3人の勇者と俺の物語
13章 剣の塔
目が覚めたカイはさっきのことは覚えていなかった。
知らないほうがいいこともある。
「その力は強力だけど、本当に必要な時しか使っちゃダメよ」
メディアスさんはきちんと指導をする。
カイも神妙に頷いている。
でも、急にアンデッドが出たら、使っちゃうんだろうなぁー……
QAK(急にアンデットが来たので)魂削りました、とか洒落にならん。
そもそも、次もアンデットだったらどうすりゃいいんだろう……
「カイはこの先戦いを続けていく中でアンデットと出会って毎回こうなったら困るだろ?」
「はい……」
「アンデットが出たら取り敢えず一度深呼吸しよう」
「はい……」
「カイは一人じゃないんだ、友達二人もいるし、僕もいる。バイセツさんにメディアスさんもいる。そしてカイには聖なる槍の加護がある。
強力な魔法だって使える。それを忘れないでね」
「……ハイ!」
たまには年長者っぽいことを言ってみる。
照れくさいね。
カイは嬉しそうに手をワキワキしてる。元気が出たようで何よりです。
落ち着いたとこで次の部屋へ入る。
よかった、墓場じゃない。
普通の部屋、だけど異常に天井が高い? ドッスーン!
重そうな音を立てて巨大な石像が降り立った。
身長は……15mくらい? 生きる石像って奴か。
武器は片手剣とラウンドシールド、両方石。取り敢えずでかい!
『巨大な敵は端を狙うのが定石じゃ!』
「止まることなく動き続けて的を絞らせないように!」
「「「「ハイ!」」」」
返事がハモったところで考える。
全面に立って攻撃を受けるったって、流石にあの攻撃を受けたらまた腕が折れる。威力軽減ったって限界がある。
地面に立てて受けても潰されるな。
僕も出来る限り動き続けて的の分散に協力するのがいいね。
リクは剣撃を避けてその剣の上に乗って攻撃なんて離れ業を軽々とやっている。そのあと剣の上を走って斬りつけてる。
石だろうが関係ないね、聖剣の加護を受けた武器は刃こぼれとかとも無縁のようでバキンバキンと石を削っている。武器の性能が高くなると威力も上がる。
クウはなんかもう飛んでる。飛んでるとしか言いようが無い。
空中で攻撃をいなしてその力を利用してさらに高く飛ぶ。
そこに突きが迫り来るけど剣で相手の攻撃の重さを利用して自分の体をずらしてそのまま位置エネルギーを利用した攻撃を喰らわせる。
なんであんなことが出来るのさ……
カイは今回は魔法主体だ、土魔法で足元を崩したり捉えたり、
火魔法で熱したところに水魔法を放って急速に冷却することで強度を落としそこに槍での一撃、見事に大きな欠損を作っている。
3人3様の戦い方、見ていて美しいと思ってしまう。
僕は実験中、魔力盾を盾の前方に連続して出してそれを巨大化することで、
パイルバンカーみたいに打ち出せないか実験。
結果、成功したが失敗した。
石に打ちつけた盾は強力だったが、作用反作用の法則押し出す力がこちらに戻るのだ。
肩と肘が脱臼しました。
忍耐スキルって凄いね、7ともなるとかなり我慢出来るのね、
ま、痛いんだけどね、ものっすごく。
すぐにカイが治してくれたけど。強靭な筋力がないと無理だあれ、盾側を壁とかに噛ませれば出来るかもしれない。
僕が勝手に自爆している間も3人はみるみるうちに石像を削りだしていく。
片足を失い、両手を失った石像は砂のように消えていった……
『お主は無理をするのー』
「魔法で治せるとは言っても部位欠損とか構造のあまりに酷い破壊は上位の回復魔法でしか治せないから無茶しすぎないでね」
「そうだよワタルの手は大事なんだから無理すんなよ!」
「私も早く上位の回復魔法を覚えないと!」
「ワタ兄に無理させないよう頑張る」
すごく大切にされている気は伝わるけど、嬉しさが微妙。
絶対に飯とマッサージのためだろ……
「さて、たぶん次がこの塔のラスボスだ。覚悟はいいかい?」
「ラスボス??」
「あ、ああ、この塔の最後の敵って感じだ」
「うん。ワタ兄ラスボス倒そう」
「ワタルさん行きましょう!」
気合十分。扉を開く。
現れたのは、二刀流の剣士。
あのスタイル……クウだ(即答)
灰色の土気色な肌をしているクウだ、顔には白い仮面。
『なるほどのぉ、アレは手強いぞ』
「クウちゃんが型にはまらない戦い方するから、臨機応変に行くしか無いわね」
恒例の助言タイム。具体的な策は無いみたいだ。
クウの戦闘スタイルは独特、天性の戦闘スキルによる変幻自在の高速戦闘。敵にすると脅威以外の何物でもない。
「私の真似っ子、倒す!」
お、クウがやる気だ。
発言通り一気に距離をつめて行く、偽クウも突っ込む、
正面衝突する寸前にサイドステップ、二人が同時に逆方向に、
「ちっ」
着地と同時にフロントステップで斬りかかる、二人同時に。
ギャン!
