優しい希望をもたらすものは?
男同士、女同士別れて行動です。
食事を楽しくと言うよりも、妹や主李、実里だけでなく18才の穐斗の面倒まで見る優希に、祐也は、
「ほら、優希も食べて。美味しいぞ?デザートまで食べられなくなったらどうするんだ?」
「そうですよ。実里くんもどうですか?」
「美味しいです‼うわぁ、こんなに美味しいなんて知りませんでした」
「それにしても、主李は良く食べるな……」
日向は、成長期とはいえまだ華奢な主李がペロッと食べる量をビックリしてみる。
「あ、がつがつしちゃってすみません‼美味しくって、そうしたら余計に食べたくなって……」
偏食家らしい実里と竜樹に比べ、魚の骨がと言っていたが、優希に一緒にとってもらうと、それも美味しそうに口に運んでいた。
好き嫌いはないらしい。
しかし、優希は……、
「あれ?嫌い?」
パンを口にして、すぐに奇妙な顔になる優希に、糺は問いかけ、苦笑する。
「えっと、シナモンと七味とうがらしの山椒が駄目なんです」
「刺激物?」
「ミントは大好きです。あのタブレットのスーパークールは好きです」
メーカー名を聞き、あぁ、と頷く。
あれは試験前に勉強の時に利用する……。
「あれ?でも、あれって、カフェインが入ってなかったかな?けっこう刺激強いよね?」
ハーブに詳しい穐斗の指摘に、優希は、
「お手伝いが終わったあとに晩御飯と、後片付けにお風呂入って洗っておくのと、そのあと宿題していたら眠っちゃいそうで……余り英語が得意じゃないんです。文法とかいつも欠点で……間違った文法を10回ずつ書いてたら眠くなりそうで……あ、外国のことを勉強するのは好きなんですが、喋れないんです……単語もわかるのですが、文法が……恥ずかしいです」
「あんなに楽しそうに説明してたのにな」
「でも、日本の英語の教材ってわざと難しくしてるだろう?って思うときが多いですよ」
祐也は答える。
「俺、少しなら分かるよ。叔母さんが外国に住んでた経験があるから」
「僕も~‼僕のお母さん留学経験あるの」
「凄いです‼わ、私は緊張しちゃって……」
「あるある。あーとかえーとか言いたくなるよ」
優希に、祐也が微笑む。
「じゃぁ、もしよかったら、暇が合えば俺たちが英語教えてあげようか?」
「えぇぇ‼家庭教師ムリムリです‼」
「違う違う。俺たちは読書サークルなの。で、色んな本を読むんだけど、実際上それだけ」
「本当のところは、すぅのしていることを隠す目的な訳だ。だから、色々話しても良いと思うんだ。優希は情報豊富だし、実里も。主李も努力家。竜樹も片寄ってるがすごいと思う」
日向は誉める。
きりっとした眼鏡の青年だが、気は優しく温かい。
「だから、時々会おうか」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫」
頷く5人に、主李は、
「じゃぁ、よろしくお願いいたします‼」
食事を終えた9人は案内された部屋で再び圧倒される。
「スッゴイ‼綺麗なお部屋‼」
優希は目を見開く。
「あ、そうそう。優希ちゃんに竜樹ちゃん。一緒にお風呂に行こう‼このプランは女の子特権なんだから‼」
糺はにこにこと笑う。
「私、妹いなかったから、二人が妹みたいで可愛いなぁって、一緒に行こう、ね?」
「は、はい‼」
二人は後を追うように出ていった。
「俺たちも行くか……」
日向の言葉に6人は大浴場に赴く。
「へぇ~凄いですね、これ」
あちこち見つつ、トコトコと近づいてくるのは水も滴る美少女である。
クルンクルンの栗色と言うよりも金色の髪と緑の瞳をしている。
「わーん。見えないよ~‼ゆーやぁどこー‼」
「えっ?穐斗さん?」
「あ、主李くん‼実里くんでも良いです‼見えないの、です。連れてってください」
