異世界の村で始める獣人とのハーレム生活
第24話兎の国のお姫様 前編
謎のノイズが頭を流れたものの、気にする事ではなかったのでこの海底都市を二手に別れて探索する事に。
「これだけ広いと、一日じゃ探索するのは難しいよな」
「今まで私達は何度か来ているんだけど、まだ全部調べ切れていないくらいだからね」
「でもなんというか、こういう所って歴史みたいなのを感じるよな」
「あ、それ私も分かるかも」
俺達のグループは、俺とルチリアと雫の三人。俺と雫は、この都市の神秘さに思わず言葉を漏らしてしまう。それほど、この場所は素晴らしいものだった。
「でもここが魔物と関わっている可能性があるって考えると、少し怖いよな」
「私も疑ったんだけど、それは歴史が証明しているし、それに」
「それに?」
「私達も目の当たりにしてるの、その惨状を」
「そう.……なのか?」
「うん……」
何か思い出したくない事でもあったのか、ルチリアは少しだけ顔をしかめた。ルチリアが知っているという事は、そんなに昔の話でもないのかもしれない。
ザザッ
『ごめんね、こんなお母さんで……』
『お母さん! お母さん!』
『本当にごめ……んなさい……』
俺に何かの情報を与えようとしているのか、再び頭の中にノイズとともに声が入ってくる。それが誰と誰なのかは分からない。
「楓? どうしたのまたボーッとして」
「いや……何でもない」
さっきのは気にする事ではないとスルーしていたが、それが二度も起きたとしたらそれは無視ができないない。
(何なんださっきから)
断片的なものでしかないが、俺の耳に入ってくるのはこの神殿にも関係するのだろうか。でもだとしたら、あの声は……。
『答えを知りたければ、この海底都市の中にある神殿の真なる場所へ来るがよい』
突然俺の疑問に答えるかのように声が聞こえる。ルチリアと雫が反応していない所を見ると、聞こえているのは俺だけらしい。
「神殿の真なる場所?」
「どうかしたのカエデ君」
「ルチリア、この海底都市の中に神殿ってあるのか?」
「ううん。私そんなの聞いた事ないけど」
「でもまだ調べてないだけとかじゃ」
「確かに詳しくは調べきれてないから、断言はできないけど、どうしたの突然」
「いや、一応聞いてみただけ」
なんか声を聞いたとは言えないので、俺はそう答えた。今の声が本当なのかも分からないけど、何かの手がかりにはなるかもしれない。
(全ての元凶とも言える都市と、その中にあると思われる神殿。そしてあの声とノイズ……何かありそうだな)
色々気になる事ばかりが残っているがらこの日の探索ではその手がかりを見つける事はできなかった。でももし、そこに何かあるとしたら、
(カグヤの言っていた事と何か関係あるのかもな)
俺の母親が獣人の可能性があるというあの話と、俺だけに聞こえるあれが何かで繋がっているなら、今度は一人だけでも調べてみる価値はあるのかもしれない。
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
それから二日後、俺はフォルナと二人で村から出て久しぶりに島の海岸沿いにある街(以前カグヤと出会う事になった場所)へとやって来ていた。
「何かお前と二人きりで来るって、変な話だな」
「でもこの前のお礼」
「そんな事しなくてもいいんだけどな」
朝に突然フォルナがこの前の事でお礼したいと言い出したので、二人でここに来たのだが別に俺お礼されるような事してないような気がする(意外と真面目な話)。
「あとカエデに紹介したい人がいる」
「紹介したい人? ほとんど遺跡暮らしだったお前が?」
「別に遺跡から一切出てないとは言ってない」
「あ、まあそうだけどさ」
俺とフォルナが立ち寄ったのは街の中にある市場みたいな場所。多くの獣人達が歩いている中で、人間の俺が歩いているだけでかなり浮いているのだが、この市場も多くの買い物客がいて尚のこと歩きにくい。
「買いたいものがあったら言って」
「って言われても、俺じゃあ売ってももらえないんじゃないか?」
「大丈夫、買うのは私だけだから」
「それならいい、のか?」
フォルナに勧められがまま、買い物を試みてみる。相変わらず周りからの視線が痛いのだが、品揃えは珍しいものばかりが並んでいて興味を惹かれる。
「やっぱり品揃えが違うな」
「何か買いたいもの見つかった?」
「いや、もう少し見させてくれ」
沢山の珍品達を吟味していると、
「あ、あの」
「ん?」
誰かから声をかけられた。振り返るとうさ耳の少女が俺の背後に立っていた。
(ウサギの少女、というよりバニーガー……げふんげふん)
「あなたはその、人間の方ですよね?」
「え、ま、まあそうだけど」
「実はあなたにお話がしたいんです」
「お、俺?」
周囲を見回してフォルナを探すが、姿な見当たらない。何で馬なのに見つけにくいんだよ。
「おいおい、あのウサギって……」
「まさか……じゃないわよね」
周りの獣人達のヒソヒソ話が耳に入る。何だなんだ、この兎有名人なのか?
