ルームメイトが幽霊で、座敷童。

巫夏希

数字の苗字と判断材料

 そこまで言うのならばひどいレベルだったのだろう。俺はそういう場所でゲームを買わないのであまり理解出来ないが、最近ゲームはなにがなんでもクオリティーが追求されるからだ。

「……そんなにひどかったんですか」

 そんな本音を呑み込んで、話を続ける。

「シナリオで起承転結があるとするなら承と転をとびこえて、結に行った感じです」
「……はあ」

 それはさすがにひどい。

「私が言えるのは……それくらいで」
「なるほど……。ありがとうございました」

 これ以上の情報の収穫も無さそうだし。ひとまずこれで終わりにするとしよう。
 そう考えて、俺は七草さんを見送った。
 その逆方向に向かって歩き出す。目的地は神事警察だ。すぐにファイルを確かめる必要がある。



 ◇◇◇





「どうしたんですか、急にキャビネットを見て。なんか抜けてる情報でも?」
「被害者の苗字には全て数字が入っていました。七草さん、八代さん、十月さん、八乙女さん……全部そうです」
「……それが共通点?」
「数字の名字、これはカミサマが名字を付けたときに優先的につけた、っていう意味を示しているんですよね」
「ええ……。数字が付いていたり、神が付いていたり、まあいろいろありますけれど……。それは全くのデタラメですよ?」
「いいえ。違うんです。信じてるカミサマによってはそれが成立することだってあります」

 俺はめぐみさんへ言葉を畳み掛けていく。

「信じてるカミサマが……そういうカミサマならば、可能性はあるんじゃないでしょうか?」
「……ならば、そのカミサマを信じている人間。いや、正確には信じていた、ですか。……その人間を、探している、と……?」
「恐らくそういうことでしょう。……まだ推測に過ぎないですけど」
「言ってください。あくまでも意見ですから」

 めぐみさんの許可を貰った。もういいだろう。おれは――思いを、考えてることを、述べた。

「高木義堅は……そのカミサマを置いて、宗教を作るつもりなんじゃないでしょうか? ……そうでないとしても、自らをトップとした宗教の何れかを」

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