大きな剣同士がぶつかり合う音、すでに二人は距離を取っている。
「やりづらい……」
クウがそうつぶやく。
「見とれてる場合じゃない、助けないと」
僕と二人は動き出そうとした。
すぐに壁にぶつかった。
「な、なにこれ?」
「見えない壁がある!」
「そういうことか、この剣の塔の最後は剣の力を持つクウの試練なんだ」
『自らを乗り越える、大変じゃが、得るものは多い』
「私たちは信じましょうクウちゃんを」
「クウ! 応援してるぞ!」
こちらの状況を理解したクウは返事の代わりに大きく頷いた。
「僕達も見ようこの戦いを、そしてそれを力にしよう!」
みんな頷く。
二本の剣がそれぞれ別の生き物のようにクウに襲いかかる。
上からの切り払いを受けるといきなりの突き、上段をさばいて体を回転させ避ける、それと同時に反撃の横からの切り払い、すでに突きを引いた剣で受ける、
即座に空いた側から斬りつける、バッとバックステップで距離を取る。
これが一瞬で起きた出来事だ。
なにこれ、バトルアニメかなにか?
僕だけじゃなくてみんな戦闘に釘付けだ。
「クウ、頑張って……」
リクもカイも心配そうに、でも戦闘を刻みつけるように必死に見ている。
クウが動く、光魔法のミラージュボディ。光の屈折を利用して分身体を作る、
すぐに偽クウが闇魔法ダークビジョンで視界を邪魔する。仕方なく距離を取る、時空魔法ヘイスティング。自身の動きを加速させる。ただ偽クウも同じ魔法を使うので互角。見てる方は目で追うのが難しくなってくる。
光と闇が交差して、クウと偽クウの影が交差し、重なり、離れる。
剣同士がぶつかり合う音は幾度と無く繰り返される、
こうして目の前でクウの本気の戦いを見ていると僕は自信が無くなっていく、
こんな戦いに僕の居場所があるのかな?
『お主はお主の役目を果たせば良い』
絶妙なタイミングでバイセツさんに突っつかれた。さすが師匠、僕なんかの考えなんてお見通しだ。
戦闘は拮抗していた、変化が起きたのはクウの魔力が残り少なくなってきた頃だった、
敵の攻撃を受けてからの反撃が、早く鋭くなってきた。
防御から攻撃へ移る動作がスムーズに、素早くなってきている。
『クウも掴みかけてきておるな』
師匠も気がついているようだ、
少しづつ攻撃が偽クウに捌けなくなっている。
なんか、攻撃する前に反撃しているように見えてきた、
攻撃動作が起きる前にその動きを潰している、という感じだ。
『先の先じゃな、剣技の一つの奥義を今クウは手に入れようとしている』
奥義って、彼女まだ14歳なんだけど……
ま、クウは天才だもんね。
さらにしばらくすると完全に戦闘はクウが圧倒していた、
始まりは同じ技量・力を持つ物同士がこれだけの差ができる。
拮抗した戦闘における成長はこれほど凄いのか……
あまりに華麗なクウの戦闘に目を奪われていた。
気がつけば偽クウは風となって消えていた。
『見事』
クウが不思議な顔をしながら戻ってくる。
「ワタ兄、なんか周りの音とかなんにも聞こえなくて、
考えなくても体が動いて、気がついたら倒していた」
『お主は一つの境地を知ったのじゃ。研鑽を積めば常にその世界に身を置けるじゃろう』
「あの気持のいい時間また、やりたい……」
そうつぶやくようにクウの身体から力が抜けていった、
俺はクウを受け止めて、
「お疲れ様」
クウが嬉しそうな顔をしたような気がした。
塔最上階の宝箱も出たけど、これを開けるのはクウな気がして。
