今日お姫様始めました

りょう

第41話 ユウvsミッシェル

   第41話 ユウvsミッシェル
1
今彼女を救えるのは俺しかいない。
「にしても、すごい殺気だな」
これが鬼の力なのか? 普通の人間だったら立っていられる事すらできない。でも俺は、こんな所では怖気つかない。そう、俺は精神面は相当鍛えられたからだ。特殊な環境での生活の中で、精神は相当鍛えられた。だから、こんなので俺は屈しない。
「邪魔者…消す」
「俺は邪魔者じゃないってのわっ!」
な、何だ今のは?
「お前、その手に持っているのは…」
何だあの馬鹿でかい刀は。もしかして今のは斬撃?
「げっ!」
切った先をみると、城の時計台みたいなものが真っ二つに切れていた。
「これはマジでヤバイかもな…」
目には目を、刃には刃をと行きたい所だが、俺は武器なんて持っていない。それでも俺は、
「うぉぉぉぉ」
俺はミッシェルに殴りかかった。
絶対目覚めさせてやるからな。
2
ミッシェルさんが向かった後の屋上の様子がどうも変だった。あのマルーシャの姿はどこにも見当たらない。それどころか姫の姿も。まさかとは思うが、上で何か大きな事が起きているのかもしれない。例えば…
「それが本当に起きているとしたら、姫が危ない!」
急がなきゃ。姫とミッシェルさんの身が危険だ。
「待つんやステラ」
「何で止めるんですかアルクさん、二人が危険かもしれないんですよ?」
「一度信じるって決めたんやろ? だったら二人を信じるんや!」
「っ!」
そうだった。私が信じないで誰が信じる。姫なら…いや彼ならきっとミッシェルさんに何が起きても、止められるはず。私はそれを信じながら待てば…。
グサッ
「え…?」
なにかが刺さった。私の胸あたりに、これは…矢?
「ステラ!」
アルクさんの叫び声が遠くから聞こえる。あれ、こんなに近くにいるのに、何で遠くに…。
「あかん…死ぬんやない、す……」
ついには何も聞こえなくなる。声も、風の音も。剣と剣が混じり合う音も。
もしかして私、死ぬの?
3
「はぁ…はぁ…」
強すぎる。これが鬼の力…。全く歯が立たない。
「これでお終い……」
目の前に刀を振り上げたミッシェルがいる。万事休すか…。
「ステラぁぁ」
その時、どこからかアルクさんの叫び声が聞こえる。
ステラに何かあったのか?
「す…て……ら?」
同時にミッシェルに異変が起きる。ステラって言葉に反応したのだろう。
「今しかない!」
俺は最後の力を振り絞り、ミッシェルに一撃を与える。
「うぉぉぉ、目を覚ませミッシェルぅぅ」
頼むからこれで、目を覚ましてくれミッシェル!
                                                                続く

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