Cat's World

りょう

第22匹 そこなし計画 2

                第22匹 そこなし計画 2

1
翌日の正午、昼飯を早めに取り俺達は早速作業に取りかかった。
「まずは屋根の修理からだな」
「はい」
「で、姉妹は?」
「寝てますよ、グッスリ」
「は? もう昼なのにか?」
「昼飯食べたらすぐに寝ちゃいました」
「おいおい」
本当に何しに来たんだ?こいつら。まあ起こすのも面倒臭いから放置するが。
「木材はムムが買ってきてくれるんだよな?」
「はい。飛んだ方が早いんで」
そう言うとムムは翼を広げ買い出しに向かった。
「すっかり忘れてたけど、あいつ飛べるんだよな」
その飛んでいく彼女に見惚れながらも俺は設計図を見直し、今日やる事を振り返った。
2
一時間後
「ただいま帰ってきました」
「お帰り」
屋根に登って、軽く修理をしているとムムが帰宅。例の姉妹猫はまだ寝ている。帰ってもらおうかな

「私は何を手伝えばいいですか?

「ムムは木材とかを切って運んでくれ。飛べばすぐに運べるから」
「分かりました」
ムムに指示を出して、俺は作業を再開する。最近屋根を直したとはいえ、ムムがこの前突進してきたせいで、また壊れそうになっている。しかも俺の部屋が二階なので
、いつ落ちてくるか不安だ。だから俺は木材に加えて、ちょっとした鉄製の板加えて、屋根を強化する事にした。
「ふわぁ、おはようミケ」
そんな感じで作業をしていると、サクラだけはようやく起きてきた

「おはようじゃねえよサクラ、さっさと手伝ってくれよ。でなきゃ
、即帰宅してもらうぞ」
「は~い」
「しっかり返事しろ。あとお前の妹を起こしてこい」
「はいはい、分かりましたよーだ」
人手が足りないからこの二人を雇ったけど、全然役に立ってねえ。こいつらただの食費泥棒じゃねえか。
「はぁ…」
俺はこの後を考えると、ため息しか出てこなかった。
3
すっかり空も暗くなった頃、ムムと一応手伝ってくれたサクラとサクヤのお陰で、屋根の修復はほぼ終了。三匹は働いたせいか、すぐに眠ってしまったので、一人で夕飯を済ませ、ある場所へ出かけた

「おっす」
「あれミケ? どうしたのこんな時間に。というか何でわざわざ木を登ってきたの?」
やって来たのはチルの病室だった。まあ、病室への入り方は普通じゃないが。
「俺は一応一般市民だから簡単に出入り出来ないだろ? しかもこんな時間に」
「まあそうだけど」
病室に入りながらそんな会話をする。
俺が今日ここに来たのはちょっとした用事があったからだ。それはもしかしたら、こいつにも関わってるかもしれないし。
「で、改めて聞くけどどうして来たの?」
「ちょっとお前に話しておきたい事があってな」
「話?」
「ああ」
                   第23匹 星型のペンダント へ続く

「その他」の人気作品

コメント

コメントを書く