クウが目を覚ますまで待つことにした。
「クウ、強くなったね」
「ええ、私ももっと頑張らないと」
「二人共強くなってるよ、槍と斧の塔の最上階でも同じような試練があるだろうからね、二人共頑張ろう、僕も頑張る」
『お、クウが起きるぞ』
「クウちゃんおはよう、身体の方は平気かしら?」
起きたクウは身体を軽く伸ばして、
「平気、気を張り過ぎただけだと思う」
「そうか。さて、クウあの宝箱はクウが開けるべきだよ」
「うん、わかった」
今までの宝箱よりも一段と豪華な宝箱に手をかける。
静かに開く宝箱の中には一つの腕輪があった。
【向こうの神様と作った腕輪。
貴方の成長に合わせて貴方の力になるよ。
向こうの神様も良い奴だね。頑張って】
白金色の美しい、それでいて派手すぎない腕輪だった。
クウがそれをつけると着ていた革鎧がほのかに輝き腕輪と同じ色に変色していった。
元の革よりかなり耐久度が上がっていた、それでいて装着感は軽いそうだ。
聖剣の力の鎧バージョンみたいな感じかな?
そうすると鎧もいいものにしていかないとね。
一緒に300,000z入っていた。女神様ありがとう。
クウはレベルが上った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
クウ
Lv7→8 【天才二刀剣士】
HP 1090→1250
MP 860→990
Str 75→89
Agi 113→129
Vit 74→86
DexNew! 85→98
Int 100→113
Luk 148→162
スキル 剣の聖剣の力 天才 未来予測Lv3New!(直感と洞察が融合)
忍耐Lv5 魔力操作Lv5 環境魔力利用Lv5New! 剣技Lv6
二刀流Lv6New! 見切りLv6New! 光魔法Lv5New! 闇魔法Lv4
空間魔法Lv3 時空魔法Lv4New!
センス○ 鑑定 マジックボックス【無限】 幸運Lv5New!
【称号】決意し者 神々の加護
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
知らないほうがいいこともある。
「その力は強力だけど、本当に必要な時しか使っちゃダメよ」
メディアスさんはきちんと指導をする。
カイも神妙に頷いている。
でも、急にアンデッドが出たら、使っちゃうんだろうなぁー……
QAK(急にアンデットが来たので)魂削りました、とか洒落にならん。
そもそも、次もアンデットだったらどうすりゃいいんだろう……
「カイはこの先戦いを続けていく中でアンデットと出会って毎回こうなったら困るだろ?」
「はい……」
「アンデットが出たら取り敢えず一度深呼吸しよう」
「はい……」
「カイは一人じゃないんだ、友達二人もいるし、僕もいる。バイセツさんにメディアスさんもいる。そしてカイには聖なる槍の加護がある。
強力な魔法だって使える。それを忘れないでね」
「……ハイ!」
たまには年長者っぽいことを言ってみる。
照れくさいね。
カイは嬉しそうに手をワキワキしてる。元気が出たようで何よりです。
落ち着いたとこで次の部屋へ入る。
よかった、墓場じゃない。
普通の部屋、だけど異常に天井が高い? ドッスーン!
重そうな音を立てて巨大な石像が降り立った。
身長は……15mくらい? 生きる石像って奴か。
武器は片手剣とラウンドシールド、両方石。取り敢えずでかい!
