3人の勇者と俺の物語
96章 魔王城ダンジョン
ダンジョンへ突入する。
ダンジョン産の魔物の死体は【黒】にボロボロにされてそこら中に放置されている。
いずれダンジョンへ吸収されるとはいえ、あまりに損傷が酷いものは火葬していく。
「まったく、醜い戦闘の残骸だ・・・・・・」
「なんかバッティいらいらしてきちゃうー」
「なんの意味もない殺害を無理強いされている仲間たちを開放してやらないと」
ユウキは悔しさに顔を歪ませる。
目の前に見える敵をいち早く拳銃で撃ち倒していく。
よく耳を澄ませばひとりひとりの魔物の名を呼び謝罪をしながら銃弾を放っている。
彼女なりのケジメなのだ。
「大丈夫かユウキ?」
ワタルは前から目を離さずにユウキに問いかける。
「ありがとう、でも大丈夫。これは私がやるべきこと」
ユウキはワタルの優しさに少し救われる。ワタルのこういうタイミングの良さは昔からユウキの心を救っていた。ああ、私はこういうところでワタルのことを好きになっていったんだな。
改めてユウキはそれを自覚して気恥ずかしくなっていた。
「いくら固くて強くても知性がなければなんとかなるけど、数で押されると厳しいな」
「今は皆ダンジョン侵攻に意識が行っているからまだ倒せるけど、この数で押されたら苦戦する」
リクは前に出ないでトマホーク状の斧を次から次へと投げつけている。
今は遠距離主体の攻撃で少しでも数を減らすことに集中している。
倒した敵は魔法できちんと処理していく。
「本来の仲間たちならこんなに簡単に倒せるはずはないんだ・・・・・・」
苦痛に歪んだ顔でユウキは吐き捨てる。
実際【黒】に取り憑かれた魔物は力まかせにかかってくるだけで脅威とはなり経なかった。
いくら仲間が倒されようが突っ込んでくるだけ、驚異的な力と防御力は普通の相手なら意味があるだろうが、きちんと対策されたパーティの前では無意味だ。
この世界においてパーティとして【黒】に対して最も強力といっていいパーティだ。
たとえ数で押そうとしても連携も取らず力づくで攻めるのでは相手にならない。
ダンジョン内の魔物も【黒】化しているためかなりの数の敵を倒しながらどんどんと最深部へと進行していく。
下層に侵入すると異変に気がつく、ダンジョン全体が時折振動しているのだ。
そして深部へ向かえば向かうほどその振動は大きくなる。
楽しそうに興奮した青龍がカイの頭の上に踊り出す。
『おお、まだ大暴れしてそうだな! 流石俺の抜け殻!』
「これ君のしわざなの? なんかどんどん振動と音大きくなってるけど大丈夫?」
リクが不安そうに質問する。
『うーん、あいつらにムカついたから大暴れしてやるって意識だけ込めて抜けだしたからなぁ』
「青龍ちゃんが行けば止まるんでしょ?」
クウの問いかけにきょとんとした青龍はとんでもないことを言い出す。
『いや、無理だぞ。死ぬまで止まらない。止める方法もない』
「青龍、そんなこと言ってなかったじゃないか」
さすがのユウキも少し呆れ顔だ。
『仕方ないだろ、あのままあいつらに一矢も向けられないなんて悔しいじゃないか!』
「まぁ、そうだな。気持ちはわかる。とりあえずどうなってるか確認しよう」
最深部入口前は、地獄だった。
全身ボロボロで暴れ狂う青龍の抜け殻、それに群がる【黒】の魔物たち。
肉片と血、骨や皮が床や天井地面そこら中に飛び散っている。
遠くからその状況を確認したカレンをして、あの場に飛び込むのは考えてしまうと言わしめるほどだ・・・・・・
「抜け殻の方も見た目はズタボロですが、動きは激しいの一言です。
あそこに参戦するとどういった損害を受けるかわかりません」
「青龍は【黒】化はしてないんだな?」
「はい、敵も何もなく大暴れし続けている。そういう印象を受けます」
