3人の勇者と俺の物語

穴の空いた靴下

16章 槍の塔攻略

 最上階攻略の前に対策会議を朝食とともにしております。

 「目隠しするとか?」

 「それじゃ戦えないし、目が見えなくて余計怖いんじゃない?」

 「バイセツとメディアスと一緒にいてもらう」

 「たぶん、それでも怖くなると……分からないです……」

 「それじゃー僕が手を繋いでおくとか」

 「!! それでお願いします!!」

 おやぁ? 冗談のつもりが正式採用された。

 なんの対策かというと、カイの暴走を防ぐ対策会議。
 前回の剣の塔のように霊体、死体が敵だった場合に、
 またカイが大暴走状態にならないためにはどうすればいいか、
 その話し合いでした。
 結局僕の軽口がそのまま選ばれてしまって。

 「きゃっ!」

 「大丈夫、槍だけに集中して落ち着いて魔法で攻撃しよう」

 なんかこんな手をつなぎながら進むゲームあったなぁ……
 怖い時にギュってなって腕にくっついてくるのが、
 普段のしっかりもののカイとのギャップでこんな状況なのに、
 めちゃくちゃ可愛くて困ります。
 基本的に僕は防御に集中してカイが魔法で攻撃していく。
 しばらくするとカイも落ち着いてこうげきができるようになって、
 前みたいに混乱状況にならずに殲滅が完了した。
 今は2部屋めのレイス的な槍兵を殲滅。
 次が……ゾンビの可能性が高い。

 「大丈夫? 開けるよ?」

 「は、はい。手を、手を握っててくださいね……?」

 うっわ、かわええ。

 ギリッ……

 ん?
 今なんか聞こえた気が?
 意を決して扉を開く。

 「ひっ……」

 ああ……やっぱりか……

 「落ち着いて側にいるから!」

 「は、はい……」

 僕の影に隠れちゃったけど、なんとか初期暴走は防げたみたいだ。
 ゾンビ自体は力が強いけどそこまで早くはない。
 僕は攻撃は捨てて防御に徹する。
 なるべく魔法盾で自分を守ってカイを自分の盾で守る。
 魔法盾だと透けて見えちゃうからね。

 「カイ右前にファイアーウォール!」

 「はいっ!」

 炎の壁を利用してたくさんの敵に囲まれるのを防ぐ。
 何体か巻き込んで嫌な匂いがする。

 「カイ、真正面に魔法攻撃できる?」

 「はい……土よ我が力を得て槍となせ、アースジャベリン」

 地面から無数の槍が飛び出してくる、2体のゾンビを引っ掛ける。
 腸が飛び出してズルズル引きずってくる。
 こんなんトラウマなくても怖いわ!

 「きゃっ!!」

 腕にしがみついてくる、可哀想に震えている

 「イツマデシガミツイテンダカ」

 ん?

 クウが自分の敵を始末して援軍に来てくれた。
 光魔法は死靈系には抜群の効果を与える。
 あっという間に殲滅してくれた。

 なにか聞こえた気がするけど、気のせいだよね?

 「ワタ兄終わったからもう手を離していいと思う」

 「そうだぞカイ、いつまでもワタルに迷惑かけちゃダメだぞ」

 「そ、そうですね。迷惑でしたよね?」

 「い、いやいや迷惑だなんてそんな、仲間じゃないか!」

 上目遣いで目を潤ませている少女に迷惑だなんてとんでもない。

 「「チッ」」

 「え?」

 「ん? どうしたのワタ兄?」

 そう言いながら腕にしがみついてくるクウ。

 「そうだよ次行こうぜ次!」

 反対の腕をリクが引っ張る。

 ギリリ……

 凄い幸せな状態なのに背筋を冷たいものが走る。ナンデカナー

 「あらあら、まあまあ」

 『青春じゃのう』

 動物コンビは変なこと言っているし。


 リビングスターチュー、動く石像。
 もうパイルバンカーはしません。
 一応寝っ転がらないでアッパーみたいに、
 後方に魔法盾を出せば行けるんじゃないか?とか、
 魔法盾を逆の手に作れば重量差がなければ、
 両手で盾格闘パイルバンカー付きみたいなのも出来るんじゃないかとか、
 密かに考えているけど、先ずは自分の身体を鍛えるのが先。
 そういえば、腕周りとか大分しっかりしてきた。
 胸筋とかも、レベルアップがある世界って凄いね。

 (いいなぁ……)

 なんか今創造主の声が聞こえたような?

