New Testament
8
エレベーターに乗っている時間は意外と長く、どれほど深くまで昇っているのだろう――鷹岬はそう思った。しかしエレベーターに乗るもう一人の男は何も答えない。それどころか余計な接触すら絶とうとしているくらいだ。
「あの、」
鷹岬は訊ねたが、男は何も答えない。答えようとしない。
不躾な男だと鷹岬は思ったが、客はこちらなのであまり強欲染みたことを言おうとは思わなかった。
ポーン。
不意に電子音が鳴った。そしてそれは、直ぐにエレベーターが目的のフロアに到着したのを意味していた。
「降りましょう」
その言葉と同時に閉じていた扉は左右に開かれた。外はエレベーター内部と比べてとても明るく、目を瞑ってしまうほどだった。
「それでは、紹介しましょう。我々の所属する『虚数課』へ」
男はそう言ってゆっくりとエレベーターの外へ出ていく。鷹岬はそれにゆっくりと従い、歩いていく。
虚数課という場所は、思ったよりも広かった。が、その内装は他の場所と比べ、尽く変化していた。
床の殆どが畳だった。今彼らが居る場所は土になっており、どうやらそこは土足でも問題ないらしい。
目の前には囲炉裏があり、火もついていた。何かを焼いているなどという様子もなかったが、こんな地下深くで火をおこしても問題ないのだろうか?
「なぁ、あの囲炉裏……」
「あぁ、問題ありませんよ。換気扇もありますし」
心配していたことを直ぐに答えられ、若干安心する鷹岬だったが、未だ彼は緊張を解してはいない。
「よく来てくれたね。いや、まぁ、君はここに来るべき存在だった……わけだが」
部屋の奥には一人の男が居た。どこか現代人らしくない雰囲気を漂わせていた男は、鷹岬の顔を見て小さく微笑んだ。
背格好は鷹岬と同じくらいだが、その髪には所々に白髪が混じっている。恐らくは乃木と同い年くらいのようにも思えた。
「まぁ、先ずは楽になってください鷹岬さん」
「名前、自分で言いましたっけ?」
鷹岬が不審に想い、訊ねると、男は湯呑みに注がれた茶を一口啜った。
「……あぁ、そうでしたね。申し訳ない。私はどうも『何でも見えてしまう』ものでしてね。あなたの名前も、あなたがここに来るのも、あなたがこの計画に気付くのも、既に解っていました」
まるでアカシックレコードでも見ているかのような、どこか遠くを見つめていた。必死に取り繕って言えばそうなるが、無慈悲に言えば目の焦点が合っていなかった。
「アカシックレコード……とはいうかもしれないが僕の場合は違う。見えているものは過去・現在・未来で見たい時に見ることが出来る……がね」
「凡てが見える……!」
鷹岬はその言葉をリフレインする。未だにその事実を理解したくない、そんな自分が居たからだ。
「そうだ。私は凡てを見透かしている……さしずめ『千里眼』と言ったところか……。ただし、これには本当に種も仕掛けもないがね。たまぁにどこからか嗅ぎ付ける輩が居てだな、『絶対に言わないから秘密を教えてくれ』などと私に懇願してね……。私が知りたいよ、そんなこと」
男の話は続く。
「そもそも人間は欲が強すぎる。このままではいつか人間の欲のために、世界が滅びるでしょう。それを望むべきはそうでないかは解らないですが、少なくともどうなるかはこの後の人間によって決まってしまうことだって、充分に考えられます」
まるでこの先に何が起きるのか、凡てお見通しと言わんばかりに男は不敵な笑みを溢した。
「……つまりこの世界に何が起きるのか、あなたは解っている……ということなのですか?」
鷹岬の問いに数拍おいて頷いた。
「解っているからこそ、私はここで平穏な時を刻んでいる。『何が起こるのか』……そんなことが凡て解ってしまうとね、何もかもがつまらなくなってしまうのだよ」
男は目を細め、どこか遠くを見つめるような表情を示した。
鷹岬は漸くここに来た理由を思い出し、訊ねる。
「あの……ここはオカルティックなものを捜査する場所である、と聞いたのですが」
「あぁ、そうですね。……まぁ、語らぬともあなたが何を言いたいのかは解ります。私の言える範囲で言いますと…………」
男は湯呑みに入っている茶を一口啜った。
そして、改めて鷹岬の方に向き直った。