ペコン、頭を下げる。
「ビックリした。もしかして目が悪いんですか?」
「うん。乱視と近視……コンタクトは合わなくてやめちゃった」
えへへと笑うさまは、同性とは思えないほど、可愛らしい。
「この髪フワフワなんですね」
「うん。天然パーマ。良くお母さんに整えなさいって言われるんだけど、うまくいかなくて……」
「整えたら、ものすごくモテるんじゃないですか?」
「う~ん……」
微妙な顔になる。
「実は、この髪と瞳は父方なの。余り……」
「あ、やっぱり染めてないんだ。綺麗だと思った」
実里は呟く。
「最近クラスメイトが髪を染めるのがいて……でも、ここまで綺麗じゃないなぁって」
「染めるときに、『ヘナ』って言う自然の染料があるからそれで染めると髪が痛まないよ。そう言えば、優希ちゃんは天然?」
「えっと……」
主李と実里は顔を見合わせる。
「実は、優希と竜樹は苛めにあって、優希はストレスで円形脱毛症どころかかなりばぁぁって抜けたんです」
「それが、去年の担任も苛めてて……昔は茶色っぽいまっすぐだったんですけど、今はあんな感じです」
「……酷いね‼」
きゅっと眉を寄せる。
「女の子の髪の毛が抜けちゃうくらい辛い思いして……でも、主李くんと付き合っているんでしょ?」
「え、は、はい……付き合い始めたばかりですが。俺も優希も部活で今忙しくて……それに受験だし……一緒に行けたら良いなぁって」
「え?どこに行くつもりなの?」
「あ、俺は……」
実里はこの街で最難関の高校を口にする。
同じく、主李はそれに近い高校を告げた。
「うわぁ……祐也と同じ高校だ」
「ん?どうした、穐斗」
「実里くん、祐也の卒業校受験するんだって」
「へぇ~頑張れよ」
にっこり笑う祐也に、
「エェェ!あの高校卒業ですか‼」
「あぁ。一応英語がTOEIC満点だったし……」
「凄いです‼是非合格の秘訣を教えてください‼」
燃える実里だった。
「ほら、優希も食べて。美味しいぞ?デザートまで食べられなくなったらどうするんだ?」
「そうですよ。実里くんもどうですか?」
「美味しいです‼うわぁ、こんなに美味しいなんて知りませんでした」
「それにしても、主李は良く食べるな……」
日向は、成長期とはいえまだ華奢な主李がペロッと食べる量をビックリしてみる。
「あ、がつがつしちゃってすみません‼美味しくって、そうしたら余計に食べたくなって……」
偏食家らしい実里と竜樹に比べ、魚の骨がと言っていたが、優希に一緒にとってもらうと、それも美味しそうに口に運んでいた。
好き嫌いはないらしい。
しかし、優希は……、
「あれ?嫌い?」
パンを口にして、すぐに奇妙な顔になる優希に、糺は問いかけ、苦笑する。
「えっと、シナモンと七味とうがらしの山椒が駄目なんです」
「刺激物?」
「ミントは大好きです。あのタブレットのスーパークールは好きです」
メーカー名を聞き、あぁ、と頷く。
あれは試験前に勉強の時に利用する……。
「あれ?でも、あれって、カフェインが入ってなかったかな?けっこう刺激強いよね?」
ハーブに詳しい穐斗の指摘に、優希は、
「お手伝いが終わったあとに晩御飯と、後片付けにお風呂入って洗っておくのと、そのあと宿題していたら眠っちゃいそうで……余り英語が得意じゃないんです。文法とかいつも欠点で……間違った文法を10回ずつ書いてたら眠くなりそうで……あ、外国のことを勉強するのは好きなんですが、喋れないんです……単語もわかるのですが、文法が……恥ずかしいです」
「あんなに楽しそうに説明してたのにな」
「でも、日本の英語の教材ってわざと難しくしてるだろう?って思うときが多いですよ」
祐也は答える。
「俺、少しなら分かるよ。叔母さんが外国に住んでた経験があるから」
「僕も~‼僕のお母さん留学経験あるの」
