続 他称改造人間になった俺

チョーカー

昼休みとインタビュー

 バーンと勢いよく用務室の扉が開く。何事かとドアを見ると小柄な生徒が二人。
 確か、稔川彩愛と日高香という名前だ。
 稔川彩愛は、メガネをかけており、髪はツインテール、片手にマイク。
 よく見ると新聞部を書かれた腕章をつけている。
 一方、日高香はオドオドと様子を見ている。
 こういう髪型を前髪ぱっつんと言うのだろうか?
 前髪が目の上に一直線になっている。大人しく可愛らしい女の子って感じで似合ってる。
 稔川彩愛が猫系のイメージだとすると、日高香はハムスターのような小動物のイメージだ。 
 何の用だろうかと思うと、彩愛は至極当たり前のように入ってきた。
 あれ?ここは礼儀作法に厳しい女子高等学校だったのじゃ?
 「どうも、新聞部の彩愛ちゃんと香ちゃんです! あの人は誰?噂のイケメン用務員さんに突撃取材にきました!?」
 「テンション高っ!しかも、イケメンって!?」
 「あっ、顔写真はいくらでも加工できるので大丈夫ですよ」
 なんか傷ついた。
 一方、香ちゃんは入っていいのか悩んでる様子で、ドアの前でオロオロとしている。
 「・・・・・君も入っていいよ」
 その一言で束縛が取れたように笑顔で入ってきた。きちんと挨拶をするあたり、『礼儀作法に厳しい女子高等学校』という設定は、かろうじて保たれたようだ。
 しかし、どうしたものか。 とりあえず、押入れから座布団を出して座らせた。 
 確か、茶菓子もあったはずだが、生徒に進めていいものだろうか?
 「まず、お名前を聞いてもいいでしょうか」
 「学です、元下学です」
 気がついたらインタビューが始まっていた。自然と名前を答えてしまったが、当然のように偽名だ。
 元下の苗字は組織が用意した偽名で戸籍や経歴まで作られいる。名前からたどっても、怪しい所のないクリーンな名前らしい。
 「今日の朝、篠川先生に目をつけられお説教を受けたと聞きましたが、どう思いますか?」
 なんというか、稔川彩愛の所属する新聞部とやらは、ゴシップ色の強い記事が好みらしい。
 校内新聞でゴシップってどうなんだろ?
 俺は取り敢えず篠川先生こと篠川篤嗣の事を思い出す。
 やせ型の体型。神経質そうな顔つき。教師らしいスーツだが、時計や靴でシックな遊び心を演出している。 なんとなく、異性として生徒を意識してる感じがして好きにはなれないタイプかもしれない。
 「いえいえ、目をつけられたと言うと失礼ですよ。初日で緊張して業務が疎かになった私をたしなめてくださっただけです」
 首を捻る稔川彩愛の様子を見ると期待してた返答ではないとよくわかる。
 「では、山本先生はどうでしょ?どう感じました?」
 次は山本先生・・・。山本大輝の事だ。
 どうと言われてもデカイとか、ゴツイとかしか感想がないよな。
 「気さくな方ですね。 初対面で向こうから話しかけてくださって、ありがたかったですね」
 へぇ~と彩愛は簡単な返事をする。何か違和感を感じたが、次の言葉で揺さぶりをかけられた。
 「でも、山本先生は男色家なので気をつけたほうがいいですよ」
 「マジでぇ!?」
 つい素が出てしまったが、しまったと思っても後の祭りだ。彩愛は満足できる反応だったのかニヤニヤとした表情をしている。
 「あと、私は新聞部ですが香ちゃんは放送部なので、これは校内放送に流れてます」
 「マジでぇ!ってか、先に言えよ!?」
 新聞部がマイクを持って登場した瞬間に気づくべきだった・・・


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