「…………もうあなたはこの事件の捜査をやめたほうがいいでしょうね」
予想外の発言に鷹岬は暫く何も言えなかった。
そして鷹岬にとってもなぜ彼がそれを言ったのかがまったく解らなかった。
男の話は続く。
「……警察官がこんなことを言うのは正直な話、おかしなことだろうと思います。しかし、まったく残念な話になるのですが、これは仕様のない話なのです」
「『未来』を見たから……ってことですか」
その質問に男は答えなかった。
男のその行動をむしろ貶すように鷹岬はさらに突き詰めていく。
「未来を見たのにそれを現代人に伝えないのはどうなんですか? 何が起きたか知っているが、それを再現するかのように……」
「再現するようにしているのさ。君は知らないかもしれないが、未来予知が出来るからそれを糧に有名になろうだとか皆に伝えようだとか、そんな甘い考えで未来のことを話してはならないのだ。……考えてみたことはあるか? ある人間が死ぬのを予知して、それを本人に伝えたらどうなる?」
「助かった……とか思いますかね」
「そんなことはないな。なにせ、見ず知らずの人間に言われるんだぞ? 不気味がるのが普通だ。それでいてそのことが当たり前だ。人間は見ず知らずの人間からそう言われるのは特に嫌っている。……まぁ、三年近く前にそんな占い師がいたかな。『人間の生死を予知する占い師』というのがね。まぁ、確かあれはカミサマの力を借りたとか、カミサマに乗っ取られたなどとかの話だったが、当の本人がそれを覚えていないなどと言うのだから、その言葉を信じるほかないのだがね。……おっと、少し話がズレてしまったな」
そう言って、男は茶を一口啜ろうとしたが、既に湯呑みの中身は空っぽだった。
「……ありゃ? もうお茶がないや。えーと……茶を注ぐ人がどっか居なくなっちゃったな。書類の仕事でも溜まっていたかな?」
よっこらせ、と言って男はゆっくりと立ち上がり、恐らくは台所に向かうために、その場を後にした。
一人になった鷹岬は、男の話を思い返していた。
なぜ彼は未来を視たというのにそれを隠したままでいるのだろうか? 隠すことにメリットなどないはずだ。対して、隠さなかった場合はそれに周りの人間が群がる。名誉も栄誉も、凡て手に入る。メリットだけしかないのに、どうして彼はそれをしないのだろうか。
恐らくは。
怖いのだろう。予言を言ったことで成立しなくなったら、それは予言ではなくなる。ただの戯言だ。
ただの戯言にばかり気にかかり、人はそれを嘘っぱちだとか出鱈目だとか罵る。
実際に事態が起きなければ、人間はそれを信じようとはしないのだから。
人はそれを理解し、吟味し、対策を考え、実行するまでに恐ろしいほど長い時間をかける。だからこそ、『未確認』の形でそれを行うには『未確認以外の情報が詳細にまとめられて』いなければならない。そうだからこそ、漸く人間はそれを感じ、理解し得るのだ――と。
「待たせたね」
そこで鷹岬の思考が中断させられる。中断させた張本人は今先程と同一の位置に腰かけた。
「……さて、再開と行こうか」
そう言って男は皿に盛られた岡木を手に取り、口にした。
鷹岬は漸くそこで、自分がどうしてここにやって来たのかを思い出した。事件の緒を探すため、オカルトに詳しいこの部署へと足を運んだのだ。
「事件の概要について話す必要は?」
鷹岬が訊ねると男は首を横に振る。
「なるほど。解りました。それででしてね、この事件唯一の行方不明者となっている古屋拓見という青年なのですが」
「梓巫女の子孫、だろう。それは知っている」
「そう。……それで気になった点というのがありまして」
「神憑きについて教えてほしい……大方、そんなところか?」
その通りだ、と言うように鷹岬は頷く。
「あれはな……」
対して、男は頭を掻いていた。言うのを渋っている、そんな風にも思えた。
「神憑きについては、教えてくれないということですか」
「そういうわけじゃあない。なんというかな……、なんというか、ダメだ」
「そんな曖昧な発言で自分が引き下がるとお思いですか?」
鷹岬はさらに強く出る。男はそれをかわした答えをする。
そんなやり取りを続けていくうちに鷹岬はこうも思うようになった。
――この男は本当に真実を教えてくれるのか?
