龍と友達になった少年

榊空

少年の過去8

「どうかしたか? ソラ」
「いや、なんか誰かに見られてる気がして」
「ソラお兄ちゃん大丈夫? 海お兄ちゃんがいるから大丈夫だよ!」
「あはは、ありがとう。美樹」
「ま、とりあえず行こうぜ。誰が見てるのかなんとなく分かったし」
「え、だれ?」
「また、今度教えるよ」

海は本当に分かっているようで、げんなりした表情を見せながら大地がいるほうを見る。大地はばれてることが分かってるのか、海の視線の先で手を降ってくる。

「とりあえず、いくぞ。ソラ、美樹」
「うん、おやつとかって買ってもいいのかな?」
「さすがにダメだと思うけど、どう思う? 海」
「ん? いいんじゃねえか? 知らんけど。まぁ、美樹だし、兄ちゃんも美樹には甘いから大丈夫だとおもうぜ」
「そうなのか?」
「まぁ、俺たちのなかでの唯一の女の子だし」
「えへへー、じゃあ、なに買おうかなー」
「とはいえ、あんまり買いすぎないようにね」
「はーい」
「(はらはらしてる兄ちゃんは無視しとこう)」
「どうした? 海」
「いや、なんでもない、早く行こうぜー」
「そうだね、いこっか」

大地がはらはらした様子で、ソラたちの方を見ているのに気がついている海は、ため息をつきながらソラたちを買い物に促す。

「さてと、ここが俺らが買い物に来る市場だ」
「結構大きいんだね」
「これで大きいとか言ってたら、ここより大きい国にいったときびっくりすることになるぞ?」
「え、ここより大きいところがあるの?」
「あるよ、この場所も大きいところではあるけど、この世界で一番って訳じゃないからな」
「美樹はここよりも大きいところに行ったこともあるよ!」
「大きくなったら僕も行こうかな……」
「あ、そんときは俺も一緒にいくぜ」
「美樹も! 美樹も!」
「あはは、そうだね、その時は三人で行こうか?」

後ろでは聞こえないほど離れている場所の大地が、寂しそうな顔をしてこちらをみている。

「あー、その時は兄ちゃんも連れていこうぜ?」
「あ、そうだね。どうせだし、家族四人で行きたいよね」
「うん!」

後ろでは海に向かって親指をたてて、嬉しそうな笑顔でこちらをみる大地がみえる。

「(なんで、この距離で会話が分かるんだ?)」

海は謎に思いながらも三人を連れて目的地にたどり着く。

「あ、ここだぜ」
「あ、なんか独特な臭いがするね」
「臭いがきつい……」
「まぁ、ここが目的地なんだしさっさと買い物終わらせようぜ」
「そうだね」
「うん、早くここから離れたい……」

海は笑いながら、美樹は顔をしかめながら、ソラは不思議そうに回りを見渡しながら、三人それぞれ違う表情で入っていく。

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