ルームメイトが幽霊で、座敷童。

巫夏希

ゲームの世界の最新事情(後編)

「なるほどね、確かに新聞記者は最高の情報屋でもある。やっぱ警察は違うね」
「そりゃどうも。……神事警察はできないのかい?」
「うちはなんだかいろいろしがらみがあってですね、そんなことも出来ないというか、やったら即逮捕なんですよねぇ」
「というかやる交友関係がないんだよ」

 そう言って碧さんはゲラゲラと嗤い出した。うるさいな、仕方ないだろ。友達が必要のない生き方をしたから、俺は友達が居ないのであって、別に作っていないわけじゃないんだ。

「交友関係が無いのは仕方ないのかもしれないね。君そんな感じするし」
「いくらなんでも信楽さんもひどいこと言い過ぎじゃありませんか?!」
「僕まだ一度しか言っていないよ?! それはひどすぎじゃないかい!!」

 ギャギャギャ!! と車がふらふらともたつき始める。

「落ち着いてくれ! あんたが車を運転しているんだ! 事故られたらたまったもんじゃねえ!!」
「……そうだったな。すまない」

 ふぅ、これでなんとかなっただろう。
 事故ってしまえば秘密な任務も糞もへったくれもないからな。


 ◇◇◇


 しばらく車を走らせていくうちに、俺達はようやく目的の地へとたどり着いた。
 小さなホールのような場所だったが、それでも多くのマスコミが集まっていた。

「ところで、待ち合わせの相手はどこに……?」
「ああ、たぶんもう少ししたら来ると思うんだが……」

 そう言って、すぐのことだった。

「待たせましたね」

 走ってきた人間は、スーツを着て深々とベレー帽を被った女性だった。

「……あなたが?」
「ええ、僕が進堂遥です。では、行きましょうか」

 まさかのボクっ娘かよ。こいつは予想外すぎた。

(……ボクっ娘って祐希もだから二人目なんじゃないかなあ……? まあ、あいつにそれが聞こえることはないから、別にいっか)
「碧さん、どうかした?」
「ん、どうも?」
「あ、そう。静かにしておけよ」
「あんたこそな」

 そして、俺達は会場へと足を踏み入れた。

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