龍と友達になった少年

榊空

少年の過去13

「というわけで、ドラゴンを無事に討伐した祝いだ。今日はぱぁーっといくぞ」
「なんで、ルカがしきってるんだ?」
「別にいいだろう? あ、美樹はこっちにこい。男はあっちな」

ルカは大地の言葉に笑顔で答えると、ちょうどリビングに降りてきた美樹を捕まえて、美樹と一緒にいたソラと海は大地の方を指差しながら追い払う。その行動に安心したようすで海が離れると、離れようとした海の服をつかむ手が。

「えっと、ルカお姉ちゃん? お兄ちゃん達も一緒がいい……」
「む、そうか、よし、お前達もこっちにこい」

美樹は大地たちと一緒にいないと寂しいのか、うつむき寂しげな声をだす。その声を聞いたルカは、さっきまでのことが無かったように、ソラたちを手招きする。その手招きに大地もついてくる。

「相変わらずだな、お前は。マヤも大変だろ?」
「あはは、もう慣れましたよ」
「なんだよー、そんなに大変じゃないだろ?」

マヤの言葉に頬を膨らませたルカが、マヤに向かって抗議の声をあげる。

「だって、この前も急にドラゴンが食べたいとか言ってワイバーンを狩りにいったじゃないですか」
「だって、食べたくなったんだもんよー」

ルカはマヤの言葉に目をそらしながら、口を尖らせる。その様子にマヤは顔をほころばせながら、テーブルに置いてある大地の作った料理を自分の皿に盛り付ける。 

「ほら、ルカさんが食べたいっていってたカレーですよ。これでも、食べて機嫌をなおしてください」
「べつに、期限悪くなってなんかないし……、お! それが噂のカレーか!」
「他にもありますよ?」
「おー、他のも食べたい! から、残しててくれ。先にカレーを食べたい」

食欲には抗えないのか、先程までブスッとしていた顔を、目を輝かせた顔に変えると、次々に料理を口に運んでいく。どの料理も美味しいからかどんどん笑顔になっていく。

「フフ、余は満足じゃ」
「お前は何様だ、まったく」

満足そうに腹をさするルカに呆れて、ため息をつきながらも、美味しそうに食べてくれるルカに嬉しそうに笑顔を見せる。

「これだけ美味しい料理を作れるんだから、さすが俺の仲間なだけあるぜ!」
「あー、はいはい」
「ふふ、嬉しそうですね。大地さん」
「と、ところで海達も楽しんでるか?」

大地の顔を見て微笑むマヤの言葉に、目をそらしながら子供達の方を向く。
「逃げんなよー、大地」
「あはは、僕はもちろん楽しいですよ」
「俺も楽しめてるかな」
「美樹も楽しいよ!」
「なら良かった」

大地は子供達の反応に安心した顔で笑っていると、ソラが大地の方を不思議そうな顔で向く。

「あ、そういえば大地さん。さっきから気になってたんですけど、ルカさんが仲間って言ってますけど、一体どういう仲間なんですか?」
「うん? あー、ソラは冒険者って言ってわかるかな?」
「えっと、どういう意味なんですか?」
「冒険者って言うのは、今日出会ったドラゴンとかの魔物を退治して、生活してる人たちのことで」
「そうそう、それで冒険者たちの中で作られた一つのグループをパーティーっていうんだぜ。そのパーティーの仲間って意味だ」
「急に話を取るなよ……、まぁ、つまりはそういうことだ。ちなみに、俺達のパーティーメンバーはあと二人いるから、その人たちはまた今度紹介するね」

急に話を取られた大地は呆れた声で呟いたあと、ソラ達に話の続きを始める。

「あの二人は優しいですから、怖がらなくても大丈夫ですからね。ちょっと、男の人の方は人見知りというか、人と話すのが苦手だから最初は無愛想だけどね」
「そんなこと言ったら女の方は、自分にも他人にも厳しい人だから、最初はめんどくさく感じるかもな」
「二人してそういうこと言わない。海たちが不安がるだろう?」
「あ、大地さん。食器下げますね」
「いやいや、俺が持っていくから大丈夫だよ」
「一応今日は大地さんたちの祝勝会なので、私が持っていきますね。あ、ルカさんも手伝ってくださいね?」
「えー? めんどくさ」
「手伝ってくださいね?」
「わ、分かったよ。そんな顔しなくても良いじゃんかよ……」

 ルカはマヤに無言で見つめられたのが堪えたのか、すぐに言葉を切ってマヤの後ろについていった。

「さてと、じゃあ、今日ぐらいはちょっと遅めまで起きとこっか」
「わーい! 美樹、なんかゲームしたい!」
「皆で遊べるのあったかな……?」

 暖かい笑い声が響かせながら、少しずつ夜が深くなっていくのだった。

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