シャッフルワールド!!

夙多史

用語資料集

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                   第一巻
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次元の門プレナーゲート
 無数に存在する異世界とランダムに繋がる扉。次空の歪みにより出現し、一般人には目視できない。なにかが門を通過する時、陽炎に似た空間の揺らぎや波紋が発生する。

◆異界監査局
 主に『次元の門』の監視、迷い込んできた異世界人の保護、異世界関係の被害の対処を行っている組織。表向きは異世界の技術等を取り入れて様々な物を制作しているグループ企業となっている。世界各地の『次元の門』が発生し易い地域に構えられ、各国に本局と複数の支局が存在する。それら全ての監査局を統括する機関もあるが、所在地は各国の本局長しか知らない。構成員は大きく監査官と監査局員の二種類に分かれる。監査官は現場にて直接『次元の門』を監視したり、発生した問題を臨機応変に対処する戦闘員。監査局員は監査官のサポートや異世界の研究、組織運営の全般的なことなどを行う非戦闘員である。

◆異獣
 異世界から『次元の門』と通って現れる獣のこと。

◆私立伊海学園
 主人公たちが通う学校。日本異界監査局が創設。その理念は、元の世界に帰れなくなった異世界人をこちらの世界に馴染ませることであり、多くの異世界人が通っている。山一つ丸ごと買い取って造られたので広大な敷地面積を所有し、敷地内には日本異界監査局の本局や研究機関、異世界人のみの教育機関など様々な施設がある。異世界人がなにか問題を起こさないために、異界監査官や監査局員が教師や生徒として紛れている。

◆言意の調べ
 言葉の通じない相手と意思疎通するための魔導具。ペンダント型やブレスレット型といったタイプがある。

◆現の幻想
 質量ある幻を出現させる魔導具。

◆人化の魔導具
 とても人間には見えない異形の姿をした〝人〟を、地球人と同じ姿に変化させる魔導具。

◆魔武具生成
 本作の主人公――白峰零児が持つ異能力の一つ。構造や性質さえ理解していれば右手に集中させた魔力を用いてナイフからミサイルまでどのような武具でも生成することが可能であるが、使用者のイメージだけでもある程度の『形』を具現させることはできる。しかしハーフの白峰零児は能力が劣化しており、武具が右手を離れると構成する魔力が乖離して消滅するため近距離武具しか生成できない。武具が大きく複雑になるほど生成する魔力消費量が増大する。また、小さく単純な武具でも込める魔力量を多くすればより強力になったりする。
――生成した武具――
・棍
・日本刀
・戦棍
・巨大ハンマー
・ナイフ
・大薙刀
・鉄槌
・スパイクド・クラブ
・カイトシールド
・斬馬刀
・グングニル(イメージのみで生成)
・ロンパイア
・オウル・パイク
・フレイル
・ライオットシールド
・クレイモア
・黒き滅剣(形のみ似せた武器)
・青龍偃月刀
・魔帝剣ヴァレファール(〝魔帝〟の炎を纏う異能武器)
・ハルベルト
・トゥ・ハンド・ソード
・野太刀
・神鉄変幻棍(〝不完全な生成〟による長さ・向き・太さを自在に変えられる武器)

吸力ドレイン
 白峰零児が持つ異能力の一つ。左手で触れた相手の魔力を吸収する。

◆黒炎
〝魔帝〟リーゼロッテ・ヴァレファールが自身の魔力を燃焼させて使用する高い攻撃力を秘めた炎。攻撃以外にも転移術や出納術として使用される。

◆魔工機械人形
 異世界イヴリアの魔帝城にてリーゼロッテの世話及び護衛を行っている人形機械。一見すると人間と区別できないほど精密に作られている。リーゼロッテの側近であるレランジェだけは特別製で、〝人〟と変わらない意志を持っている。

◆聖剣
 異世界ラ・フェルデに存在する特殊能力を持つ十二本の剣。王国が聖剣の所持者と認めた者は聖剣十二将と呼ばれ、全員が軍の将軍の地位にいる。聖剣は使用者の精神力を消費して力を発現させることができるが、相当な精神力の持ち主でない限り使用することはできない。セレスティナ・ラハイアン・フェンサリルが所有する聖剣ラハイアンは、攻撃性のある光を放つ槍のように長い超長剣である。

◆デュラハン
 スヴェン・ベルティルが操る機械仕掛けの首なし巨人。スヴェンの思念がリンクされ、それによって動作している。ドリル状の巨大槍が装備されており、地中を掘り進むことができる。

◆魔力還元術式
 使用した魔力を全て使用者に還元する術式。

◆魔力疾患
 魔力量が肉体の許容量を超えた時に起きる病気のようなもの。

◆イヴリア
 リーゼロッテとレランジェの出身世界。前魔帝であるアルゴス・ヴァレファールが世界を滅ぼしている。しかし人間は絶滅しておらず、アルゴス死後に安定した生活を取り戻しつつある。そんな中、魔帝打倒を掲げて新たなる支配者となることを目論む者もいる。

