続 他称改造人間になった俺

チョーカー

初任務と女子高

 組織内での俺の立場は九郷用の部下という事になった。
 簡単なレベルの任務の報酬に、俺の個人情報を教えてもらうという契約だ。
 まぁ、いろいろな任務をやらせて、俺の体のデータを取るの目的らしい。
 ちなみに組織の名前は教えてもらってない。 たとえ組織に所属する人間でも忠誠心がない者に組織について教えるのは組織にとって危険だからとか、なんとか。
 要するに任務をこなし、高い信頼を得なければ名前すら教えてくれないという仕組みだ。
 そういえば、みゆき達も組織の説明は、不自然なくらい詳しい話はしなかったなぁ。
 そういうわけで、いつ来るかわからない初任務に備え、トレーニングを開始していた。
 朝は長距離走。 昼はジムワーク。 夜は九郷用を相手にスパーリング。
 普通ならオーバーワークなのだろうが、俺の体はハードトレーニングに対応するようになっているため、3ヶ月間なんとかトレーニングメニューをこなしていた。
 そして、その日は来た。
 スパーリングでボロボロになった俺に対して、久郷は息一つ乱さずに言う。
 「さて、そろそろ任務って名前のお使いだな」
 「お使いですか?ずいぶんと簡単そうにいいますね」
 「まぁ、普通の人間でも簡単にできる任務だから、本当にお使いレベルだぞ?」
 久郷は手に持った資料を投げて渡す。それを一瞥してみると・・・
 「清純女子高校潜入ってなんですか? エッチなビデオですか?」
 「いや、正式な任務だ」
 久郷は表情を変えずに言う。本当らしい。
 「どうやら、うちのスポンサー様の娘が通ってるらしいが、奇妙な占いが流行ってるらしい」
 「占い? 占いの何が問題なんです?」
 校内で黒いフードでもかぶって水晶でも持ち歩いてるのなら問題にでもなると思うが。
 「口頭で聞くくらいなら資料を読め」
 言われて、資料を読み始めてみた。 どうやら、学校内だけで流行ってる登録式の占いサイトらしい。
 基本的には、1日の運勢がメールで送られくるだけだが、サイトには管理者に相談のコーナーがあるようだ。
 なるほど、例の一覧を見てみると奇妙な事がある。 
 ある日、A子とB子が喧嘩した。仲直りをしたいA子は管理者に相談メールを送った。
 返信されたメールに書かれてた日時にA子は勇気を出してB子に話かけると、サッサリと仲直りができた。 理由は簡単で、日常的にB子宛に送られた運勢メールに『喧嘩をした友達が話しかけてくるかも。 深呼吸をして仲直りしてみよう』と書かれていたそうだ。
 これだけなら笑い話にみえるかもしれない。
 しかし、サイトに登録するのは、ハンドルネームとメールアドレスだけだ。
 この占いサイトの管理者は、どうやってA子とB子を特定したのか?
 たまたま管理者がA子とB子の知り合いで最初からメールアドレスを知っていたかもしれない?
 しかし、似たような事例が別のクラス、別の学年でいくつも起こってるらしい。 
 つまり、一流企業の社長令嬢達の悩みを把握してる人物がいる。
 うら若き乙女の悩みといえば、恋愛や成績、友達関係だろう。
 しかし、もしかしたら、匿名であることに油断して、とんでもない悩みをぶっこんでる子もいるかもしれない。それがスポンサーさまの娘で、企業を根底から覆すレベルだったら・・・

 

「続 他称改造人間になった俺 」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「その他」の人気作品

コメント

コメントを書く