続 他称改造人間になった俺

チョーカー

タバコ

 学校まで20キロを歩き終えると深夜になっていた。
 俺はグランドから校舎全体を眺めながら思索に耽っていた。
 学校に来て4日目になった。まだ4日目だ。
 しかし、この4日間はあまりにも多くのことが起こりすぎた。
 そろそろ、これまでのことを解決に向けて動き出そう。では、なにを持って解決とするのか?
 まず考えたのは、屋上から落ちて死んだ少女のことだった。
 彼女はなぜ、死ななければならなかったのか?自殺か?他殺か?原因は何か?他殺なら犯人の動機は?
 不意に篠川先生の言葉を思い出した。
 『私は生徒が好きですからねぇ。こういうのが許せないんですよ。事故なら事故の原因が、自殺なら自殺の原因が、殺人なら犯人が』
 たぶん、今なら篠川先生の感情は理解できる。理解できても、その度合いは俺の比ではないのだろう。
 ポケットに入れておいたタバコとライターを取り出す。どちらも俺のものではない。あの日、屋上で篠川先生が吸っていたのをドサクサに紛れて持っていたのだ。
 タバコを咥え、ライターで火を付ける。スッと煙を吸い、たっぷり肺に貯めてから紫煙は吐き出す。
 こうする事で篠川先生になりきろうとしてるのかもしれない。
 しかし、タバコは好きになれない。一吸いだけでタバコを吐き出し、足で踏みにじり火を消す。
 俺の本来の目的は、ミステリー小説みたいなものじゃない。
 少し変なサイトを作ってる奴を見つけて、やんわりとやめるように促す。
 それで解決するはずじゃないのか?
 しかし、それを否定する自分の声も聞こえる。本当にそれでいいのかと聞いてくる。
 わかっている。いいわけがないのはわかっている。
 では、ほんの少し、ほんの少しだけあがいてみよう。


 彼女が殺させれた理由。
 もしも、殺人だったら理由は何か?それはおそらく制裁的な意味だろう。
 殺人の理由のほとんどがそれだ。ただ、許せないから殺した。当たり前の事だ。
 いや、倫理的に当たり前と断じてはダメだろうけど。
 誰かを怒らせるような事をしたならその痕跡があるはず。そこからせめて見るか?

 まぁ、本当は見当がついてるんだけどね。
 俺は再びタバコを取り出し、火をつけた。

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