3人の勇者と俺の物語
123章 巨大城
以前は山岳が雄大に佇んでいた場所に巨大な城塞が構えている。
一言で巨大だ。異常と言っていい、一つの山岳地帯がすべて城塞になっている。
地図を変えるほどの建造物だ。
周囲を含め城自体も黒色、禍々しく光る薄紫のラインがまるで呼吸をしてるように点滅しており、
城全体が一つの生物であるような印象を受ける。
中央部が高くなっている作りで西洋風というよりはアジアっぽい無骨な力強さを受ける
正面にはうずたかい城壁に巨大な門を構えている。
窓などはなく壁面はすべてのものを拒絶しているかのような雰囲気を放っている。
見るものに圧倒的な威圧と恐怖を感じさせる。
「な、なんでこんな巨大な城が急に湧いて出てくるんだ?」
目の前に起きたおまりにも非常識な出来事にさすがに混乱を隠せない。
「ワタル君、あの空間とこっちが同じ時間が流れていなかったのかもしれない可能性もある、
すぐ王様達に連絡を取ったほうがいい」
次元の概念に触れたユウキは考えられる可能性から冷静に幾つかの選択肢を提示できる。
同時にそれが事実だった時に敵の能力が恐ろしいことを意味もしている。
ワタルはすぐに通信機で各国の王に連絡を取る。
あちらも待っていたかのように呼びかけへの反応は一瞬だった。
「ワタルか!? やっとつながった!! 無事か!?」
皇子の心配が伝わってくるような声、素直に気持ちが声色に出てしまうのは支配者としてはマイナスなのかもしれないが、その気持が素直に嬉しい。
「おお! ワタル殿!! 無事だったか!」
ヴェルス教皇の声は少し疲れているように感じた。
「すみません敵の手に落ちて脱出に手間取ったのですが、我々はどれくらい連絡が取れなくなっていましたか?」
「ワタルが我が城を出て3日目に通信の反応が消えた。それから連絡をし続けたが3週間音沙汰がなかったんだ。すでに我軍はノーザンラクト大陸からは撤退している。
今はなんとかエステポネ、ウェステイアで抑えているが押され気味だ。正直このまま君たちが戻ってきてくれなかったら危なかった。今どこにいるんだ?」
「今は黒竜の巣の手前にいます、我々は2日ほどで閉じ込められた次元から脱出したのですが、
3週間も……しかも魔神軍の侵攻まで許すとは、申し訳ありません」
「いや、女神の盾のメンバーがいないだけでこれだけ押し込まれてしまう俺等が不甲斐ないのだ……」
ゲバルト王は悔しそうにそう告げる。
「現状の説明などもしたい、女神の寝屋に戻ってこれるか?」
「はい皇子すぐに向かいます」
通話を終えて簡単な現状を皆に説明する。
皆驚きを隠せなかったがすぐに次に取るべき行動を理解して切り替えていく。
拠点は念の為に地下に作っていたのが幸いして破壊されずにいてくれた、
カレンが偽装魔法をかけてその存在を隠していたのが功を奏した。
さらに厳重に隠匿魔法を重ねる。
たぶんこの場は完全に魔神達の支配下に置かれているだろう。
下手に動くと魔神たちに悟られてしまう可能性もあるのですぐに女神の寝屋へと転送する。
転送した一同は各国の王に喜びを持って迎えられた。
皆疲弊はしているものの反抗心は少しも衰えていない力強さも同時に持っている。
しかし再会の喜びに浮かれている暇はなかった。
「正直女神様が現れて我らと民を転移してくれなかったら我軍は国民を守るために立ち向かい、
敗北していただろう……しかし、女神様もそのお力を貸せるのは最後とおっしゃっていた……」
女神は残された力を振り絞ってノーザンラクトの民を逃がしてくれた。
すでに敵軍にとって各街を守る結界は意味をなさずいともたやすく破壊されてしまうそうだ。
その後ノーザンラクト大陸から海を渡りエステポネ、ウェスティア大陸へと進行してきているそうだ。
ただ、海越えは鬼門であり、大群が押し寄せるような自体にはなっていないそうだ、
バラバラと上陸してくる敵を合流した部隊で迎撃するという形でなんとか保っている。
「おかげで我軍もなんとか持ちこたえている、しかし敵は強力でいつ突破されてもおかしくない」
「敵は【黒】たちなのですか?」
「魔神軍とやつらは言っていた。4魔将という奴らがでたらめな強さで、遊ばれているからまだ保っているが、あいつらが前に来たら立ち向かうことは出来ない……」
4魔将は人間が必死に魔神軍と戦うのを楽しそうに眺めているだけで戦闘には関与してこないようで、
それでも時々無駄に話しかけてきたりと完全に人間側を舐めているそうだ。
「イステポネは女神のお力を借りて障壁を神官や魔法使いが全力を上げて形成してなんとか押さえ込んでいるが、もうこれ以上は神官たちの体力がもたん……」
「タイラー提督はどちらに?」
「タイラー提督は帝国兵とともにウェステイア帝国北部で対応してもらっている」
「それならば我らはイステポネの魔神軍を殲滅し、それからウェスティアに当たりましょう。
タイラー提督なら時間稼ぎに徹すれば犠牲を抑えてくれるでしょう。
2つに分けては4魔将に勝てない……」
「なんとか我らで耐えておこう、イステポネを頼んだぞ!」
皇子は覚悟を決めた表情で立ち上がる、皆自分たちの戦いに挑む。
