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些稚絃羽

春はまだ来ない

冷たい風が走って 頭の奥がキンと鳴る
春はまだ来ないと誰かが言った
がんじがらめにマフラー巻いて
窒息しそうに息を吸う

多分あの日から何も変わらないまんま
ただ突っ立ってるだけだって
そう言われても仕方ないけど
胸の奥の痛みには少し強くなったんだ
それを自信にするのは弱い証拠かな

寒さには弱くなったよ
独りは寂しくなったよ
腕の痺れが酷くなる

本当の事言ったら誰かが助けてくれるって
そんなの嘘だよ 
話せる人がいないのに 誰に話せって言うの
オトモダチの境界線はどこですか

良い事ばっかの御託を並べて
満足気に見下ろさないで
並べられたそれらの内
振り注ぐ確率はゼロだって分かってるんでしょ
混ざった黒は白には戻らない

どうにかなるさの冠掲げて笑っていられるなら
初めから苦しまなかったのにって
心の中抉りだしても今更変わらなくて
それならどうすればいいのって
模範解答は聞き飽きた

少し汚いくらいで良いんだ
この枯れ草舞う冬風みたいに
満点の生き方なんて望んでないから
少しだけ 本当に少しだけ
幸せだと感ながら息をしたい
 

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