龍と友達になった少年

榊空

少年の過去6

「ソラお兄ちゃん、ただ振るんじゃなくて、えっと、大地お兄ちゃんの振り方に近付けるように振ると、振りやすいよ?」

 一心不乱に剣を振っていたソラに話しかけた美樹は、大地の方を指差す。

「なるほど、確かにお手本があれば分かりやすいよね」
「うん!」
「あはは、お手本になれるような人物じゃ無いんだけどね?」
「そんなことないよ? 大地お兄ちゃんの剣は綺麗だもん」

 確かに大地の振る剣はキレイだった。見た目は全員のと変わらないが、的確に相手の隙をついているのがわかる。

「兄ちゃんと戦うと、なんというか、兄ちゃんがうざく感じる」
「あはは、それは誉め言葉だね。なら、もう少しだけウザくなろうかな」
「うわ、ちょっ、子供相手に大人げないぞ! 兄ちゃん!」
「あはは、聞こえなーい」

 意地悪な顔をした大地は、海の剣を捌きながら、海の死角から攻撃をしはじめる。手加減はしてあるのだろうが、海は急に目の前に現れる剣を捌こうとしながら攻撃をするので、少しずつ隙が多くなっていく。

「隙がでかいぞ?」
「そんなこと、言われ、ても!?」
「海お兄ちゃんがんばれー」
「海も大地さんもがんばれー」
「頑張れって言われてもな……」
「お、なんだ? 諦めるのか?」
「誰が諦めるか! そこだ!」
「甘いし、遅い!」

挑発に乗った海は、大地が大きく横に剣を振り、隙ができたときに攻撃を仕掛けるが、振りかぶった海の剣を横に避けながら指でデコピンする。

「あいて! うぐ、兄ちゃんめ」
「さてと、剣の特訓は終わりだな」
「じゃあ、弓の特訓か?」
「アホか、今日は弓を持ってきていないよ。弓の練習はまた今度な」
「くそ、弓なら兄ちゃんに勝てそうなのにな」
「まぁ、確かに弓なら僕をすぐに越えられるだろうけどね。弓は苦手だし」
「弓の練習は何をしてるんですか?」
「うん? 流石に弓は専門外だからね。的当ての練習位だよ。動きながら当てれるようになるのが最初の課題かな?」
「ちなみに、兄ちゃんは動きながらでも当てれるけど魔物にはなかなか当てれない」
「悪かったな。大きいやつなら当てれるけど、小さいのは動きを予測しながらだから難しいんだよ」
「なるほど、魔物?」
「あー、ソラは魔物をまだ見たことないか……、よし、じゃあ今度ピクニックに行くときは、比較的安全な魔物のいるところに行こう」
「賛成!」
「えへへー、その時は美樹もソラお兄ちゃんに弓を見せてあげる」
「美樹も使えるんだ? 僕も練習しなきゃな」
「まぁ、そんときは俺が教えるよ。兄ちゃんよりかはちゃんと教えれると思うし」
「まぁ、その時は海に任せるかな。よし、じゃあ、お腹もすいたし帰るよ」
「今日のご飯はなに?」
「そだなー、久しぶりにカレーでも食べるか」
「カレー? ですか?」
「お、食べたことないのか? だったら、楽しみにしとけー、おいしいぞ?」
「はい! 楽しみにしときます」

剣を使って遊んだ(?)皆は、四人仲良く家に帰るのだった。


ちなみに、いつも作ってるカレーはソラの口には辛いらしく、新しく甘口のカレーが用意された。そのことで、海と美樹にからかわれていたが、とても楽しそうに食事を終えていた。

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