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些稚絃羽

変わらぬ心

あなたと過ごした日々を数えたら
万を越えた辺りで分からなくなった
こんなにも長く経っていたのね
あの頃と何もかも変わってしまった

刻まれた皺も増えて 髪も殆ど白くなった
街並みもいつの間にか面影をなくして
けれど変わらないものも確かにあるわ

あなたは覚えているかしら あの日の事
わたしは今も鮮やかに思い出せる


あなたが差し出した 花言葉
顰めて唇突き出した横顔が茜色に染まる夕暮れ
握り締めて白くなった指先
萎れ始めた姿に泣きそうな顔して
手ごと包んだわたしを目を見開いて見てた

あなたの指先に初めて触れた
想い込めた花を受け取った
あの時から全て始まったの

手を重ね 歳を重ね
時には涙を流す事もあったけれど
何一つ後悔はないわ
あなたと共に生きられたから


ねぇ
庭に桔梗の花を植えましょう
明日も、明後日も、明々後日も、
見えないずっと先までも、
この想いが消えないように

  

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