異世界の村で始める獣人とのハーレム生活
第56話悲劇の幕開く
翌日、まずはラビリンズ王国の事を知るために、俺とルチリアとモカの三人でかつて利用した、例の書庫がある島へとやって来ていた。
「ここに来るのも久しぶりだな」
「すごい、こんな書庫がある島があるなんて驚きです」
「ここから色々始まったのよね」
「ああ」
少し前の出来事だというのに、どこか懐かしさがある。ここでカグヤさんに色々話をされて、ルチリアの秘密も知ることになった。あの時丁度調べていたのは、自分達の両親事だっけ。
「でも私思ったのですが、ラビリンズ王国についてここで調べなくても、私が色々教えますよ」
「まあそれが一番簡単な話だけど、モカが知らない事だってあるかもしれないだろ?」
「確かに私は王女になってから日は深くないですが」
ともかく書庫に入る事の許可を取って俺達は中に入る。この島にある書庫は、多分日本でも見れないほどの大きさのものだ。俺も初めて来た時はかなり驚かされたけど、二度目となる今日もやはり衝撃は大きい。
「うわすごい本の量ですね。ここなら丸一日いられますね」
「俺とルチリアはこの書庫に一週間近くいたけどな」
「い、一週間ですか?」
正確にはルチリアが最初一人で調べ物をしていて、俺が彼女を探してここまでやって来た。で、俺も一緒に彼女と調べ物をするという形になった。
「まずはその本を探す事から始めないとな」
「私少しだけ見覚えがあるから、その辺りを漁ってみるね」
「じゃあ私はあちらを」
各々が目的の内容が載っている本を探し始める。書庫の大きさが大きさなだけに、上の方の資料は梯子とかを使わないと探せないので、結構気をつけて探さないと危ない。
「きゃあ」
ほら、言わんこっちゃない。
「大丈夫かモカ」
「何とか……。あれ、何か本が落ちてきましたね」
モカが落ちた衝撃で、本棚から一冊の本が落ちてきた。モカはそれを手に取ると、えって声を上げた。
「何でこの本がここに……」
「どうかしたかモカ」
「あ、えっと一応ラビリンズ王国に関する本なんですが、この本本来なら外部に出てはいけないものなんです」
そう言ってモカは本を俺に渡してくる。一見すると普通の郷土本に見えるが、これが何故外部に出てはいけないものなのか分からない。
「見た感じ郷土本みたいなものだけど、何か別の意味があるのか?」
「その郷土本の表紙はフェイクなんです。こうやってカバーを取るとほら」
カバーを取って改めて俺に渡す。そこに書いてあったのは、
「ラビリンズ王国の地下に眠る地底遺跡の記録?」
「はい。本来この情報を知っているのは王家の血を継ぐものだけなんです。ですからこの本は私達の城の書斎に眠っていて、尚且つ他の者に分からないように偽物の表紙を被せておいたんです」
「なるほど、でもどうしてそんな代物がこの島にあるんだ?」
「分かりません。私がラビリンズ王国にいる時は、ちゃんと保管されていたのをこの目で確認しています。なのでもし仮に誰かの手によって盗まれたものなら」
とそこまで話したところでモカが何かに気がつく。
「あれ、ルチリアさんは?」
「え? 確か身に覚えがある本があるものがあるからそれを探して、別行動しているはずだけど」
先程から会話に参加していないと思ったら、ルチリアの姿がどこにもない事に気がつく。
「ルチリア?」
■□■□■□
書庫の中を探してもルチリアの姿はなく、外を見ても彼女の姿はなかった。
「どうしたんだあいつ」
「カエデ君、こちらへ来てください」
「どうしたモカ」
モカに呼ばれて俺は彼女の元へ向かう。モカがいたのは先程ルチリアが調べようとしていた本棚の付近。そこにあったのは真新しい血。もしこれがルチリアのものだとしたら、それは……。
「これは、まさか」
「カエデ君、急いで探しましょう。何か嫌な予感がします」
急いで俺とモカは辺りを探す。時間は経過してないはずだ。仮に誘拐とかだったら、島の中にいるはず。
「きやぁぁ」
だが俺の予想は外れる。モカの悲鳴が書庫から上がったのだ。
「何があったモ……カ?」
俺はモカに声をかけ終わる前に、それに気がついた。モカの視線の先にあったのは、梯子に登っている途中で誰かに刺されたのか、一本の槍で胸辺りを貫かれているルチリアの姿が。槍は体を貫通して、本棚に刺さっているため、ルチリアの体は落ちてきていない。
「ルチリアぁ!」
俺は急いで梯子を登り、ルチリから槍を抜き、彼女と共に梯子を降りる。息は……。
「う、嘘だろ」
「ルチリアさ……ん?」
「モカ、すぐに誰でもいいか呼んでこい。まだ可能性はある」
「は、はい」
「いそげ!」
モカに誰かを呼ばせに向かわせ、俺はルチリアの治療をする。心臓マッサージや人口呼吸、出来る限りの事を尽くす。こんな所でルチリアが死ぬなんてそんなの嫌だ。絶対に、絶対に。
「ルチリア、生きろ! 絶対にこんな所でお前を死なせない! 頼むルチリア」
俺は一心不乱で彼女に蘇生術を施した。
「カエデ君、人を呼んできました」
俺が心臓マッサージをしている間にモカが医者の人を呼んできて、書庫から彼女の体を運び出す。俺は彼女が治療室へ向かうまでずっと、彼女の名前を呼び続けた。
「ルチリア、ルチリア!」
そしてルチリアが運び込まれ、俺とモカは入口で二人取り残される。
「とりあえずここに医者がいてくれたのが幸いでしたが」
「ルチリア……頼むから無事でいてくれ」
「カエデ君……」
