3人の勇者と俺の物語
117章 炎上
急報が伝えられたのは女神の盾がノーザンラクト城での会見を終えて明日の移動の準備を終え用意された屋敷で食後のデザートを楽しんでいる時であった。
けたたましく打ち鳴らされる扉の音で異常事態なことはすぐにわかった。
扉をあけると息を切らせた兵士が飛び込んできた。
「直ぐに王城へいらしてください!!」
事情を知らされている兵士はリク、カイ、クウの方をちらっと見たあと、衝撃的なことを口にする。
「魔神軍が進行して来ました、現在黒竜の巣の麓の砦で応戦しておりますが圧倒的な戦力に時間稼ぎも出来ないとのことです、そこを抜かれるとホイス村を始め麓の村々を守る壁がありません、
一刻も早く王城へ!!」
衝撃の報告を受けた一同、しかし皆冷静だ。
「俺とバッツとユウキは王城へ行こう。リク、カイ、クウ、カレンは全速の飛行魔法で麓の村から人々を避難させるんだ、人々の安全を確保したら直ぐに俺達を拾って逆撃をかけるぞ」
「「「「「「はい!」」」」」」
素早く指示を飛ばすワタル。
そのまま兵士と一緒に外に飛び出し、そして魔法で一気に王城へと飛ぶ。
王城ではすでにシャイア王女が兵の編成に大忙しだ。
「シャイア女王!」
ワタルは城門前に着地し急いで女王の元へと駆けつける。
「今うちのメンバーを現場に急行させています。村民を受け入れる準備をお願います。
兵の派兵は我らが転移陣を形成します。準備は継続して続けてください!」
「すまない助かる! 皆聞いていたな! 各自準備を怠らんように!!」
女傑という表現が合う一面を見せている。
指示を受ける兵士も皆テキパキと行動を見せて練度の高さを見受けられる。
カイとカレンによる飛行魔法はあの人数ならかなりの速度が出せるはず、
直線距離的には数百キロ、ちょっと無茶した飛行をすれば1日以内に連絡が来るはずだ。
出来ることなら村は無事であって欲しい。
ワタルも皆もそう祈っている。
ワタル達はすでに出口となる転移門を準備し終えている、後は連絡が来たら回路をつなぐだけで双方向性の転移が可能になる。すでに辺りは明るくなりかけている篝火に照らされた兵たちは慌ただしく準備を続けている。ワタルが持つ魔道具が反応したのはそんな時だった。
「ワタル様転移陣に魔力を通してください、こっちでキャッチします!」
「わかった!!」
直ぐに魔法陣に魔力を通す、ワタルとパーティメンバーのつながりで直ぐに座標を固定される。
光り輝く魔法陣から人が出てくる、現れたのはどうやら村民のようだ。
「ワタル様どんどん行きます、申し訳ないのですが魔力維持をお願いします」
その言葉の通りしばらく魔法陣から次々と人が通ってくる。
本来転送魔法はかなりの魔力を消費してしまうので大量に輸送するというのは現実的ではない。
それを補うのは循環する魔力だ、女神の盾のメンバーは全員が魔力を共有しており、ここの高い魔力保有量を全員が誇っており普通の人間では考えられない量の魔力を使用することが出来る。
もっと言えば龍脈の力を励起させることによりさらに大量の魔力を使用することが出来る。
その潤沢な魔力をフル回転して今は村民の避難を行っている。
「状況はどうなってるんだ?」
「とりあえず各村への被害は女神の結界で防げてはいます、ただ、一面敵ですね」
「結界はもちそうか?」
「間もなく避難が終わります、そうしたら皆そちらに戻らざる終えないですね。
残念ながら逆撃は危険すぎます。他の村の人達も同じだと思います」
比較的人口が少ない村へ行っていたクウ、カイ、カイリが戻ってくる。
リクが向かったホイス村は人口が比較的多い、それでもすでに殆どの村民は退避できている。
「リク大丈夫か? 危なければ皆でそっちに行くぞ?」
「大丈夫、もう私も戻る。女神様には感謝しないとだね」
その通信が切れてすぐにリクの両親とリクが転移陣から飛び出してくる、
「ワタルすぐに閉じて結界がもう持たない! 雪崩れ込んでくる!」
直ぐに魔力の供給を断つ、あちらへの転移が無くなるのは痛いがこの場に敵が殺到しては目も当てられない。
王城へと転移された村民は何故ここにいるのかに驚きを隠せずにいたが、まずは皆の無事を喜び合っている。
女神の盾のメンバーの両親もそれぞれ自分の娘との再会を涙ながらに喜んでいる。
なし崩し的にワタルの紹介ができていたりもして、ワタル的にはラッキーな状態だった。
とりあえず村民同士で人数確認も終わり、黒竜の巣から最も近い辺りにある村々から一人の犠牲も出さずに避難が完了していることが確認された。
そこから王都までの間に幾つかの村、都市があるので事態はまだ一刻の猶予も許されていなかった。
なんとか犠牲を出すことなく国民を助けることが出来たことに女王は謝辞を述べる。
「女神の盾の皆さん本当にありがとう」
「一度情報を整理しましょう、このままでは敵に侵攻されてしまいます」
「うむ、直ぐに軍議を開こう」
直ぐに軍部の中枢に招集がかけられる。