「とりあえず来てもらえませんか」
「お、おう」
俺は兎に言われるがままに人混みを抜け出して、誰もいないところまで連れて行かれる。
「それで話って何だよ」
「私を匿ってくれませんか? 数日だけでいいので」
「匿う? 誰かに命でも狙われているのか?」
「詳しくは後で説明しますから、お願いします!」
「別に匿うのはいいけど……何故に俺?」
いきなりの頼み事に困っていると、フォルナが俺を見つけてやって来る。
「あ、カエデそこにいたんだ。あれ、そこにいるの」
「あー! フォルナちゃん!」
兎の少女はフォルナを見ると飛びついた。それをフォルナはしっかりと受け止める。
「モカ、久しぶり」
「もう、しばらく会えないからどうしたのかなって思ったよ」
どうやら兎の少女はモカというらしく、二人は再会を喜びあっていた(フォルナはいつもと変わらないように見えるけど)。
「もしかしてフォルナが俺に会わせたいのって」
「うん。モカの事。カエデ最近悩んでばかりだったからずっと」
「でも悩みとこの子にどういう関係が?」
「この子ここから少し離れた島にある王国の、お姫様。だから何か情報を手に入れるのに役立つと思った」
「へ?」
お姫様? あのおとぎ話とかに出てくるようなあれ。
「初めまして。私はラビリンズ王国の第十代王女、モカと言います」
フォルナに言われて改めて挨拶するモカ。
「え、えぇぇぇ!」
どうりで噂話が絶えないわけだ。てか、匿ってほしいってもしかして……。
「俺に王女様を守ってほしいってことか?」
「はい。私の王子様」
そんなのできるわけあるか!
「これだけ広いと、一日じゃ探索するのは難しいよな」
「今まで私達は何度か来ているんだけど、まだ全部調べ切れていないくらいだからね」
「でもなんというか、こういう所って歴史みたいなのを感じるよな」
「あ、それ私も分かるかも」
俺達のグループは、俺とルチリアと雫の三人。俺と雫は、この都市の神秘さに思わず言葉を漏らしてしまう。それほど、この場所は素晴らしいものだった。
「でもここが魔物と関わっている可能性があるって考えると、少し怖いよな」
「私も疑ったんだけど、それは歴史が証明しているし、それに」
「それに?」
「私達も目の当たりにしてるの、その惨状を」
「そう.……なのか?」
「うん……」
何か思い出したくない事でもあったのか、ルチリアは少しだけ顔をしかめた。ルチリアが知っているという事は、そんなに昔の話でもないのかもしれない。
ザザッ
『ごめんね、こんなお母さんで……』
『お母さん! お母さん!』
『本当にごめ……んなさい……』
俺に何かの情報を与えようとしているのか、再び頭の中にノイズとともに声が入ってくる。それが誰と誰なのかは分からない。
「楓? どうしたのまたボーッとして」
「いや……何でもない」
さっきのは気にする事ではないとスルーしていたが、それが二度も起きたとしたらそれは無視ができないない。
(何なんださっきから)
断片的なものでしかないが、俺の耳に入ってくるのはこの神殿にも関係するのだろうか。でもだとしたら、あの声は……。
『答えを知りたければ、この海底都市の中にある神殿の真なる場所へ来るがよい』
突然俺の疑問に答えるかのように声が聞こえる。ルチリアと雫が反応していない所を見ると、聞こえているのは俺だけらしい。
「神殿の真なる場所?」
「どうかしたのカエデ君」
「ルチリア、この海底都市の中に神殿ってあるのか?」
「ううん。私そんなの聞いた事ないけど」
「でもまだ調べてないだけとかじゃ」
「確かに詳しくは調べきれてないから、断言はできないけど、どうしたの突然」
「いや、一応聞いてみただけ」
なんか声を聞いたとは言えないので、俺はそう答えた。今の声が本当なのかも分からないけど、何かの手がかりにはなるかもしれない。
(全ての元凶とも言える都市と、その中にあると思われる神殿。そしてあの声とノイズ……何かありそうだな)
色々気になる事ばかりが残っているがらこの日の探索ではその手がかりを見つける事はできなかった。でももし、そこに何かあるとしたら、
