続 他称改造人間になった俺

チョーカー

いちご大福と教頭先生

 心地のよい日差しが降り注いでいる。外のざわめきすら風流に感じられる。
 さて、おやつの時間としよう。
 お茶請けにいちご大福、お茶には玉露を用意した。
 まず、いちご大福に口をつける。お餅の食感を楽しむと、時間差であんこの甘さといちごの甘酸っぱさが味わえる。2つの違う甘さが独特の風味として口の中で広がる。
 いちご大福の元祖には諸説が複数あるが、どんな人物があんこといちごという組み合わせを思いついたのだろうか?
 洋菓子ならば果物の組み合わせは珍しくないだろう。しかし、和菓子と果物の組み合わせで真っ先に思い出させるのは栗くらいなものか?
 などと、考えていると外のざわめきが消え、静かさを取り戻しているのに気づいた。
 窓から廊下を覗くと、どうやら教頭先生による稔川、日高コンビの説教タイムが終了したらしい。
 時計を見ると、昼休みが終わる10分前。それまで廊下で正座だったのか、2人ともふらつきながら帰っていく姿がみえていた。
 「お騒がせしました。彼女達も悪い生徒じゃないですけどね」
 そう言いながら、教頭先生が入ってきた。
 「お疲れ様です。よろしかったらいかがです? 彼女達にと思って用意したものですが」
 いちご大福とお茶を進めてみたが、「仕事中ですから」と断られた。俺も仕事中なんだけどなぁ。
 教頭先生、名前は芹沢芹。 女性だ。
 普段は厳しそうな雰囲気を身に纏っているが、メガネをはずし、柔らかな笑顔を見せる今の彼女は、別人に見える。 生徒のために厳しい教頭という役割を演じるための自己プロデュースとしてメイクや服装に気をつけているらしい。
 素顔の彼女は、随分と若く見えるが何歳くらいだろうか。
 役職的に一回り以上は年上のはずだが、そう見えない可愛らしい女性だ。
 うむ、どうやら俺は年下よりも年上のお姉さんに惹かれるようだ。
 そう言えば、みゆきさんも年上だな。
 「どうですか?この学校の感想は?」
 「厳格な感じはありますが、良い雰囲気がしますね。まだ、慣れるまで時間はかかりそうですが」
 「私はここに来て5年目ですが、まだまだ慣れてない事が一杯ありますわよ」
 なかなか、うまい返し方だな。そう思いながら切り込んでみた。
 「そう言えば生徒の間に占いサイトが流行ってると聞きましたが、ご存知でしたか?」
 

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