治療室の扉は夜明けまで開かれることはなかった。
「ここに来るのも久しぶりだな」
「すごい、こんな書庫がある島があるなんて驚きです」
「ここから色々始まったのよね」
「ああ」
少し前の出来事だというのに、どこか懐かしさがある。ここでカグヤさんに色々話をされて、ルチリアの秘密も知ることになった。あの時丁度調べていたのは、自分達の両親事だっけ。
「でも私思ったのですが、ラビリンズ王国についてここで調べなくても、私が色々教えますよ」
「まあそれが一番簡単な話だけど、モカが知らない事だってあるかもしれないだろ?」
「確かに私は王女になってから日は深くないですが」
ともかく書庫に入る事の許可を取って俺達は中に入る。この島にある書庫は、多分日本でも見れないほどの大きさのものだ。俺も初めて来た時はかなり驚かされたけど、二度目となる今日もやはり衝撃は大きい。
「うわすごい本の量ですね。ここなら丸一日いられますね」
「俺とルチリアはこの書庫に一週間近くいたけどな」
「い、一週間ですか?」
正確にはルチリアが最初一人で調べ物をしていて、俺が彼女を探してここまでやって来た。で、俺も一緒に彼女と調べ物をするという形になった。
「まずはその本を探す事から始めないとな」
「私少しだけ見覚えがあるから、その辺りを漁ってみるね」
「じゃあ私はあちらを」
各々が目的の内容が載っている本を探し始める。書庫の大きさが大きさなだけに、上の方の資料は梯子とかを使わないと探せないので、結構気をつけて探さないと危ない。
「きゃあ」
ほら、言わんこっちゃない。
「大丈夫かモカ」
「何とか……。あれ、何か本が落ちてきましたね」
モカが落ちた衝撃で、本棚から一冊の本が落ちてきた。モカはそれを手に取ると、えって声を上げた。
「何でこの本がここに……」
「どうかしたかモカ」
「あ、えっと一応ラビリンズ王国に関する本なんですが、この本本来なら外部に出てはいけないものなんです」
そう言ってモカは本を俺に渡してくる。一見すると普通の郷土本に見えるが、これが何故外部に出てはいけないものなのか分からない。
「見た感じ郷土本みたいなものだけど、何か別の意味があるのか?」
「その郷土本の表紙はフェイクなんです。こうやってカバーを取るとほら」
カバーを取って改めて俺に渡す。そこに書いてあったのは、
「ラビリンズ王国の地下に眠る地底遺跡の記録?」
「はい。本来この情報を知っているのは王家の血を継ぐものだけなんです。ですからこの本は私達の城の書斎に眠っていて、尚且つ他の者に分からないように偽物の表紙を被せておいたんです」
「なるほど、でもどうしてそんな代物がこの島にあるんだ?」
「分かりません。私がラビリンズ王国にいる時は、ちゃんと保管されていたのをこの目で確認しています。なのでもし仮に誰かの手によって盗まれたものなら」
とそこまで話したところでモカが何かに気がつく。
「あれ、ルチリアさんは?」
「え? 確か身に覚えがある本があるものがあるからそれを探して、別行動しているはずだけど」
先程から会話に参加していないと思ったら、ルチリアの姿がどこにもない事に気がつく。
「ルチリア?」
■□■□■□
書庫の中を探してもルチリアの姿はなく、外を見ても彼女の姿はなかった。
「どうしたんだあいつ」
「カエデ君、こちらへ来てください」
「どうしたモカ」
モカに呼ばれて俺は彼女の元へ向かう。モカがいたのは先程ルチリアが調べようとしていた本棚の付近。そこにあったのは真新しい血。もしこれがルチリアのものだとしたら、それは……。
「これは、まさか」
「カエデ君、急いで探しましょう。何か嫌な予感がします」
急いで俺とモカは辺りを探す。時間は経過してないはずだ。仮に誘拐とかだったら、島の中にいるはず。
「きやぁぁ」
だが俺の予想は外れる。モカの悲鳴が書庫から上がったのだ。
「何があったモ……カ?」
俺はモカに声をかけ終わる前に、それに気がついた。モカの視線の先にあったのは、梯子に登っている途中で誰かに刺されたのか、一本の槍で胸辺りを貫かれているルチリアの姿が。槍は体を貫通して、本棚に刺さっているため、ルチリアの体は落ちてきていない。
「ルチリアぁ!」
俺は急いで梯子を登り、ルチリから槍を抜き、彼女と共に梯子を降りる。息は……。
「う、嘘だろ」
「ルチリアさ……ん?」
「モカ、すぐに誰でもいいか呼んでこい。まだ可能性はある」
「は、はい」
「いそげ!」
モカに誰かを呼ばせに向かわせ、俺はルチリアの治療をする。心臓マッサージや人口呼吸、出来る限りの事を尽くす。こんな所でルチリアが死ぬなんてそんなの嫌だ。絶対に、絶対に。
「ルチリア、生きろ! 絶対にこんな所でお前を死なせない! 頼むルチリア」
俺は一心不乱で彼女に蘇生術を施した。
「カエデ君、人を呼んできました」
俺が心臓マッサージをしている間にモカが医者の人を呼んできて、書庫から彼女の体を運び出す。俺は彼女が治療室へ向かうまでずっと、彼女の名前を呼び続けた。
「ルチリア、ルチリア!」
そしてルチリアが運び込まれ、俺とモカは入口で二人取り残される。
「とりあえずここに医者がいてくれたのが幸いでしたが」
「ルチリア……頼むから無事でいてくれ」
「カエデ君……」
治療室の扉は夜明けまで開かれることはなかった。
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