(カグヤの言っていた事と何か関係あるのかもな)
俺の母親が獣人の可能性があるというあの話と、俺だけに聞こえるあれが何かで繋がっているなら、今度は一人だけでも調べてみる価値はあるのかもしれない。
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それから二日後、俺はフォルナと二人で村から出て久しぶりに島の海岸沿いにある街(以前カグヤと出会う事になった場所)へとやって来ていた。
「何かお前と二人きりで来るって、変な話だな」
「でもこの前のお礼」
「そんな事しなくてもいいんだけどな」
朝に突然フォルナがこの前の事でお礼したいと言い出したので、二人でここに来たのだが別に俺お礼されるような事してないような気がする(意外と真面目な話)。
「あとカエデに紹介したい人がいる」
「紹介したい人? ほとんど遺跡暮らしだったお前が?」
「別に遺跡から一切出てないとは言ってない」
「あ、まあそうだけどさ」
俺とフォルナが立ち寄ったのは街の中にある市場みたいな場所。多くの獣人達が歩いている中で、人間の俺が歩いているだけでかなり浮いているのだが、この市場も多くの買い物客がいて尚のこと歩きにくい。
「買いたいものがあったら言って」
「って言われても、俺じゃあ売ってももらえないんじゃないか?」
「大丈夫、買うのは私だけだから」
「それならいい、のか?」
フォルナに勧められがまま、買い物を試みてみる。相変わらず周りからの視線が痛いのだが、品揃えは珍しいものばかりが並んでいて興味を惹かれる。
「やっぱり品揃えが違うな」
「何か買いたいもの見つかった?」
「いや、もう少し見させてくれ」
沢山の珍品達を吟味していると、
「あ、あの」
「ん?」
誰かから声をかけられた。振り返るとうさ耳の少女が俺の背後に立っていた。
(ウサギの少女、というよりバニーガー……げふんげふん)
「あなたはその、人間の方ですよね?」
「え、ま、まあそうだけど」
「実はあなたにお話がしたいんです」
「お、俺?」
周囲を見回してフォルナを探すが、姿な見当たらない。何で馬なのに見つけにくいんだよ。
「おいおい、あのウサギって……」
「まさか……じゃないわよね」
周りの獣人達のヒソヒソ話が耳に入る。何だなんだ、この兎有名人なのか?
「とりあえず来てもらえませんか」
「お、おう」
俺は兎に言われるがままに人混みを抜け出して、誰もいないところまで連れて行かれる。
「それで話って何だよ」
「私を匿ってくれませんか? 数日だけでいいので」
「匿う? 誰かに命でも狙われているのか?」
「詳しくは後で説明しますから、お願いします!」
「別に匿うのはいいけど……何故に俺?」
いきなりの頼み事に困っていると、フォルナが俺を見つけてやって来る。
「あ、カエデそこにいたんだ。あれ、そこにいるの」
「あー! フォルナちゃん!」
兎の少女はフォルナを見ると飛びついた。それをフォルナはしっかりと受け止める。
「モカ、久しぶり」
「もう、しばらく会えないからどうしたのかなって思ったよ」
どうやら兎の少女はモカというらしく、二人は再会を喜びあっていた(フォルナはいつもと変わらないように見えるけど)。
「もしかしてフォルナが俺に会わせたいのって」
「うん。モカの事。カエデ最近悩んでばかりだったからずっと」
「でも悩みとこの子にどういう関係が?」
「この子ここから少し離れた島にある王国の、お姫様。だから何か情報を手に入れるのに役立つと思った」
「へ?」
お姫様? あのおとぎ話とかに出てくるようなあれ。
「初めまして。私はラビリンズ王国の第十代王女、モカと言います」
フォルナに言われて改めて挨拶するモカ。
「え、えぇぇぇ!」
どうりで噂話が絶えないわけだ。てか、匿ってほしいってもしかして……。
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