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些稚絃羽

その腕に勲章を

叫ばなきゃ届かない声があって
弾かなきゃ残らない言葉があって
僕ら果てしなく臆病だから
そうやって伝えてなくちゃ生きていけない

なのに ね

叫んでも届かない思いもあって
弾いても弾き返される感傷もあって
僕ら限りなく脆弱だから
跳ね返る破片で傷ばかり増やしていく

そうやっていつしか
自分が投げた事すら忘れてしまう
横暴な責任転嫁が常になる


終わりが見えないから鬼気迫って
終わりを知っているから腹くくって
そのくせ何も分かんないって
投げ出してしまえる程強くもないから
開いた傷口に手を当てる事しかできない

与えられた消毒液 痛みが膨れ上がるから
そんなもの要らないと投げ出した
後悔するのは切り落としてから?
床に這いつくばっても もう遅い

構築してきた思いさえ 気が付いたら誤変換
意図のない意思が前を歩く
“最近見なくなったね”その一言が終了の合図?
そこに立つ意味も分からなくなる


分からなくて分からないから
その気持ちのままに叫んでみた
繋がらない言葉で紡いでみた

遠くから小さく応える声が聞こえた
痛みの少ない塗り薬が飛んできた
きっとまた これが再開の合図
 

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