「参考までに青龍さん、あの抜け殻の活動限界は?」
『ん? 攻撃を受けないで攻め続けるだけならずーっと動くぞ、地味に龍脈の力を利用しているから攻撃の手を休めれば傷も治るぜ!』
ユウキもほとほとうんざりしている。
「治るぜ! じゃないよ、まさかあの量の【黒】を止めるとは思わなかったけど、
こうなった場合私達があれの相手をするんだぞ・・・・・・」
『うーん、思ったより俺強かったのね』
「今のうちにまとめて大魔法で片付けられないかな・・・?」
「ワタルさんとカレンさんと私で合体魔法やってみましょうか?」
「そうですね、私達の繋がりが強くなった今なら強力な魔法も同時に行使できるでしょう」
「合体魔法ねぇ、理論はあるけど同調がまず不可能で実現されていない魔法なのよねぇ・・・・・・」
「複雑な魔法の組み立てを完全に他人が同調するなんて不可能。ってのが今の常識だけど、私達のつながりがあれば可能になるかも・・・・・・」
ワタルは意を決して強く拳を握る。
「やってみよう!」
ワタル達が意識するのは高熱量の暴風、個人でも当然発動できるが3人が合わせて発動すればその威力は一人で使う魔法の比ではない。さらに魔力の循環は7人で行っているのだ。
「私は周囲への影響を抑える魔防壁に全力を注ごう」
ユウキも協力する、敵を倒しました。ダンジョンごと吹き飛びました。The END.
では、堪ったものではない。
「俺が炎のイメージ、カイは嵐のイメージ、カレンは切り裂くイメージ、それらを凝集してあの一帯に限定して発動させる」
「魔力の動き、魔法の発動、わかります。伝わってきます!」
「構築は完全に出来ています。発動はワタル様に任せます」
「よし、出来る限りの魔力を練り込む!
みんな、行くぞ!! 」
ここにこの世界で初めての大規模合体魔法が初めて発動される。
「荒れ狂う熱の嵐!!」
ダンジョン産の魔物の死体は【黒】にボロボロにされてそこら中に放置されている。
いずれダンジョンへ吸収されるとはいえ、あまりに損傷が酷いものは火葬していく。
「まったく、醜い戦闘の残骸だ・・・・・・」
「なんかバッティいらいらしてきちゃうー」
「なんの意味もない殺害を無理強いされている仲間たちを開放してやらないと」
ユウキは悔しさに顔を歪ませる。
目の前に見える敵をいち早く拳銃で撃ち倒していく。
よく耳を澄ませばひとりひとりの魔物の名を呼び謝罪をしながら銃弾を放っている。
彼女なりのケジメなのだ。
「大丈夫かユウキ?」
ワタルは前から目を離さずにユウキに問いかける。
「ありがとう、でも大丈夫。これは私がやるべきこと」
ユウキはワタルの優しさに少し救われる。ワタルのこういうタイミングの良さは昔からユウキの心を救っていた。ああ、私はこういうところでワタルのことを好きになっていったんだな。
改めてユウキはそれを自覚して気恥ずかしくなっていた。
「いくら固くて強くても知性がなければなんとかなるけど、数で押されると厳しいな」
「今は皆ダンジョン侵攻に意識が行っているからまだ倒せるけど、この数で押されたら苦戦する」
リクは前に出ないでトマホーク状の斧を次から次へと投げつけている。
今は遠距離主体の攻撃で少しでも数を減らすことに集中している。
倒した敵は魔法できちんと処理していく。
「本来の仲間たちならこんなに簡単に倒せるはずはないんだ・・・・・・」
苦痛に歪んだ顔でユウキは吐き捨てる。
実際【黒】に取り憑かれた魔物は力まかせにかかってくるだけで脅威とはなり経なかった。
いくら仲間が倒されようが突っ込んでくるだけ、驚異的な力と防御力は普通の相手なら意味があるだろうが、きちんと対策されたパーティの前では無意味だ。
この世界においてパーティとして【黒】に対して最も強力といっていいパーティだ。
