男の娘ですがばれないように復讐心を養っております。

稜さん@なろう)

体調の変化

俺ががエレンに体を洗われてから数日。俺たち三人は目的地の町にいた。
 体を洗われてからなぜかエレンと一緒に水浴びをしているような気がするが気のせいだろう……気のせいだ!

  「どうしたんだ、ヤイバ。頭を抱えて」

「どうしたの? もしかして体調が悪いの? それはいけないわ。さぁ、早く私がそこの宿屋で看病してあげる!」

    普段の様に会話していると風に乗って声が聞こえてきた。

『おい、あの男。女を二人も連れてるぜ』

『あの男の人、かっこいいわ。だけどあの真ん中の女はいけ好かないわ』

『俺、ちょっとナンパしてくるわ』

『やめとけよ。お前こないだ浮気がばれただろ』



「どうした、ヤイバ。本当に大丈夫か? キツイのなら宿に行くぞ?」

「あ、あぁ。大丈夫だよ。それでどこに行くんだい?」

「そうね。私はヤイバと二人きりで買い物がしたいわ」

「そうだな! よし、ヤイバ。 ものを売るついでに買い物しようぜ!」

 なんで、ライトはエレンの絶対零度な目線を気にしないで入れるんだ? あぁ、エレンの顔が魔王の様だ……

 「おい、ヤイバ。本当に大丈夫なのか? ちょっと頭がしてみろ」

「別になんともないったら。もう、ライトは心配性なんだからぁ」

「……重症だな。エレン、宿屋に向かうぞ」

「そうね。これは重症ね」

 ……なんで二人で盛り上がってるの? なんでワタシ(……)だけ仲間はずれなの?

「ふぇ……」

 あれ、おかしいな。目がぼやけて前が見えない

「ヤイバ!? いきなり泣き出してどうしたんだ」

「泣かないでヤイバ! 私が看病してあげるから!」

  ますます混沌してきた三人はとりあえず宿屋に向かうことにした。

 〜宿屋〜

  あまり綺麗とは言えないがどこか懐かしい作りの宿。『胡桃割りの森』に泊まることにしたライト達はとりあえずヤイバをベッドに寝かしつけていた。

「ねぇ、エレン。どこにも行かないでね……?」

  小動物のように手を掴んでくるヤイバを獣のような目で見つめるエレンは鼻血を垂らしながら手を掴んでいた。

「えぇ! もちろんよ。一生一緒にいるわ!」

「おーい。一応たびに使う道具やらなんやらを買ってきたぞ。ヤイバの調子はどうだ?」
 
  大荷物を持ったライトが部屋に入ってきた。

「私がいるから大丈夫よ! だって私がいるから!」

 ドヤ顔で言うエレンを見みたライトはそうかと頷いた。

「よし、俺は隣の部屋にいるから何かあったら呼べよ」

「ぁ……ねぇ、ライトも一緒にいて?」

  無意識なのか狙っているのかヤイバは上目遣いでライトを呼びとめた。 すると、ヤイバの隣にいたエレンが何かを呟くとそのまま倒れこんでしまった。

「おいおい。エレンが倒れこんじまったぞ!?  うぉ! 鼻血吹いてやがる。 ヤイバ、少し待ってろ」

 そう言うとライトは部屋を出て行ってしまった。
一人残されたヤイバは涙目だった。

  〜ライトshift〜

 街についてからヤイバの様子がおかしいことに気づいた俺は近くにあった宿屋に泊まることにした。
 エレンに任せて旅の買い物をして宿屋に戻るとエレンが笑顔でヤイバの手を握りしめていたので俺は部屋に戻ろうとしてんだが……上目遣いのヤイバで「いかないで」って。
上目遣いのヤイバの破壊力はヤベェ。 エレンが笑顔で鼻血を吹き出すくらいだからな。

「タオルはあったから水を汲まねえと」

〜井戸〜
 
 宿屋の裏手、そこには大きな井戸がある。そこの水は冷たく顔を洗うのもよし。飲むのもよしと万能な水。
 噂では病にも効くとか効かないとか……

「おーでかい井戸だな。よしとりあえずエレンの血を洗う用と飲む分を確保するか」

 はぁーなんで、ヤイバが無理してるって気付けなかったんだろ。幼馴染なのにな……

「水が冷え……部屋に戻るか」

  俺がヤイバの寝ている部屋に戻ると泣いているヤイバと鼻血を垂らしながら頭を撫でているエレンがいた。

  「えぇ……どういう状況だよ」

つづく

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