 話は戻って動く石像戦。
 巨大な槍を縦横無尽に振り回す、剣よりも間断なく攻撃が続く。
 連続した横薙ぎとか盾で防いでもふっ飛ばされる。
 3人は立体的に戦場を使って巨体相手でも物ともしない。
 凄まじい勢いで迫る槍を紙一重で避けながら、
 ガリガリと石像を削り取っていく。
 僕もコツコツと足元を削る。
 武器は傷んでしまうので盾の巨大化を安全に運用。
 3人は聖剣のオーラで武器を包んでいるので刃こぼれとかは無縁。ずるい。
 浮いた足の間に魔法盾を挟み込んで巨大化させて転倒させることに成功。
 立ち上がるまで待ってくれる3人娘じゃない、
 リクの全力の一撃を腹に受けて石像は真っ二つになって塵となった。

 なんと全員レベルアップ。あの石像普通なら強敵だもんね。

   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■

  イチノセ ワタル
 Lv16→17 【敏腕家政婦】
 HP 246→252
 MP 92→100
 Str 36→39
 Agi 33→35
 Vit 35→37
 Dex 42→46
 Int 34→37
 Luk 26→28 

 【スキル】 女神の盾 勇者の卵 器用Lv4 工夫New! 観察Lv6 忍耐Lv7
 神の料理人 神のマッサージ師 言語理解 大器晩成() 
 やりくり上手Lv2 魔力操作Lv5 微小魔力操作Lv6New! 盾技Lv5 
 生活魔法Lv4

 リク
 Lv9→10 【オーラバトラー】New!
 HP 1410→1580
 MP 350→420
 Str 126→140
 Agi 93→104
 Vit 100→116
 Int 72→83
 Luk 72→85

 【スキル】 聖斧の力 鉄壁Lv3New!(根性と頑丈が融合) 魔力操作Lv4 
 斧技Lv6 見切りLv5 忍耐Lv5 身体強化魔法Lv4New! 武装闘気New!
 溜め攻撃Lv5New! 自己活性Lv5New! 鑑定 マジックボックス【極大】

 【称号】決意し者 闘気を纏いし者New!

  カイ
 Lv8→9 【荒ぶる魔槍使い】
 HP 740→860
 MP 1320→1600
 Str 68→79
 Agi 96→112
 Vit 70→81
 DexNew! 98→113
 Int 138→159
 Luk 80→91

 【スキル】 聖槍の力 聡明Lv5New! 忍耐Lv5 天賦の魔力 
 魔力操作Lv7New! 魔力増幅Lv8 魔装武具Lv3New! 魔力暴走Lv5
 回復魔法Lv6New!  水魔法Lv5New! 火魔法Lv5 風魔法Lv5New!
 土魔法Lv4New! 槍術Lv5 鑑定 マジックボックス【大】

 【称号】決意し者 暴走する魔力

 クウ
 Lv8→9 【天才二刀剣士】
 HP 1250→1480
 MP 990→1190
 Str 89→105
 Agi 129→141
 Vit 86→98
 Dex 98→117
 Int 113→125
 Luk 162→181

 【スキル】 聖剣の力 天才 未来予測Lv3 忍耐Lv5 
 魔力操作Lv6New! 環境魔力利用Lv5 剣技Lv7New! 二刀流Lv6
 見切りLv6 光魔法Lv5 闇魔法Lv5New! 空間魔法Lv4New! 時空魔法Lv4 
 センス○ 鑑定 マジックボックス【無限】 幸運Lv5

 【称号】決意し者 神々の加護

    ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■

 リクがレベル10になって【武装闘気】ってスキルを得た。
 よく格闘漫画であるオーラみたいなのを纏って戦える、
 さらに動きが良くなる、防御や攻撃力も上がってそうだ。

 「なんか、すごい力が湧いてくるけど。終わった後の反動がキツイ」

 「いざって時の技って感じだね。
 あんまりきつかったらマッサージするから言ってね。」

 リクの目がギラリと光った。
 またも背筋に冷たいものが走った。
 【鉄壁】は防御系スキルの上位スキルっぽいね。
 なんにせよ、すさまじい強さだな。
 こないだのロックさんから判断するに、レベル10にして超一流なんだろうな、
 それだけ魔神が強いってことの裏付けなんだよな……
 この世界の人達では対抗するのは難しいんだろう、
 別の意味で背筋が寒くなる。
 悪いことばっかり考えるのはやめよう。僕達が強くなろう。