たとえ数で押そうとしても連携も取らず力づくで攻めるのでは相手にならない。
ダンジョン内の魔物も【黒】化しているためかなりの数の敵を倒しながらどんどんと最深部へと進行していく。
下層に侵入すると異変に気がつく、ダンジョン全体が時折振動しているのだ。
そして深部へ向かえば向かうほどその振動は大きくなる。
楽しそうに興奮した青龍がカイの頭の上に踊り出す。
『おお、まだ大暴れしてそうだな! 流石俺の抜け殻!』
「これ君のしわざなの? なんかどんどん振動と音大きくなってるけど大丈夫?」
リクが不安そうに質問する。
『うーん、あいつらにムカついたから大暴れしてやるって意識だけ込めて抜けだしたからなぁ』
「青龍ちゃんが行けば止まるんでしょ?」
クウの問いかけにきょとんとした青龍はとんでもないことを言い出す。
『いや、無理だぞ。死ぬまで止まらない。止める方法もない』
「青龍、そんなこと言ってなかったじゃないか」
さすがのユウキも少し呆れ顔だ。
『仕方ないだろ、あのままあいつらに一矢も向けられないなんて悔しいじゃないか!』
「まぁ、そうだな。気持ちはわかる。とりあえずどうなってるか確認しよう」
最深部入口前は、地獄だった。
全身ボロボロで暴れ狂う青龍の抜け殻、それに群がる【黒】の魔物たち。
肉片と血、骨や皮が床や天井地面そこら中に飛び散っている。
遠くからその状況を確認したカレンをして、あの場に飛び込むのは考えてしまうと言わしめるほどだ・・・・・・
「抜け殻の方も見た目はズタボロですが、動きは激しいの一言です。
あそこに参戦するとどういった損害を受けるかわかりません」
「青龍は【黒】化はしてないんだな?」
「はい、敵も何もなく大暴れし続けている。そういう印象を受けます」
「参考までに青龍さん、あの抜け殻の活動限界は?」
『ん? 攻撃を受けないで攻め続けるだけならずーっと動くぞ、地味に龍脈の力を利用しているから攻撃の手を休めれば傷も治るぜ!』
ユウキもほとほとうんざりしている。
「治るぜ! じゃないよ、まさかあの量の【黒】を止めるとは思わなかったけど、
こうなった場合私達があれの相手をするんだぞ・・・・・・」
『うーん、思ったより俺強かったのね』
「今のうちにまとめて大魔法で片付けられないかな・・・?」
「ワタルさんとカレンさんと私で合体魔法やってみましょうか?」
「そうですね、私達の繋がりが強くなった今なら強力な魔法も同時に行使できるでしょう」
「合体魔法ねぇ、理論はあるけど同調がまず不可能で実現されていない魔法なのよねぇ・・・・・・」
「複雑な魔法の組み立てを完全に他人が同調するなんて不可能。ってのが今の常識だけど、私達のつながりがあれば可能になるかも・・・・・・」
ワタルは意を決して強く拳を握る。
「やってみよう!」
ワタル達が意識するのは高熱量の暴風、個人でも当然発動できるが3人が合わせて発動すればその威力は一人で使う魔法の比ではない。さらに魔力の循環は7人で行っているのだ。
「私は周囲への影響を抑える魔防壁に全力を注ごう」
ユウキも協力する、敵を倒しました。ダンジョンごと吹き飛びました。The END.
では、堪ったものではない。
「俺が炎のイメージ、カイは嵐のイメージ、カレンは切り裂くイメージ、それらを凝集してあの一帯に限定して発動させる」
「魔力の動き、魔法の発動、わかります。伝わってきます!」
「構築は完全に出来ています。発動はワタル様に任せます」
「よし、出来る限りの魔力を練り込む!
みんな、行くぞ!! 」
ここにこの世界で初めての大規模合体魔法が初めて発動される。
「荒れ狂う熱の嵐!!」
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