へと一瞬で吸い込まれていく。
『ぬ……』
バルビタールの表情に不快感が顕になる。
ユウキはエネルギーの異次元への転送実験の経験から敵の攻撃魔法やエネルギー派を喰らい、
以前にも利用した次元にて循環させたうえで回収するというシステムを完成させていた。
世界の一部を壊しかねない実験ではあったが、そこから得た成果もあったのだった。
なお、ネームングセンスについてはお察し下さい。
彼女も一時期の陰湿ないじめ時代に邪気眼などの黒歴史は一通り通ってきているのです。
「こないだほどじゃないけど、凄まじいエネルギーだね。
ワタル君気をつけて、この相手は強い」
取り込んだエネルギーの巨大さに驚くユウキ。
それをいとも簡単に放つ敵への警戒も最大限に高まる。
しかし、その当人の反応はややおかしかった、
イライラと足を動かし、体も落ち着きなく動かし、親指をガリガリとかじり、
まるで癇癪を起こす子供のような行動をとっていた。
『まったく、どいつもこいつも俺を不快にさせる!
俺が最強、俺が正義なんだよ!! 俺のいう事聞いてりゃいいんだ!!
俺を認めないなら全部ぶっ壊す!!!』
頭をかき乱し、ボリボリと体をかきはじめ、飛び跳ね、地団駄を踏み出す。
急に半狂乱になるバルビタール、明らかに普通の様子ではない。
『貴様、バルビタール様ではないな!! 何者だ!!』
ドニは明らかに尋常ではないかつての主の姿に目の前の男が自分の主ではない事に確信を持って叫ぶ。
『くくくく……ふふふふ……ハーッハッッハッハハ!!
俺か!? 俺はガルゴ! 全ての世界の神にして絶対の支配者!! ガルゴ様だ!!』
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