Opening Is Empty

些稚絃羽

±0はまだ遠い

誰も見つけられない方程式
心の中は上手く表せないから
正解か不正解かも誰にも分かりはしない

マイナスから始まって同じものばかりを足して
現れない十字に頬湿らせるのは哀れな事で
分かっているのに手にできないから
苦しみばかりが増えていく

笑い合った分だけ孤独を引いて
幸福をプラスしていけるなら
きっと痛みなんて感じないけど
夢のまた夢みたい
どうしようもなくヒトリキリ

互いの傷を掛け合って
無かったみたいに治癒し合って
愚かさも消してしまえるなら
そんな化学反応に期待しても
イコールに付けられた傷が抱えた罪を大きくする

何も知らず“幸せね”と囁いた人
その唇 青白い舌が覗くから
次の言葉紡ぐ前にその隙間に蓋をした

黒ずんだ罪に罪を足しては掛けて 
ありったけの正義で割ったとしても
辿り着けない場所があって
思い描いた桃源郷 奇跡は起こらないから

±0はまだ遠い
擦り合わせた両の手掲げて
闇雲に振り回して掴んだ何か
幸であれと願いながら
噛み砕いては飲み込んだ
 

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