3人の勇者と俺の物語

穴の空いた靴下

46章 砂漠の大迷宮制覇

 「それでは砂漠の大迷宮制覇を祝いまして、カンパーイ!!」

 「「「「「「カンパーーイ!!」」」」」」

 今は侯爵様の乾杯の音頭のもとに街の中央広場で宴に参加している。

 俺たちは身体を癒やして改めて砂漠の大迷宮攻略を行った。
 一週間内部でキャンプを繰り返し、最深部へ至った。
 下層までは長いだけでなんら問題は無かったのだけど、最下層部の敵はなかなか手ごわかった。
 最後の部屋の本来のボスは今はまだ成長中。
 軽くひっくり返して遊んであげたら降参した。
 ご飯あげたら美味しそうに食べていた。可愛かった。
 報酬をしっかりと頂いた。
 残念ながら3ヶ月は最深部の報酬は無しだ。
 まぁ、底まで行く人間は皆無だから相変わらずダンジョンは栄えるだろう。

 最深部の宝箱の中には魔石や魔道具、武具、そして宝石などだった。
 これらのダンジョン攻略の報酬は一点好きなモノを選び、
 残りはオークションされる、そしてそのオークションの落札価格から報酬を受け取る。
 武具に関してはすでにゲンブから彼の甲羅を使った伝説級レジェンドの物をもらっている。
 魔道具の中に簡易結界装置が有ったのでそれにした。
 ダンジョン内でこれを使えば、リクの本気の一撃でも壊れない結界を張ることが出来る。
 夜の安全にこれ以上ないほど素晴らしいものだ。
 全員で安眠が出来る。戦闘には使えない。結界展開までに30分くらいかかるからね。

 そして、オークションは国家が管理する。
 サウソレス大陸首都サウソレスへ向かうこととなる。

 俺らの家はディードとケイナスにすべて任せる。
 今では全員奴隷から解放した。人を雇ったりしたかったのでソッチのほうが都合がよかった。
 みんなワタル様の元なら何であろうが変わりません。
 と、あまり感動的な場面にならなかった。
 今後も奴隷は全て女神の盾商会で買い上げる予定だ。

 土地の購入なども含めて全権を任せている。
 君臨すれども統治せず。いいこと言ったね。面倒事は放り投げるんだ俺。

 農産物だけでも他では絶対に手に入らない品質、しかも、繁殖は俺しか出来ない。
 お金は湯水のごとく儲かっている。

 教会へ協力して炊き出しとかに、素材提供や人材提供によって手伝ってもらっている。
 次に行くイステポネは宗教国家なので早めのパイプ作りの一貫だ。
 もちろん寄付もたんまり行っている。ふふふ。
 なんか女神がきな臭いことを言っていたからね。
 おかげで俺は女神教の特別名誉信者というありがたい称号を得た。

 宴は大いに盛り上がっている。
 大ダンジョンの一つが初めて攻略された、そこから生み出される莫大な利益は、
 この街をより一層豊かにしてくれることだろう。
 領主様にはもうこれでもかというくらいお世話になっているから、
 これも一つの恩返しだ。

 次の目的地は首都サウソレスそして、イステポネにある大ダンジョン
 【神の与えし試練の場】
 なんかくどい名前のダンジョンだ。
 次こそは魔神の好きなようにはさせない。

 最近戦いの時の高揚と通常の時の適当な気分の差が大きい俺のなかの勇者の力が
 そうさせるんだと思う。
 自分が自分じゃなくなるような気分もするし、もともとこうだったような気もするし、
 不思議な気持ちだ。
 リクとかにはワタルは一緒に過ごすときは僕に戻るね。とか言われる。
 もしかしてウォルって女性が苦手なのかな。

 「ワタルーなんか作ってよー」

 ごきげんなリクが背中から飛びついてきた。
 ちょっと酒臭いぞ、飲んだなー。

 「だめだろリク、バレたら僕は攫われちゃうかもよー」

 「前のワタ兄ならそうかもしれないけど、今のワタ兄は誰も攫えない」

 両手に串焼きを持ったクウも来た。カイも一緒だ。
 クウは肉食、カイは魚介食が好きなんだよね。

 「ワタル様ー!」

 カレンがたくさんの冒険者などに囲まれていた輪から脱出してきた。
 何と言ってもこの世界で一番有名な冒険者だからね。
 あとで侯爵様にお酌しに行かせないと。

 「ワタルきゅ~~ん(*´ω`*)」

 バッツが両手に銅製のジョッキを10個位持ってこっちに来る。
 バッツはザルだそうだ。今日は真っ赤っ赤な身体のラインがピッタリと出るレザーライダースーツを着ている。縫製のレベルも上がって、本当に見事だ。普通なら気持ち悪くなりそうだけど、
 かっこいい。ちょっと欲しい。

