魔法少女はロジカルでマジカルに
春日木葉
「うわぁ。どうしたの?その顔?」
場所は、僕の自宅の目の前。一人の少女に驚かれていた。
「顔?顔に何かついてるのかい?」
「目と鼻と口が残っているのが、逆に凄いって思うくらいに痛々しい事になってるよ」
「それほどなの!? ついさっき、新しく友達になった奴と殴りあったからなぁ」
「新しい友達と殴り合うって変態的な趣味でもある?」
「いや、君との初対面の時に君の方が『立ち会え』って言っていた記憶があるけどね」
「おぉ!? まさかの逆転変態さんだ!?」
そう、少女の名前は風のコンカ。かつて戦った魔法少女だ。
最初はボーイッシュで少年と間違った彼女。現在は年相当の少女らしさを持っている。
出会った頃は服装は、野球帽にTシャツ&短パンといったものだったが、今は長くなった髪をまとめ、ワンピースを着こなしている。もう、性別を間違われる事はないだろう。
毒が抜けたと言うか、垢抜けたといった感じだ。
僕と戦ってる時も、徐々に言葉遣いが女の子ぽく変化していた。本来はこういう風貌が彼女が望んでいた姿なのかもしれない。
現在は〈日本〉に住み、春日木葉と〈日本名〉を名乗っている。
「それじゃまた後で」
「また後で」
適当な所で世間話に終止符をうち、コンカは自宅へと帰っていた。
なぜ、彼女が僕の自宅前にいたのか?そう疑問に思うかもしれないが、彼女が移住した場所は僕の家から3件隣のアパートだ。
要するに僕とコンカの関係はご近所さんなのだ。
さて、どうしてこうなったのか?
それを説明するには、〈ニホン〉総内閣理大臣 天堂任との戦いから話さなければなるまい。
あの日、コンカを連れ戻しに現れた彼。ラスボスは、僕と彼女・・・・・・ 尾形真理を圧倒的な力量差をもって蹂躙した。
成すすべもなく敗れた僕ら。それに対して、天堂任の行動は予想外だった。
〈日本〉を侵略するために送り込んだ兵器であるコンカの回収を放棄。
意識を失った尾形真理を、自分の娘である尾形真理を、抱き抱えて帰っていったのだ。
これをどう判断するべきか?
一国の首相である前に、一人の父親として、娘を迎えに来た。
そう考えるほど、暢気な人間はいないだろう?
そうあってほしいと願う人間はいるだろうけれども・・・・・・
あくまで僕は尾形真理の協力者。こちら側に不慣れな彼女をサポートしてた人物に過ぎない。
そんな僕が1人で残されて、何ができたというのだろうか?
何もバックホーンを持たず、何もできず、何もしなかった。
そんな自分が許せなく、憤りが残っていた。
僕が運が残されていたのは、尾形真理が所属していた組織との僅かな縁。
僅かな縁を手繰り寄せ、今、ここにいる。
僕は、再び尾形真理に会うため、〈日本〉のいる残りのテロリスト。
残りの魔法使いを狩る存在になったのだ。
そして、今日・・・・・・
この〈日本〉に潜む、新手の魔法使いの情報が伝わってきた。
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