ということについて、だ。
乃木はこうも言っていた。頭がキレすぎる、変わっている、と――。ともなれば、わざと事実を鷹岬に伝えたくないということも考えられる。あくまでも仮説で、本当にそうであるのかは解らないが。
だから、改めて訊ねる。
「……本当に答えを教えていただけないのですか。もしかしてこれを遊びのつもりで、駆け引きを楽しんでいるのですか?」
しかし、男は答えない。
鷹岬はさらに続ける。
「そもそも『何もかも見ることが出来る』……この時点でおかしい。この事実を信じる人間なんて、そう居るわけがないですし、もしかしたら殆ど居ないかもしれません。それくらいのことをさらっと言ってのける。だから自分は未だにあなたを変わり者だと思っています」
「平気で嘘をつくうつけもの……とかそんな感じに、かね?」
鷹岬は頷く。湯呑みを手に取り、傾け、中にある茶を一口啜った。
「うつけものとか、流石にそこまでは違いますが、少なくとも未だに自分はあなたを信じていません。信じられないくらいに変わっていて、信じられないくらいにおかしな存在だからです」
「その愚直過ぎる真面目さだけは褒めてあげるよ、鷹岬くん」
ありがとうございます、鷹岬は腰を折り謝辞を示した。
「あの、」
鷹岬は訊ねたが、男は何も答えない。答えようとしない。
不躾な男だと鷹岬は思ったが、客はこちらなのであまり強欲染みたことを言おうとは思わなかった。
ポーン。
不意に電子音が鳴った。そしてそれは、直ぐにエレベーターが目的のフロアに到着したのを意味していた。
「降りましょう」
その言葉と同時に閉じていた扉は左右に開かれた。外はエレベーター内部と比べてとても明るく、目を瞑ってしまうほどだった。
「それでは、紹介しましょう。我々の所属する『虚数課』へ」
男はそう言ってゆっくりとエレベーターの外へ出ていく。鷹岬はそれにゆっくりと従い、歩いていく。
虚数課という場所は、思ったよりも広かった。が、その内装は他の場所と比べ、尽く変化していた。
床の殆どが畳だった。今彼らが居る場所は土になっており、どうやらそこは土足でも問題ないらしい。
目の前には囲炉裏があり、火もついていた。何かを焼いているなどという様子もなかったが、こんな地下深くで火をおこしても問題ないのだろうか?