一言で巨大だ。異常と言っていい、一つの山岳地帯がすべて城塞になっている。
地図を変えるほどの建造物だ。
周囲を含め城自体も黒色、禍々しく光る薄紫のラインがまるで呼吸をしてるように点滅しており、
城全体が一つの生物であるような印象を受ける。
中央部が高くなっている作りで西洋風というよりはアジアっぽい無骨な力強さを受ける
正面にはうずたかい城壁に巨大な門を構えている。
窓などはなく壁面はすべてのものを拒絶しているかのような雰囲気を放っている。
見るものに圧倒的な威圧と恐怖を感じさせる。
「な、なんでこんな巨大な城が急に湧いて出てくるんだ?」
目の前に起きたおまりにも非常識な出来事にさすがに混乱を隠せない。
「ワタル君、あの空間とこっちが同じ時間が流れていなかったのかもしれない可能性もある、
すぐ王様達に連絡を取ったほうがいい」
次元の概念に触れたユウキは考えられる可能性から冷静に幾つかの選択肢を提示できる。
同時にそれが事実だった時に敵の能力が恐ろしいことを意味もしている。
ワタルはすぐに通信機で各国の王に連絡を取る。
あちらも待っていたかのように呼びかけへの反応は一瞬だった。
「ワタルか!? やっとつながった!! 無事か!?」
皇子の心配が伝わってくるような声、素直に気持ちが声色に出てしまうのは支配者としてはマイナスなのかもしれないが、その気持が素直に嬉しい。
「おお! ワタル殿!! 無事だったか!」
ヴェルス教皇の声は少し疲れているように感じた。
「すみません敵の手に落ちて脱出に手間取ったのですが、我々はどれくらい連絡が取れなくなっていましたか?」
「ワタルが我が城を出て3日目に通信の反応が消えた。それから連絡をし続けたが3週間音沙汰がなかったんだ。すでに我軍はノーザンラクト大陸からは撤退している。
今はなんとかエステポネ、ウェステイアで抑えているが押され気味だ。正直このまま君たちが戻ってきてくれなかったら危なかった。今どこにいるんだ?」
「今は黒竜の巣の手前にいます、我々は2日ほどで閉じ込められた次元から脱出したのですが、
3週間も……しかも魔神軍の侵攻まで許すとは、申し訳ありません」
「いや、女神の盾のメンバーがいないだけでこれだけ押し込まれてしまう俺等が不甲斐ないのだ……」
ゲバルト王は悔しそうにそう告げる。
「現状の説明などもしたい、女神の寝屋に戻ってこれるか?」
「はい皇子すぐに向かいます」
通話を終えて簡単な現状を皆に説明する。
皆驚きを隠せなかったがすぐに次に取るべき行動を理解して切り替えていく。
拠点は念の為に地下に作っていたのが幸いして破壊されずにいてくれた、
カレンが偽装魔法をかけてその存在を隠していたのが功を奏した。
さらに厳重に隠匿魔法を重ねる。
たぶんこの場は完全に魔神達の支配下に置かれているだろう。
下手に動くと魔神たちに悟られてしまう可能性もあるのですぐに女神の寝屋へと転送する。
転送した一同は各国の王に喜びを持って迎えられた。
皆疲弊はしているものの反抗心は少しも衰えていない力強さも同時に持っている。
しかし再会の喜びに浮かれている暇はなかった。
「正直女神様が現れて我らと民を転移してくれなかったら我軍は国民を守るために立ち向かい、
敗北していただろう……しかし、女神様もそのお力を貸せるのは最後とおっしゃっていた……」
女神は残された力を振り絞ってノーザンラクトの民を逃がしてくれた。
すでに敵軍にとって各街を守る結界は意味をなさずいともたやすく破壊されてしまうそうだ。
その後ノーザンラクト大陸から海を渡りエステポネ、ウェスティア大陸へと進行してきているそうだ。
ただ、海越えは鬼門であり、大群が押し寄せるような自体にはなっていないそうだ、
バラバラと上陸してくる敵を合流した部隊で迎撃するという形でなんとか保っている。
「おかげで我軍もなんとか持ちこたえている、しかし敵は強力でいつ突破されてもおかしくない」
「敵は【黒】たちなのですか?」
「魔神軍とやつらは言っていた。4魔将という奴らがでたらめな強さで、遊ばれているからまだ保っているが、あいつらが前に来たら立ち向かうことは出来ない……」
4魔将は人間が必死に魔神軍と戦うのを楽しそうに眺めているだけで戦闘には関与してこないようで、
それでも時々無駄に話しかけてきたりと完全に人間側を舐めているそうだ。
「イステポネは女神のお力を借りて障壁を神官や魔法使いが全力を上げて形成してなんとか押さえ込んでいるが、もうこれ以上は神官たちの体力がもたん……」
「タイラー提督はどちらに?」
「タイラー提督は帝国兵とともにウェステイア帝国北部で対応してもらっている」
「それならば我らはイステポネの魔神軍を殲滅し、それからウェスティアに当たりましょう。
タイラー提督なら時間稼ぎに徹すれば犠牲を抑えてくれるでしょう。
2つに分けては4魔将に勝てない……」
「なんとか我らで耐えておこう、イステポネを頼んだぞ!」
皇子は覚悟を決めた表情で立ち上がる、皆自分たちの戦いに挑む。
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