◆アストラリア
 法界院誘波の出身世界。詳細は不明。

◆ラ・フェルデ
 セレスティナの出身世界。世界そのものの名前ではなく、一国の名前のようである。

◆ラーゲルレイブ
 スヴェンの出身世界。地球よりも科学が発展している。

◆クッキングシーカー
 レランジェが愛読している週間料理雑誌。

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                   第二巻
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混沌の闇ケイオス・ダーク
 地球と同じ次元の別の空間に在る世界。この世界は空間の歪みに加えて、楕円形の〝穴〟となって開かれる。中はドロドロの闇が蠢き、その闇に触れたものは黒く侵蝕され、やがて消滅する。〝穴〟から漏れ出た闇のことを『混沌の闇』の〝影〟と呼ぶこともある。侵蝕に打ち勝ち、逆に『混沌の闇』の〝影〟を制御できるようになった者が影魔導師となる。〝穴〟は夜にしか開かない。

影魔導師かげまどうし
 周囲にある影に干渉し、繰り、練り、様々な力として行使することのできる人間。その全てが地球人とされている。周囲が暗ければ暗いほど操れる〝影〟の量が増えるため、主に活動は夜に行っている。ゾンビや吸血鬼のように強烈な光を浴びると気絶、もしくは死亡する。そのため全ての影魔導師は、日常生活に支障をきたさないよう光の影響を大幅に緩和する特殊な防護服を常に着用しなければならない。そんな影魔導師たちが集まって創られた組織が影魔導師連盟である。異界監査局が『次元の門』を監視するように、影魔導師連盟は『混沌の闇』を監視し、世界をその侵蝕から守っている。連盟には、『混沌の闇』に侵蝕された者を見つけた影魔導師が、その被侵蝕者の師となるという決まりがある。
――影魔導師の術――
出納キャシア……術者自身の影に物を入れたり、取り出したりする収納術。
縫合スティッチ……『混沌の闇』の〝穴〟を塞ぐ空間修復術。
封緘スィール……『混沌の闇』から漏れ出た〝影〟の侵蝕を堰き止める結界術。
飛行フライ……背中に反重力効果を持つ〝影〟の翼を出現させて宙に浮かぶ飛翔術。
転移ムーブ……〝繋がった状態の影〟という範囲内を移動する転移術。
束縛チェイン……帯状や鎖状の〝影〟で相手を拘束する捕縛術。
付加アド……炎や雷といった性質を〝影〟に持たせて武器や人体に付加させる攻撃術。
構築ビルド……武器などの物質を〝影〟から作り出す創造術。

◆祝ノ森リゾートガーデン
 山間に位置する、日本の城と城下町をモチーフとした温泉地。城風の旅館・ジャングルスパ・温泉街などで構成され、レジャー施設や他の宿泊施設も充実している。城風旅館の裏手には深い森が広がっており、秘湯もいくつか存在するらしい。法界院誘波のお気に入りの温泉地である。

影霊レイス
『混沌の闇』から出現する異獣。通常の生物とは異なり、『混沌の闇』の〝影〟で構成された意識集合体のような存在。

黒き滅剣ニゲルカーシス
 影魔導師・迫間漣が使う漆黒の大剣。〝影喰み〟という『混沌の闇』の〝影〟を吸収して力に変換できる能力を秘めている。

歪震わいしん
 次空が大きく歪んだ際に〝元へ戻ろうとする力〟が働くことで生じる空間振動のこと。一般人には地震との区別はつかないが、歪みを感知できるタイプの異界監査官には感覚的にわかる。二次災害として『次元の門』が大量発生することがある。

◆次元の柱
 世界の構成を安定させる大黒柱のようなもの。これが破壊されると、次元の壁が崩壊し様々な異世界が逆流すると言われている。

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                   第三巻
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◆監査官対抗戦
 年に一度、伊海学園学園祭と同時期に開催される異界監査局の武闘大会。賞品が豪華であり、優勝者を出した局には莫大な支援金が払われるなどといった理由から大勢の腕自慢が集う。予選はその年その年で形式が異なっているが、本選は決まって異界監査局が所有する大闘技場で行われる。この大闘技場は少々特殊な土地に建設されているため、普段は封印が施されている。

狐妖術こようじゅつ
 双子の半狐人姉妹――リャンシャオとチェンフェンが扱う術。物体を異空間に出し入れしたり、分身や変身などで主に相手を翻弄する術。

刻印魔術師こくいんまじゅつし
 日本異界監査局第六支局のルノードの肩書き。形の有無に問わず様々な物に術式を刻み、使役する魔術師。刻印術には手間暇がかかるため、実戦で使用するためには前もって準備が必要。

吸魂きゅうこんの魔眼
 日本異界監査局第六支局のラシュリーが持つ魔眼。見詰め合った相手の魂を問答無用で抜き取る。抜き取った魂は体内に保管することも可能。

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