『巨大な敵は端を狙うのが定石じゃ!』
「止まることなく動き続けて的を絞らせないように!」
「「「「ハイ!」」」」
返事がハモったところで考える。
全面に立って攻撃を受けるったって、流石にあの攻撃を受けたらまた腕が折れる。威力軽減ったって限界がある。
地面に立てて受けても潰されるな。
僕も出来る限り動き続けて的の分散に協力するのがいいね。
リクは剣撃を避けてその剣の上に乗って攻撃なんて離れ業を軽々とやっている。そのあと剣の上を走って斬りつけてる。
石だろうが関係ないね、聖剣の加護を受けた武器は刃こぼれとかとも無縁のようでバキンバキンと石を削っている。武器の性能が高くなると威力も上がる。
クウはなんかもう飛んでる。飛んでるとしか言いようが無い。
空中で攻撃をいなしてその力を利用してさらに高く飛ぶ。
そこに突きが迫り来るけど剣で相手の攻撃の重さを利用して自分の体をずらしてそのまま位置エネルギーを利用した攻撃を喰らわせる。
なんであんなことが出来るのさ……
カイは今回は魔法主体だ、土魔法で足元を崩したり捉えたり、
火魔法で熱したところに水魔法を放って急速に冷却することで強度を落としそこに槍での一撃、見事に大きな欠損を作っている。
3人3様の戦い方、見ていて美しいと思ってしまう。
僕は実験中、魔力盾を盾の前方に連続して出してそれを巨大化することで、
パイルバンカーみたいに打ち出せないか実験。
結果、成功したが失敗した。
石に打ちつけた盾は強力だったが、作用反作用の法則押し出す力がこちらに戻るのだ。
肩と肘が脱臼しました。
忍耐スキルって凄いね、7ともなるとかなり我慢出来るのね、
ま、痛いんだけどね、ものっすごく。
すぐにカイが治してくれたけど。強靭な筋力がないと無理だあれ、盾側を壁とかに噛ませれば出来るかもしれない。
僕が勝手に自爆している間も3人はみるみるうちに石像を削りだしていく。
片足を失い、両手を失った石像は砂のように消えていった……
『お主は無理をするのー』
「魔法で治せるとは言っても部位欠損とか構造のあまりに酷い破壊は上位の回復魔法でしか治せないから無茶しすぎないでね」
「そうだよワタルの手は大事なんだから無理すんなよ!」
「私も早く上位の回復魔法を覚えないと!」
「ワタ兄に無理させないよう頑張る」
すごく大切にされている気は伝わるけど、嬉しさが微妙。
絶対に飯とマッサージのためだろ……
「さて、たぶん次がこの塔のラスボスだ。覚悟はいいかい?」
「ラスボス??」
「あ、ああ、この塔の最後の敵って感じだ」
「うん。ワタ兄ラスボス倒そう」
「ワタルさん行きましょう!」
気合十分。扉を開く。
現れたのは、二刀流の剣士。
あのスタイル……クウだ(即答)
灰色の土気色な肌をしているクウだ、顔には白い仮面。
『なるほどのぉ、アレは手強いぞ』
「クウちゃんが型にはまらない戦い方するから、臨機応変に行くしか無いわね」
恒例の助言タイム。具体的な策は無いみたいだ。
クウの戦闘スタイルは独特、天性の戦闘スキルによる変幻自在の高速戦闘。敵にすると脅威以外の何物でもない。
「私の真似っ子、倒す!」
お、クウがやる気だ。
発言通り一気に距離をつめて行く、偽クウも突っ込む、
正面衝突する寸前にサイドステップ、二人が同時に逆方向に、
「ちっ」
着地と同時にフロントステップで斬りかかる、二人同時に。
ギャン!
大きな剣同士がぶつかり合う音、すでに二人は距離を取っている。
「やりづらい……」
クウがそうつぶやく。
「見とれてる場合じゃない、助けないと」
僕と二人は動き出そうとした。
すぐに壁にぶつかった。
「な、なにこれ?」
「見えない壁がある!」
「そういうことか、この剣の塔の最後は剣の力を持つクウの試練なんだ」
『自らを乗り越える、大変じゃが、得るものは多い』
「私たちは信じましょうクウちゃんを」
「クウ! 応援してるぞ!」
こちらの状況を理解したクウは返事の代わりに大きく頷いた。
「僕達も見ようこの戦いを、そしてそれを力にしよう!」
みんな頷く。
二本の剣がそれぞれ別の生き物のようにクウに襲いかかる。
上からの切り払いを受けるといきなりの突き、上段をさばいて体を回転させ避ける、それと同時に反撃の横からの切り払い、すでに突きを引いた剣で受ける、
即座に空いた側から斬りつける、バッとバックステップで距離を取る。
これが一瞬で起きた出来事だ。
なにこれ、バトルアニメかなにか?
