E.P.O〜エルフのパパになった俺~

りょう

第2話 ルシアとローナと親友二人

第2話 ルシアとローナと親友二人
1
とりあえずまずは、姉妹について説明しよう。先程からずっと俺と話しているのは、姉妹の姉であるルシア。そしてあまり人見知りが激しいのか、恥ずかしくていつもルシアの後ろにいるちっちゃな子供がローナ。正直二人の年は分からないのだが、まだ子供なのは確かだ。

「じゃ、俺は今日から大学だから、家の事は頼んだぞ」

「行ってらっしゃいパパ」

「行ってらっしゃい…」

GWが明けたので、今日から俺も普段通りの生活に戻る。その為、二人は家に残ってもらうんだが、ルシアがしっかり者なのか、家事全般の仕事をよくやってくれる。一つ難点なのは料理なのだが、その事についてはまた後ほど触れるとしよう。

大学に到着するとすぐに、親友の一人、坂上陽介がひっついてきた。

「おっす雄一、元気にしてたか? 俺はお前に会えなくて寂しくて寂しくて…」

「ひっつくな、気持ち悪い」

「親友に向かってそれは酷いぞ!」

「事実だから仕方がないだろ!」

「なにぉぉ」

とまあ、朝から喧嘩越しの俺達だが、その仲裁役が一人いる。

「おはよう雄一君、朝からうちの弟が迷惑をかけてごめんなさいねぇ」

「いてて、耳を引っ張るなよ姉貴」

「そうでもしなきゃ、あなた離れないでしょ? 分かったら離れなさい」

「断る!」

「は・な・れ・な・さ・い」

「ひ、ひぃぃ」

それはもう一人の親友、坂上柚木、陽介の姉だ。双子らしいのだが、性格が真逆で恐らく二卵性双生児だと思われる。

「助かったよ柚木。こいつしつこくてさ」

「ごめんなさいね雄一君。ウチの弟は彼女ができなくて嘆いているのよ。だから面倒臭いけど、相手してやってね」

「あ、ああ」

姉に余計な事を心配される弟って一体…。

「それよりさお前、本当にGW中見かけなかったけど、どこか出かけてたのか?」

「ん? 別にそういう訳じゃないけど、ちょっと色々あってな」

「色々ってなんだよ」

「エルフが異世界から俺の家にやってきた」

「は?」

「え?」

「ただそれだけの事だから、気にするな」

「待て待て、そんなのサラッと言うなよ。どうせ嘘なんだろ?」

「いや本当だよ。よかったら今日、家に来てみるか?」

「ほ、本当なの?」

「ああ。来てみれば分かる」

俺をパパと呼んでるけどな。
2
てな訳で放課後、

「き、緊張するな」

「わ、私も緊張する」

「そんなガチガチにならなくても大丈夫だって。ほら、入るぞ」

陽介と柚木を連れて帰宅。家の扉を開けると真っ先にやって来たのはルシア、ローナは遠くからこっちを見ている。

「ただいま」

「おかえりなさいパパ」

『ぱ、パパ〜?!』

そんなに驚くなよ。
                                                                 続く

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