この大陸の、この世界の運命をかけた戦いが間もなく始まろうとしていた。
けたたましく打ち鳴らされる扉の音で異常事態なことはすぐにわかった。
扉をあけると息を切らせた兵士が飛び込んできた。
「直ぐに王城へいらしてください!!」
事情を知らされている兵士はリク、カイ、クウの方をちらっと見たあと、衝撃的なことを口にする。
「魔神軍が進行して来ました、現在黒竜の巣の麓の砦で応戦しておりますが圧倒的な戦力に時間稼ぎも出来ないとのことです、そこを抜かれるとホイス村を始め麓の村々を守る壁がありません、
一刻も早く王城へ!!」
衝撃の報告を受けた一同、しかし皆冷静だ。
「俺とバッツとユウキは王城へ行こう。リク、カイ、クウ、カレンは全速の飛行魔法で麓の村から人々を避難させるんだ、人々の安全を確保したら直ぐに俺達を拾って逆撃をかけるぞ」
「「「「「「はい!」」」」」」
素早く指示を飛ばすワタル。
そのまま兵士と一緒に外に飛び出し、そして魔法で一気に王城へと飛ぶ。
王城ではすでにシャイア王女が兵の編成に大忙しだ。
「シャイア女王!」
ワタルは城門前に着地し急いで女王の元へと駆けつける。
「今うちのメンバーを現場に急行させています。村民を受け入れる準備をお願います。
兵の派兵は我らが転移陣を形成します。準備は継続して続けてください!」
「すまない助かる! 皆聞いていたな! 各自準備を怠らんように!!」
女傑という表現が合う一面を見せている。
指示を受ける兵士も皆テキパキと行動を見せて練度の高さを見受けられる。
カイとカレンによる飛行魔法はあの人数ならかなりの速度が出せるはず、
直線距離的には数百キロ、ちょっと無茶した飛行をすれば1日以内に連絡が来るはずだ。
出来ることなら村は無事であって欲しい。
ワタルも皆もそう祈っている。
ワタル達はすでに出口となる転移門を準備し終えている、後は連絡が来たら回路をつなぐだけで双方向性の転移が可能になる。すでに辺りは明るくなりかけている篝火に照らされた兵たちは慌ただしく準備を続けている。ワタルが持つ魔道具が反応したのはそんな時だった。
「ワタル様転移陣に魔力を通してください、こっちでキャッチします!」
「わかった!!」
直ぐに魔法陣に魔力を通す、ワタルとパーティメンバーのつながりで直ぐに座標を固定される。
光り輝く魔法陣から人が出てくる、現れたのはどうやら村民のようだ。
「ワタル様どんどん行きます、申し訳ないのですが魔力維持をお願いします」
その言葉の通りしばらく魔法陣から次々と人が通ってくる。
本来転送魔法はかなりの魔力を消費してしまうので大量に輸送するというのは現実的ではない。
それを補うのは循環する魔力だ、女神の盾のメンバーは全員が魔力を共有しており、ここの高い魔力保有量を全員が誇っており普通の人間では考えられない量の魔力を使用することが出来る。
もっと言えば龍脈の力を励起させることによりさらに大量の魔力を使用することが出来る。
その潤沢な魔力をフル回転して今は村民の避難を行っている。
「状況はどうなってるんだ?」
「とりあえず各村への被害は女神の結界で防げてはいます、ただ、一面敵ですね」
「結界はもちそうか?」
「間もなく避難が終わります、そうしたら皆そちらに戻らざる終えないですね。
残念ながら逆撃は危険すぎます。他の村の人達も同じだと思います」
比較的人口が少ない村へ行っていたクウ、カイ、カイリが戻ってくる。
リクが向かったホイス村は人口が比較的多い、それでもすでに殆どの村民は退避できている。
「リク大丈夫か? 危なければ皆でそっちに行くぞ?」
「大丈夫、もう私も戻る。女神様には感謝しないとだね」
その通信が切れてすぐにリクの両親とリクが転移陣から飛び出してくる、
「ワタルすぐに閉じて結界がもう持たない! 雪崩れ込んでくる!」
直ぐに魔力の供給を断つ、あちらへの転移が無くなるのは痛いがこの場に敵が殺到しては目も当てられない。
王城へと転移された村民は何故ここにいるのかに驚きを隠せずにいたが、まずは皆の無事を喜び合っている。
女神の盾のメンバーの両親もそれぞれ自分の娘との再会を涙ながらに喜んでいる。
なし崩し的にワタルの紹介ができていたりもして、ワタル的にはラッキーな状態だった。
とりあえず村民同士で人数確認も終わり、黒竜の巣から最も近い辺りにある村々から一人の犠牲も出さずに避難が完了していることが確認された。
そこから王都までの間に幾つかの村、都市があるので事態はまだ一刻の猶予も許されていなかった。
なんとか犠牲を出すことなく国民を助けることが出来たことに女王は謝辞を述べる。
「女神の盾の皆さん本当にありがとう」
「一度情報を整理しましょう、このままでは敵に侵攻されてしまいます」
「うむ、直ぐに軍議を開こう」
直ぐに軍部の中枢に招集がかけられる。
この大陸の、この世界の運命をかけた戦いが間もなく始まろうとしていた。
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