 「さて、最後の部屋だ。カイ。準備はいい?」

 「はい。」

 最後の部屋へ続く扉を開く。

 部屋では偽カイが待っていた。

 『自分を見つめ直せば敵が何をしてくるかわかる』

 「強敵だと思うけど、冷静にね」

 そう言うしか無いよね、魔法も槍も一流。敵に回したくないね。
 僕なら吸収盾を利用しながら、じっくりチクチクやるしか無いだろうなぁ。
 なんにせよ、この戦闘から色々なことを学ばないと。

 「頑張れ!」

 「頑張って!」

 「やっちゃえ!」

 「うん!!」

 槍を構えて一気に距離を詰める。
 その勢いのまま槍を突き出す。

 キィィン!

 槍の先端と先端がピッタリとぶつかり合う。
 時間が止まったように静かになる。 

 「かっこいい」

 中国映画を見ているかのようだ、
 先に動いたのは偽カイ、炎の魔法を使おうとしている。
 カイは初級魔法を素早く使って妨害する。
 そしてそのまま距離を詰める。
 お互いの槍が激しく交叉する。
 お互い得意な距離が同じ、小さな傷をカイも偽カイも作っていく。
 打ち合いながらもカイは魔法を組んでいく、
 火魔法と風魔法。

 「2種類の魔法を同時に!?」

 メディアスさんが驚いている。

 「それって凄いんですか?」

 「す、凄いわよ、私でもそれが出来るようになったのはLv60くらいの頃よ」

 『参考までに同時詠唱が出来るやつは前の世界では5人しかおらんかった』

 「す、凄いですね」

 「まぁウォルも出来たから、それにしてもあの子レベル9なのよね、
 末恐ろしいわね」

 「カイは頼もしい仲間」

 クウの発言にみんな頷く。

 以前に起きた火と風の相乗効果を見て考えていたんだろうなぁ、

 カイは大きく槍を振り払い敵を退かせる、
 少しの距離が出来ると魔法を放つ。
 ファイアーボールにウインドエッジ、初級魔法同士だ。
 しかし、合わさると酸素を豊富に送り込まれた火炎は高熱になり、
 白色のファイアーボールが螺旋状に敵に迫る。
 偽カイも初級水魔法で相殺を狙うようだ早い、
 撃ちだされたウォーターボールを何事もなかったのように貫く、
 偽カイの左脇を突き破って背後の壁に当たる。
 壁がグツグツと煮えながら溶け落ちている。
 あの魔法何度だよ……

 大きく身体を抉られた偽カイは、槍を操るのも不備が出て、
 カイの放つ広域風と水の合成魔法アイシクルストームとでも言おうか、
 その冷気により完全に氷、槍の一撃で粉々になった。

 カイの圧勝だった。

 「カイ、あんなこと考えてたんだ」

 「いろいろな要素を組み合わせるとより強い力になったので、
 形にできないか考えていました。なんとか出来ました」

 「貴方って人は……」

 メディアスさんが感嘆のような呆れるような声をかける。

 カイもレベルが上がる。
 宝箱は神々の腕輪と300,000zだった。

 【向こうの神様アルスって言うんだって。
 いい名前だね、よく見るとイケメンだし。
 また腕輪あげるね。頑張って】

  ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■
  カイ
 Lv9→10 【魔導を歩む槍士】New!
 HP 860→1000
 MP 1600→1850
 Str 79→92
 Agi 112→130
 Vit 81→95
 Dex 113→128
 Int 159→184
 Luk 91→104

 【スキル】 聖槍の力 聡明Lv5 忍耐Lv5 天賦の魔力 
 魔力操作Lv8New! 魔力増幅Lv8 魔装武具Lv4New! 魔力暴走Lv5
 回復魔法Lv6  四元素魔法Lv5New(4属性魔法合成)魔法合成Lv3New!
 複合詠唱LV5New! 槍術Lv5 幸運Lv5New! 鑑定 マジックボックス【大】

 【称号】決意し者 暴走する魔力 神々の加護New!

  ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■

「3人の勇者と俺の物語」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く