転生ヒロイン、今日もフラグを折るために奮闘する
フラグその5 バルト二世
そんなこともあり、すぐさま神殿へと連れていかれた。
そこで「闇の巫女」と対面することになった。
予想を大きく裏切る、女性だ。
「うふふふ。あなたがアーデルヘイトちゃんね。私は当代の闇の巫女。よろしく!」
黒髪にこげ茶の瞳は、日本人を彷彿とさせる。
「ねねね。神殿に入っちゃわない?」
「……は?」
「そうすれば光属性の男女は選り取り見取り! 好きな相手をパートナーにできるのよ!!」
そんなフラグは要らん! アーデルヘイトは心の中でそう思いつつ、にこりと笑う。
「私は平民ですから。それに選り取り見取りだなんて。神殿らしくないです」
「闇の巫女、もしくは神子がいないとこの国が成り立たないのは事実だし? それに光属性の男女にも恩恵はあるの。私の場合は闇の巫女。光属性のパートナーは『光の神子』として崇めてもらえるもの。
それだけのために夜這いをかけてくる光属性の男女の方が怖いわ」
そんな場所にいたくない!! そしてあまりにも下世話すぎる。
「私の場合は、旦那様のそばにいたかったから闇の巫女になったの。うふふ」
「……そういう方に巡り合えた時に考えます」
「あら、じゃあうちの長男なんてどう? 闇と光の関係も熟知してるし、光属性だし!!」
「遠慮しますっ!」
「えぇぇ? アーデルヘイトちゃんが義娘になってくれたらって思ってたのにぃ。ついでに、一緒に神殿で儀式以外の時お茶したかったのにぃ」
お茶って言いますが、絶対他の人たちとの腹の探り合いになりますよね!? その言葉を何とか飲み込んだアーデルヘイトは、ここに来た理由をやっと果たせた。
燕の国の使者が何かしたらここに逃げ込む。そして神殿側はアーデルヘイトを守る。
その代りに、匿ってもらっている間は儀式の手伝いをすること。
素人にそんなことをさせていいんですか? そう突っ込みたくなったが、闇の巫女の「キャパオーバーになりそうなの!」という一言で、出来る限りの手伝いをすることになった。
「母上」
「あら、バルちゃん」
「成人した男性に『ちゃん』付けはちょっと……」
「紹介するわね! 私の第一子、バルト二世! こちらは貴重な闇属性持ちの女の子、アーデルヘイトちゃん」
その紹介に、青い髪をした男性がふっと微笑む。
「バルトです。ハイテンションな母上にお付き合いいただきありがとうございます」
「アーデルヘイトです。魔法学院一年です」
「と言うことは私たちの後輩ですね。弟とも面識が?」
「……ここに来る際に」
「あなたが今期の生徒会役員を蹴った女性ですね」
にこりと笑うバルトが少しばかり怖かった。
そこで「闇の巫女」と対面することになった。
予想を大きく裏切る、女性だ。
「うふふふ。あなたがアーデルヘイトちゃんね。私は当代の闇の巫女。よろしく!」
黒髪にこげ茶の瞳は、日本人を彷彿とさせる。
「ねねね。神殿に入っちゃわない?」
「……は?」
「そうすれば光属性の男女は選り取り見取り! 好きな相手をパートナーにできるのよ!!」
そんなフラグは要らん! アーデルヘイトは心の中でそう思いつつ、にこりと笑う。
「私は平民ですから。それに選り取り見取りだなんて。神殿らしくないです」
「闇の巫女、もしくは神子がいないとこの国が成り立たないのは事実だし? それに光属性の男女にも恩恵はあるの。私の場合は闇の巫女。光属性のパートナーは『光の神子』として崇めてもらえるもの。
それだけのために夜這いをかけてくる光属性の男女の方が怖いわ」
そんな場所にいたくない!! そしてあまりにも下世話すぎる。
「私の場合は、旦那様のそばにいたかったから闇の巫女になったの。うふふ」
「……そういう方に巡り合えた時に考えます」
「あら、じゃあうちの長男なんてどう? 闇と光の関係も熟知してるし、光属性だし!!」
「遠慮しますっ!」
「えぇぇ? アーデルヘイトちゃんが義娘になってくれたらって思ってたのにぃ。ついでに、一緒に神殿で儀式以外の時お茶したかったのにぃ」
お茶って言いますが、絶対他の人たちとの腹の探り合いになりますよね!? その言葉を何とか飲み込んだアーデルヘイトは、ここに来た理由をやっと果たせた。
燕の国の使者が何かしたらここに逃げ込む。そして神殿側はアーデルヘイトを守る。
その代りに、匿ってもらっている間は儀式の手伝いをすること。
素人にそんなことをさせていいんですか? そう突っ込みたくなったが、闇の巫女の「キャパオーバーになりそうなの!」という一言で、出来る限りの手伝いをすることになった。
「母上」
「あら、バルちゃん」
「成人した男性に『ちゃん』付けはちょっと……」
「紹介するわね! 私の第一子、バルト二世! こちらは貴重な闇属性持ちの女の子、アーデルヘイトちゃん」
その紹介に、青い髪をした男性がふっと微笑む。
「バルトです。ハイテンションな母上にお付き合いいただきありがとうございます」
「アーデルヘイトです。魔法学院一年です」
「と言うことは私たちの後輩ですね。弟とも面識が?」
「……ここに来る際に」
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にこりと笑うバルトが少しばかり怖かった。
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