僕だけじゃなくてみんな戦闘に釘付けだ。
「クウ、頑張って……」
リクもカイも心配そうに、でも戦闘を刻みつけるように必死に見ている。
クウが動く、光魔法のミラージュボディ。光の屈折を利用して分身体を作る、
すぐに偽クウが闇魔法ダークビジョンで視界を邪魔する。仕方なく距離を取る、時空魔法ヘイスティング。自身の動きを加速させる。ただ偽クウも同じ魔法を使うので互角。見てる方は目で追うのが難しくなってくる。
光と闇が交差して、クウと偽クウの影が交差し、重なり、離れる。
剣同士がぶつかり合う音は幾度と無く繰り返される、
こうして目の前でクウの本気の戦いを見ていると僕は自信が無くなっていく、
こんな戦いに僕の居場所があるのかな?
『お主はお主の役目を果たせば良い』
絶妙なタイミングでバイセツさんに突っつかれた。さすが師匠、僕なんかの考えなんてお見通しだ。
戦闘は拮抗していた、変化が起きたのはクウの魔力が残り少なくなってきた頃だった、
敵の攻撃を受けてからの反撃が、早く鋭くなってきた。
防御から攻撃へ移る動作がスムーズに、素早くなってきている。
『クウも掴みかけてきておるな』
師匠も気がついているようだ、
少しづつ攻撃が偽クウに捌けなくなっている。
なんか、攻撃する前に反撃しているように見えてきた、
攻撃動作が起きる前にその動きを潰している、という感じだ。
『先の先じゃな、剣技の一つの奥義を今クウは手に入れようとしている』
奥義って、彼女まだ14歳なんだけど……
ま、クウは天才だもんね。
さらにしばらくすると完全に戦闘はクウが圧倒していた、
始まりは同じ技量・力を持つ物同士がこれだけの差ができる。
拮抗した戦闘における成長はこれほど凄いのか……
あまりに華麗なクウの戦闘に目を奪われていた。
気がつけば偽クウは風となって消えていた。
『見事』
クウが不思議な顔をしながら戻ってくる。
「ワタ兄、なんか周りの音とかなんにも聞こえなくて、
考えなくても体が動いて、気がついたら倒していた」
『お主は一つの境地を知ったのじゃ。研鑽を積めば常にその世界に身を置けるじゃろう』
「あの気持のいい時間また、やりたい……」
そうつぶやくようにクウの身体から力が抜けていった、
俺はクウを受け止めて、
「お疲れ様」
クウが嬉しそうな顔をしたような気がした。
塔最上階の宝箱も出たけど、これを開けるのはクウな気がして。
クウが目を覚ますまで待つことにした。
「クウ、強くなったね」
「ええ、私ももっと頑張らないと」
「二人共強くなってるよ、槍と斧の塔の最上階でも同じような試練があるだろうからね、二人共頑張ろう、僕も頑張る」
『お、クウが起きるぞ』
「クウちゃんおはよう、身体の方は平気かしら?」
起きたクウは身体を軽く伸ばして、
「平気、気を張り過ぎただけだと思う」
「そうか。さて、クウあの宝箱はクウが開けるべきだよ」
「うん、わかった」
今までの宝箱よりも一段と豪華な宝箱に手をかける。
静かに開く宝箱の中には一つの腕輪があった。
【向こうの神様と作った腕輪。
貴方の成長に合わせて貴方の力になるよ。
向こうの神様も良い奴だね。頑張って】
白金色の美しい、それでいて派手すぎない腕輪だった。
クウがそれをつけると着ていた革鎧がほのかに輝き腕輪と同じ色に変色していった。
元の革よりかなり耐久度が上がっていた、それでいて装着感は軽いそうだ。
聖剣の力の鎧バージョンみたいな感じかな?
そうすると鎧もいいものにしていかないとね。
一緒に300,000z入っていた。女神様ありがとう。
クウはレベルが上った。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
クウ
Lv7→8 【天才二刀剣士】
HP 1090→1250
MP 860→990
Str 75→89
Agi 113→129
Vit 74→86
DexNew! 85→98
Int 100→113
Luk 148→162
スキル 剣の聖剣の力 天才 未来予測Lv3New!(直感と洞察が融合)
忍耐Lv5 魔力操作Lv5 環境魔力利用Lv5New! 剣技Lv6
二刀流Lv6New! 見切りLv6New! 光魔法Lv5New! 闇魔法Lv4
空間魔法Lv3 時空魔法Lv4New!
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