ルームメイトが幽霊で、座敷童。

巫夏希

カミサマの奇跡の価値暴落

「……出来ないことはないけど。そんなことで私の力を使うのはあなたが初めてですよ」

 ですよねー。
 ……という典型な(テンプレートといったほうがいいのか?)話の流れはさておき、もう一度聞く。

「で。出来るんだな?」
「え、ええ」
「じゃあ、やってくれ」
「あれやるとめっちゃめんどくさいのよ。引きこもっていい?」

 そんなこと言って美夏さんは布団を敷き始めた。その布団はどこにあったというかここで寝る気か?! 正気の沙汰じゃない!! ……と思ったがカミサマ(一応こんなヤツでも)だから人間の常識ってのが通用しないのか。なるほどー。

「うるっさいわね!! さっさとツッコメ!! 悲しくなってくるわ!!」
「逆切れ?!」

 ついに美夏さんはマジ切れ(原因は俺)してしまい、とてつもなく輝いた。太陽神だからかな! でもなんだか危険な匂いがする!!

「あ、スイッチあった」

 ――だが。そんな世界を滅ぼしかねない太陽の出現は祐希のその言葉によって消え去った。

「スイッチ?」

 祐希の言葉に姉ちゃんは祐希の方へ向かう。

「ほら、ここに」

 俺もそれを見に向かった。というか祐希ライター持ってるなら出せよって思ったがそのツッコミは置いておいて、そこには小さなボタンがあった。押してみるほかはないので、おして見ることにした。

 ぽちっとな。

 がごん。
 何かが堕ちたような音がした。
 それを筆頭として、ボタンの傍の壁が割れ、通路が出現した。なるほど、こうやって隠していたわけだ。

「……ここが『人工進化研究所』の真の入口って訳だな」

 そして――俺達は通路内に侵入した。

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