「凄いです‼わ、私は緊張しちゃって……」
「あるある。あーとかえーとか言いたくなるよ」
優希に、祐也が微笑む。
「じゃぁ、もしよかったら、暇が合えば俺たちが英語教えてあげようか?」
「えぇぇ‼家庭教師ムリムリです‼」
「違う違う。俺たちは読書サークルなの。で、色んな本を読むんだけど、実際上それだけ」
「本当のところは、すぅのしていることを隠す目的な訳だ。だから、色々話しても良いと思うんだ。優希は情報豊富だし、実里も。主李も努力家。竜樹も片寄ってるがすごいと思う」
日向は誉める。
きりっとした眼鏡の青年だが、気は優しく温かい。
「だから、時々会おうか」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫」
頷く5人に、主李は、
「じゃぁ、よろしくお願いいたします‼」
食事を終えた9人は案内された部屋で再び圧倒される。
「スッゴイ‼綺麗なお部屋‼」
優希は目を見開く。
「あ、そうそう。優希ちゃんに竜樹ちゃん。一緒にお風呂に行こう‼このプランは女の子特権なんだから‼」
糺はにこにこと笑う。
「私、妹いなかったから、二人が妹みたいで可愛いなぁって、一緒に行こう、ね?」
「は、はい‼」
二人は後を追うように出ていった。
「俺たちも行くか……」
日向の言葉に6人は大浴場に赴く。
「へぇ~凄いですね、これ」
あちこち見つつ、トコトコと近づいてくるのは水も滴る美少女である。
クルンクルンの栗色と言うよりも金色の髪と緑の瞳をしている。
「わーん。見えないよ~‼ゆーやぁどこー‼」
「えっ?穐斗さん?」
「あ、主李くん‼実里くんでも良いです‼見えないの、です。連れてってください」
ペコン、頭を下げる。
「ビックリした。もしかして目が悪いんですか?」
「うん。乱視と近視……コンタクトは合わなくてやめちゃった」
えへへと笑うさまは、同性とは思えないほど、可愛らしい。
「この髪フワフワなんですね」
「うん。天然パーマ。良くお母さんに整えなさいって言われるんだけど、うまくいかなくて……」
「整えたら、ものすごくモテるんじゃないですか?」
「う~ん……」
微妙な顔になる。
「実は、この髪と瞳は父方なの。余り……」
「あ、やっぱり染めてないんだ。綺麗だと思った」
実里は呟く。
「最近クラスメイトが髪を染めるのがいて……でも、ここまで綺麗じゃないなぁって」
「染めるときに、『ヘナ』って言う自然の染料があるからそれで染めると髪が痛まないよ。そう言えば、優希ちゃんは天然?」
「えっと……」
主李と実里は顔を見合わせる。
「実は、優希と竜樹は苛めにあって、優希はストレスで円形脱毛症どころかかなりばぁぁって抜けたんです」
「それが、去年の担任も苛めてて……昔は茶色っぽいまっすぐだったんですけど、今はあんな感じです」
「……酷いね‼」
きゅっと眉を寄せる。
「女の子の髪の毛が抜けちゃうくらい辛い思いして……でも、主李くんと付き合っているんでしょ?」
「え、は、はい……付き合い始めたばかりですが。俺も優希も部活で今忙しくて……それに受験だし……一緒に行けたら良いなぁって」
「え?どこに行くつもりなの?」
「あ、俺は……」
実里はこの街で最難関の高校を口にする。
同じく、主李はそれに近い高校を告げた。
「うわぁ……祐也と同じ高校だ」
「ん?どうした、穐斗」
「実里くん、祐也の卒業校受験するんだって」
「へぇ~頑張れよ」
にっこり笑う祐也に、
「エェェ!あの高校卒業ですか‼」
「あぁ。一応英語がTOEIC満点だったし……」
「凄いです‼是非合格の秘訣を教えてください‼」
燃える実里だった。
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