「なぁ、あの囲炉裏……」
「あぁ、問題ありませんよ。換気扇もありますし」
心配していたことを直ぐに答えられ、若干安心する鷹岬だったが、未だ彼は緊張を解してはいない。
「よく来てくれたね。いや、まぁ、君はここに来るべき存在だった……わけだが」
部屋の奥には一人の男が居た。どこか現代人らしくない雰囲気を漂わせていた男は、鷹岬の顔を見て小さく微笑んだ。
背格好は鷹岬と同じくらいだが、その髪には所々に白髪が混じっている。恐らくは乃木と同い年くらいのようにも思えた。
「まぁ、先ずは楽になってください鷹岬さん」
「名前、自分で言いましたっけ?」
鷹岬が不審に想い、訊ねると、男は湯呑みに注がれた茶を一口啜った。
「……あぁ、そうでしたね。申し訳ない。私はどうも『何でも見えてしまう』ものでしてね。あなたの名前も、あなたがここに来るのも、あなたがこの計画に気付くのも、既に解っていました」
まるでアカシックレコードでも見ているかのような、どこか遠くを見つめていた。必死に取り繕って言えばそうなるが、無慈悲に言えば目の焦点が合っていなかった。
「アカシックレコード……とはいうかもしれないが僕の場合は違う。見えているものは過去・現在・未来で見たい時に見ることが出来る……がね」
「凡てが見える……!」
鷹岬はその言葉をリフレインする。未だにその事実を理解したくない、そんな自分が居たからだ。
「そうだ。私は凡てを見透かしている……さしずめ『千里眼』と言ったところか……。ただし、これには本当に種も仕掛けもないがね。たまぁにどこからか嗅ぎ付ける輩が居てだな、『絶対に言わないから秘密を教えてくれ』などと私に懇願してね……。私が知りたいよ、そんなこと」
男の話は続く。
「そもそも人間は欲が強すぎる。このままではいつか人間の欲のために、世界が滅びるでしょう。それを望むべきはそうでないかは解らないですが、少なくともどうなるかはこの後の人間によって決まってしまうことだって、充分に考えられます」
まるでこの先に何が起きるのか、凡てお見通しと言わんばかりに男は不敵な笑みを溢した。
「……つまりこの世界に何が起きるのか、あなたは解っている……ということなのですか?」
鷹岬の問いに数拍おいて頷いた。
「解っているからこそ、私はここで平穏な時を刻んでいる。『何が起こるのか』……そんなことが凡て解ってしまうとね、何もかもがつまらなくなってしまうのだよ」
男は目を細め、どこか遠くを見つめるような表情を示した。
鷹岬は漸くここに来た理由を思い出し、訊ねる。
「あの……ここはオカルティックなものを捜査する場所である、と聞いたのですが」
「あぁ、そうですね。……まぁ、語らぬともあなたが何を言いたいのかは解ります。私の言える範囲で言いますと…………」
男は湯呑みに入っている茶を一口啜った。
そして、改めて鷹岬の方に向き直った。
「…………もうあなたはこの事件の捜査をやめたほうがいいでしょうね」
予想外の発言に鷹岬は暫く何も言えなかった。
そして鷹岬にとってもなぜ彼がそれを言ったのかがまったく解らなかった。
男の話は続く。
「……警察官がこんなことを言うのは正直な話、おかしなことだろうと思います。しかし、まったく残念な話になるのですが、これは仕様のない話なのです」
「『未来』を見たから……ってことですか」
その質問に男は答えなかった。
男のその行動をむしろ貶すように鷹岬はさらに突き詰めていく。
「未来を見たのにそれを現代人に伝えないのはどうなんですか? 何が起きたか知っているが、それを再現するかのように……」
「再現するようにしているのさ。君は知らないかもしれないが、未来予知が出来るからそれを糧に有名になろうだとか皆に伝えようだとか、そんな甘い考えで未来のことを話してはならないのだ。……考えてみたことはあるか? ある人間が死ぬのを予知して、それを本人に伝えたらどうなる?」
「助かった……とか思いますかね」
「そんなことはないな。なにせ、見ず知らずの人間に言われるんだぞ? 不気味がるのが普通だ。それでいてそのことが当たり前だ。人間は見ず知らずの人間からそう言われるのは特に嫌っている。……まぁ、三年近く前にそんな占い師がいたかな。『人間の生死を予知する占い師』というのがね。まぁ、確かあれはカミサマの力を借りたとか、カミサマに乗っ取られたなどとかの話だったが、当の本人がそれを覚えていないなどと言うのだから、その言葉を信じるほかないのだがね。……おっと、少し話がズレてしまったな」
