二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第76話 文化祭5

「休憩中にすまないな」

午前の営業が終わり、全員で昼休憩を取っていた俺達の前に先生がやってきた。

手にはワ〇ピースとコラボ中の水を何本か持って。

「これは差し入れだ」

先生から1人ずつ差し入れの水を受け取り休んでいると、先生が口を開いた。

「午後は営業をローペースもしくはやんなくたっていいぞ?午前終了時点でこの部がぶっちぎりだったからな」

「まじすか?」

となると途中で終わっていた本を……

「ただし一つ条件がある。よく聞けよ陽向」

なんで俺だけなんだよ。
いやそりゃあよからぬことを考えてたけどさ。

「文化祭を楽しむ。それが条件だ」

桃たちからなんとも言えぬ息がこぼれる。
緊張していたのか、安堵の表情を浮かべていた。
まぁ、先生が言うことだから緊張するよなー。

「あぁそれと、例の活躍した人間が陽向に何でも命令できる権利だが」

瞬間、部室の空気がガラリと変わった。
さっきまでののどかな雰囲気ではなく、殺伐とした空気。
すごい緊張感がビシビシ伝わってくる。
伝わってくるのだが、命令される立場の俺は嫌で嫌でしょうがない。

誰に権利が与えられようが、結局のところは俺が被害をこうむるわけで。
どうせなら害の少なそうなやつに権利を与えてくれると願うしかないな。

まぁ、とりあえず霧咲は

「ホテルに行って、そして子供の名前は長男が」

ないな。うん。
未来を設計しているいい女の子のように見えるが被害者が俺だから、いい女の子ではない。
ちらりと首輪が見えるしな。

意外と柏木とかが安全そうな気も

「……/////(//∇//)」

しねぇ!!
なんだ今の顔は!?
普段見ねぇような顔をしたぞ?柏木のやつ!

「よ、ようたがどうしてもと言うのであれば考えないこともなくてよ?」

あいつはなにを一人で言ってるんだ?

「陽向くん……へへこういう場で名前を呼ぶと緊張しますね……ホテルなんかで」

お前も何を言ってるんだ?!桃っ!!

銀髪美少女はなんか落ち着いてるな。さすが最上級生と言ったところ……よだれが出てりゃ。

「均等に命令出来るようにしてやろう」

ごく自然に先生はそう言った。
瞬間、全員から安堵のため息がこぼれる。

「文化祭を楽しめと言った手前、誰か1人に幸福を与えるわけにはいかないしな」

「その代わり誰か1人が不幸になってるんすけどね」

やべ、睨まれた。怖ーよ!

「だから全員に均等にしたというわけだ。時間配分やそこらへんのことはお前達に任せる。ただし、私に面倒をかけさせるようなことだけはするな。それ以外ならをしたっていい」

「「「「いいんですか!?」」」」

「うおい!」

なんだそのいいんですか!?って!

お前ら先生に迷惑をかけない程度に何をする気だよっ!

「んじゃあな。私はこれで戻る。あとは好きにしろよ」

そして先生は満足そうな顔で部室を去っていった。
あの先生。ちょっとばかし美人ですげー怖いからってどんな状況にしてもいいってわけじゃないんだからな!

「できるもんなら代わってやりたいぜ陽向」

「なら代わってくれよ智和」

「あんな血に飢えたような女の子たちは相手できねーって」

珍しくあの智和が、震えていた。



「いい?恨みっこはなしだからね?」

「分かってます」

「分かってますわ」

「陽向さんのために」

「うん」

「「せーの!最初はグー!ジャンケン」」



「で、最初はお前か桃」

「はい。最初と最後で迷いましたけど、最初の方がチェックポイントまで道のりが長いので最初にしました」

「スタンプラリーを一緒に回るがいいだなんて俺にとってはこの上なくありがたい話なんだが良かったのか?」

「いいんですよ。これで。それに先生も言ってたじゃないですか。文化祭を楽しめと」

「それもそうだな」

「それに自分の番の最中なら邪魔は入ってこないのでしたい放題ですし」

「…………」

「冗談に決まってるじゃないですか」

「お前らのは冗談に聞こえねーんだよ」



「関、私の番が来るまで暇だから付き合って」

「いいですよ」

「それにしても似合う。その格好」

「まじすか?自分でも気に入ってるんすよね」

「そうなんだ。嫌なのかと思ってた」

「嫌だったら着ないですって。それに俺は柏木さんと居るのも楽しいですし」

「そう」

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