 僕らのパーティ女神の盾は商会の影響もあってかなり名前が売れた。
 これから向かう首都サウソレスの冒険者ギルド本部に行けばAクラスに飛び級は間違いないそうだ。
 大ダンジョン制覇も合わせればS級PTになるかもしれないらしい。
 少なくともA級になれば変な勧誘を断る実力は持てる。
 あまり勧誘が酷いならライス侯爵付きのPTになろうかと思っている。

 冒険の拠点となる家もこの街で手に入れた。
 屋敷の地下に魔法陣もしっかりと作った。
 クウの事象操作魔法や僕とカレンが使える異次元魔法で移動可能だ。
 こないだこっそりサラスの街の農場へ移動してバイアングの実を発芽不可能に書き換えた。
 その分今ある苗は、よほどのことがなければ実を作り続けるように改良した。
 なんか、農地が広がっていた。みんな努力を続けてくれるんだね。良かったよかった。 

 僕も一気にチート系異世界転生主人公になったもんだ。
 カレンとバッツも順調に成長している。
 経験という名の力もあるので非常に頼りになる。
 夜のカレンは相変わらずだけどね……メディアスさんの影響で無くなるかと思ったけど。
 バッツさんも相変わらずだ、僕達の服をたくさん作ってくれて、
 その全てが素晴らしくて3人娘もすっかり懐いている。
 僕のおしりを見る目が怖いので油断はできない。
 魔法があるから負けない、よね?

 バルテントスからサウソレスへは飛竜を用意してもらえるらしい。
 空の旅も楽しみだ。まぁ、魔法で飛べるけどな。

 宴は大盛り上がりを続けている。
 リクやクウが食べ物に包まれて幸せそうにしている。次から次へとアタックする男性冒険者が途切れないけど袖にされている。
 カイは魔法使いっぽい人達と楽しそうに話している。
 カレンは領主様の相手をしてくれている、頭を撫でたら喜んで行ってくれた。
 後でかわいがってあげよう。
 バッツは若い冒険者達を集めてる。見事にイケメンばっかだけど、
 どんどん酔い潰されている。……シラナイヨ?
 僕は……

 「ワタル様、あんなハーレムうらやまけしからん! 決闘だー!!」

 こんな感じで次から次へと決闘を挑まれている。

 こういう決闘は宴の肴らしい。
 さっきから20人は倒してるけど未だに列が途切れない。
 女性も来てくれるんだけど、カイが冷気を漂わせて威嚇するから皆挨拶だけで帰っちゃうんだよね。

 昔の僕ならいざしらず。今の僕はそれこそS級冒険者でもないとまともに相手は難しい。
 自分で言うのも何だけど、止まってるように見えるレベルだ。

 「ワタル君! 俺とも一手お願いするよ!」

 「ケインさん! 手加減はしませんよ!」

 「ああ、望むところだ」

 やっと楽しめそうな相手が来た。

 数合打ち合うも僕の盾で木剣を弾いて体勢をくじいたケインさんの首元に木剣をつきつける。

 「まいった。いやーーーーー、強くなりすぎだろ!! ずるいよ!」

 「はは、ケインさんも防御がなかなか崩せなかったですよ」

 手を差し伸べる。ぐっと身体を起こしながら再びガッシリと手を握る。

 「君たちと知り合えたのは幸運だったよ。今後とも今度は君たちを目標に頑張るよ!」

 「また、ゆっくり食事でもしましょう。家にも遊びに来てください」

 紅き雷のメンバーは女神の塔に行くそうだ。
 あそこで更に強くなって次こそは一本取ってみせるよ!
 ケインさんは爽やかに去っていった。

 僕達の決闘を見てレベルの差をわかってもらえたのか決闘はやっと途切れてくれた。

 宴は朝まで、いや、そこから3日ぐらい続くことになった。

 ワタル Lv73→75
 リク  Lv41
 カイ  Lv41
 クウ  Lv40→41
 カレン Lv32→35
 バッツ Lv32→35

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