JKは俺の嫁
第1話 春田家の朝は早い
ちゃらちゃんちゃんちゃん♪ちゃん、ちゃらちゃんちゃんちゃん♪
という、スマホの軽快なアラーム音に加え、木製のドアを思いっきり叩く轟音が裕臣の耳朶を揺さぶった。さらに、
「ヒーローくーん、いい加減起きてー?朝ごはん片付かないから早くぅ♡」
甲高く甘ったるい声がドアの向こうから聞こえてくる。アイドル声優並みにかわいいウィスパーボイスなのに、含んでいるのは威圧と苛立ちだ。
ドア越しに伝わってくる奥さんの『さっさと起きないとどうなるか分かってるんだろうな』的な思念にビビり上がり、続柄的には旦那さんであるところの、しがないヒラサラリーマン「春田 裕臣」はブルブル震えながら飛び起きた。
「はい!はい起きます!だからお弁当を梅干しだらけにすんのはやめて!」
きっちりと身仕度を整え(奥さんは旦那がだらしない格好をするのを嫌がる)、裕臣がリビングに入るとテーブルにはホカホカの朝ごはんが用意されていた。
献立は日本の一般的な、ごはんに漬物、味噌汁とお浸しに鮭の塩焼きだった。どちらかといえば洋食が得意な奥さんは、裕臣が朝食は和食派なのを尊重して毎朝和食の朝ごはんを作ってくれる。忙しいのにきちんと出汁を取るところから作っているので、味噌汁は塩分控えめかつ上品な味付けだ。
漬物は自家製の上、鮭の塩焼きはかぼすまで添えてある。ここまでくると、もはや「朝ごはん」というレベルではない。
裕臣にこそ一番に食べてもらいたいのを分かっているため、彼は妻がちょっと強引に起こしてくるのにイライラしたことはない。なんだかんだで裕臣は奥さんが可愛いのだ。
「今日も理央のごはんは美味しいな!でも大変だろ?明日からは俺も手伝うよ」
「なに言ってるのー!ヒロくんの役目は毎日ちゃんとお仕事することでしょ!お家のことは私に任せてくださーい」
にっこりと素敵な笑みを浮かべて拒否し、彼女も席に座って食事を摂る。家を出るのは奥さんの方が早いので、しっかり味わって食べる裕臣とは逆に、口に無理矢理押し込む形でさっさと食べ終えると、手早く片付けし始める。
「あ、食べ終わったら食器を流しに置いといてね!じゃっ、行ってきまーす!」
制服のスカートをヒラリと翻し軽やかな足取りで、裕臣自慢の奥さんこと、華の女子高生「春田 理央」は颯爽と登校していった。
「……行ってらっしゃーい」
鮭の身をほぐしながら見送る彼は、スカートの裾から伸びる白い素足に見惚れてしまい、結局今日も家を出るのは遅刻ギリギリになってしまうのだった。
という、スマホの軽快なアラーム音に加え、木製のドアを思いっきり叩く轟音が裕臣の耳朶を揺さぶった。さらに、
「ヒーローくーん、いい加減起きてー?朝ごはん片付かないから早くぅ♡」
甲高く甘ったるい声がドアの向こうから聞こえてくる。アイドル声優並みにかわいいウィスパーボイスなのに、含んでいるのは威圧と苛立ちだ。
ドア越しに伝わってくる奥さんの『さっさと起きないとどうなるか分かってるんだろうな』的な思念にビビり上がり、続柄的には旦那さんであるところの、しがないヒラサラリーマン「春田 裕臣」はブルブル震えながら飛び起きた。
「はい!はい起きます!だからお弁当を梅干しだらけにすんのはやめて!」
きっちりと身仕度を整え(奥さんは旦那がだらしない格好をするのを嫌がる)、裕臣がリビングに入るとテーブルにはホカホカの朝ごはんが用意されていた。
献立は日本の一般的な、ごはんに漬物、味噌汁とお浸しに鮭の塩焼きだった。どちらかといえば洋食が得意な奥さんは、裕臣が朝食は和食派なのを尊重して毎朝和食の朝ごはんを作ってくれる。忙しいのにきちんと出汁を取るところから作っているので、味噌汁は塩分控えめかつ上品な味付けだ。
漬物は自家製の上、鮭の塩焼きはかぼすまで添えてある。ここまでくると、もはや「朝ごはん」というレベルではない。
裕臣にこそ一番に食べてもらいたいのを分かっているため、彼は妻がちょっと強引に起こしてくるのにイライラしたことはない。なんだかんだで裕臣は奥さんが可愛いのだ。
「今日も理央のごはんは美味しいな!でも大変だろ?明日からは俺も手伝うよ」
「なに言ってるのー!ヒロくんの役目は毎日ちゃんとお仕事することでしょ!お家のことは私に任せてくださーい」
にっこりと素敵な笑みを浮かべて拒否し、彼女も席に座って食事を摂る。家を出るのは奥さんの方が早いので、しっかり味わって食べる裕臣とは逆に、口に無理矢理押し込む形でさっさと食べ終えると、手早く片付けし始める。
「あ、食べ終わったら食器を流しに置いといてね!じゃっ、行ってきまーす!」
制服のスカートをヒラリと翻し軽やかな足取りで、裕臣自慢の奥さんこと、華の女子高生「春田 理央」は颯爽と登校していった。
「……行ってらっしゃーい」
鮭の身をほぐしながら見送る彼は、スカートの裾から伸びる白い素足に見惚れてしまい、結局今日も家を出るのは遅刻ギリギリになってしまうのだった。
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