そう言って、男は茶を一口啜ろうとしたが、既に湯呑みの中身は空っぽだった。
「……ありゃ? もうお茶がないや。えーと……茶を注ぐ人がどっか居なくなっちゃったな。書類の仕事でも溜まっていたかな?」
よっこらせ、と言って男はゆっくりと立ち上がり、恐らくは台所に向かうために、その場を後にした。
一人になった鷹岬は、男の話を思い返していた。
なぜ彼は未来を視たというのにそれを隠したままでいるのだろうか? 隠すことにメリットなどないはずだ。対して、隠さなかった場合はそれに周りの人間が群がる。名誉も栄誉も、凡て手に入る。メリットだけしかないのに、どうして彼はそれをしないのだろうか。
恐らくは。
怖いのだろう。予言を言ったことで成立しなくなったら、それは予言ではなくなる。ただの戯言だ。
ただの戯言にばかり気にかかり、人はそれを嘘っぱちだとか出鱈目だとか罵る。
実際に事態が起きなければ、人間はそれを信じようとはしないのだから。
人はそれを理解し、吟味し、対策を考え、実行するまでに恐ろしいほど長い時間をかける。だからこそ、『未確認』の形でそれを行うには『未確認以外の情報が詳細にまとめられて』いなければならない。そうだからこそ、漸く人間はそれを感じ、理解し得るのだ――と。
「待たせたね」
そこで鷹岬の思考が中断させられる。中断させた張本人は今先程と同一の位置に腰かけた。
「……さて、再開と行こうか」
そう言って男は皿に盛られた岡木を手に取り、口にした。
鷹岬は漸くそこで、自分がどうしてここにやって来たのかを思い出した。事件の緒を探すため、オカルトに詳しいこの部署へと足を運んだのだ。
「事件の概要について話す必要は?」
鷹岬が訊ねると男は首を横に振る。
「なるほど。解りました。それででしてね、この事件唯一の行方不明者となっている古屋拓見という青年なのですが」
「梓巫女の子孫、だろう。それは知っている」
「そう。……それで気になった点というのがありまして」
「神憑きについて教えてほしい……大方、そんなところか?」
その通りだ、と言うように鷹岬は頷く。
「あれはな……」
対して、男は頭を掻いていた。言うのを渋っている、そんな風にも思えた。
「神憑きについては、教えてくれないということですか」
「そういうわけじゃあない。なんというかな……、なんというか、ダメだ」
「そんな曖昧な発言で自分が引き下がるとお思いですか?」
鷹岬はさらに強く出る。男はそれをかわした答えをする。
そんなやり取りを続けていくうちに鷹岬はこうも思うようになった。
――この男は本当に真実を教えてくれるのか?
ということについて、だ。
乃木はこうも言っていた。頭がキレすぎる、変わっている、と――。ともなれば、わざと事実を鷹岬に伝えたくないということも考えられる。あくまでも仮説で、本当にそうであるのかは解らないが。
だから、改めて訊ねる。
「……本当に答えを教えていただけないのですか。もしかしてこれを遊びのつもりで、駆け引きを楽しんでいるのですか?」
しかし、男は答えない。
鷹岬はさらに続ける。
「そもそも『何もかも見ることが出来る』……この時点でおかしい。この事実を信じる人間なんて、そう居るわけがないですし、もしかしたら殆ど居ないかもしれません。それくらいのことをさらっと言ってのける。だから自分は未だにあなたを変わり者だと思っています」
「平気で嘘をつくうつけもの……とかそんな感じに、かね?」
鷹岬は頷く。湯呑みを手に取り、傾け、中にある茶を一口啜った。
「うつけものとか、流石にそこまでは違いますが、少なくとも未だに自分はあなたを信じていません。信じられないくらいに変わっていて、信じられないくらいにおかしな存在だからです」
「その愚直過ぎる真面目さだけは褒めてあげるよ、鷹岬くん」
ありがとうございます、鷹岬は腰を折り謝辞を示した。
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