ルームメイトが幽霊で、座敷童。
山奥と人間と偶像崇拝
というわけで俺はひたすらに山奥の道を突き進むことにした。道なき道に続く崖。まるで獣道という言葉が世界一似合う場所はここにしかないだろうな。
「暑いなぁ……蒸すというかなんというか」
「不知火の神子がもとは狐のカミサマであることもあるかもしれませんね」
「狐のカミサマってと揚げが好きなんでしたっけ?」
「そそっ。俗に言う『お稲荷様』ってやつね。正式な名前は稲荷神。京都にある伏見稲荷がその総本山ね。まぁ細かいこと言っちゃうと作者が取材(という名のウ○キ検索)めんどくなるらしいからほっぽっとくけど」
「すっげーメタ発言! ってか作者のソースウ○キだったの?!」
「だってこれ書きたかった理由巫女さんでしょ? ぶっちゃけそれさえ書ければストーリーなんてどうでもいいとか」
「一番言っちゃいけねぇよその台詞! 俺らの存在否定してんじゃねぇか!」
こんな話をしてると本筋が進まなくなるので軌道修正しよう。
「……と、ところでなんで狐のカミサマがいると暑くなるんですか?」
「簡単なことなんだけど、狐ってなんでも炎を操るらしいのよね。んで、不知火の神子ってのも狐なのよ。あなた玉藻前って……知らないよね」
「なんですかそりゃ?」
「鳥羽上皇に仕えてた絶世の美女。安倍晴明に正体がバレちゃって逃げるんだけど最終的には人間に殺されちゃうのよね。まあ、その正体ってのが九本の尾をもった狐ってわけ。妖狐っていうのかな、その類いなのよ」
「それと、不知火の神子に何の関係が?」
「玉藻前と不知火の神子がほぼ同じ霊体であることは既に判明しているの。……それで、不知火の神子も女性に姿を変えることが判明したわ。……すなわち、」
「同一体?」
「その通り」
そういうとズビシッ!! って効果音が聞こえてきそうなくらい手をこちらに向けてきた。これ武器に使えそうだね。
……しかし、同一体とは言ってみたがまさか当たるとは言ってみるものだね。でも、それってどういう意味?
「恐らく玉藻前の霊体が媒体となる身体を失って、浮遊していたところをカミサマの卵……私たちはそれを神卵って呼んでるわ。それに定着して、カミサマとしてこの世に再びやってきたことと考えられる」
「ははぁ、つまりそれで同一体と。個体そのものがってわけじゃなく、霊体が一致するわけなんですね」
「早い話がそう言うところ。飲み込みが早いじゃない」
「いやぁ……」
まさか早速みずきさんに誉められるとは思わなかった。こりゃ何か良いことあるかな?
「それじゃ……この辺の人たちはカミサマじゃなくて妖怪を崇拝してたって訳なんですか?」
「まぁ、そういうことになるね。どうしてだい?」
「今までカミサマだと思ってたのに妖怪って……崇拝していた人が可哀想に思えませんか?」
「……その件に関して、君は偶像崇拝という単語をよく理解していないようだな」
「偶像崇拝?」
「簡単に言えば、君は家で仏壇や神棚に頭を下げたりお供え物をあげたりしないか?」
「……まぁ、しますね。我が家は代々こういう仕事やってるから余計に敏感で」
「別に“崇拝する人間がその偶像が自分の信ずるカミサマ”だと思えばいいだけじゃないか? そんなこと言ったら昨今の新興宗教はどう判断する? 下手したら人間が勝手に作った架空のカミサマを偶像崇拝して、その後実際にカミサマが誕生してしまう例だってあるぞ?」
「……そう、なんですか」
「まぁ極稀にだけどな。そう何度も起こってたら出雲大社は毎回カミサマの座る席を増やさないといけない」
「……大変なんですね。カミサマも、出雲大社も」
「そりゃ、神無月にカミサマが全てそこに揃うからな。そこの巫女さんは大変らしいぞ?」
なんだか後半みずきさんの口調が変わったり、最後のセリフが意味深でもあったが、それ以前に疲れてしまったのでそんなことはどうでもよくなってしまった。いいんだよ、だって夏なんだもの。
「暑いなぁ……蒸すというかなんというか」
「不知火の神子がもとは狐のカミサマであることもあるかもしれませんね」
「狐のカミサマってと揚げが好きなんでしたっけ?」
「そそっ。俗に言う『お稲荷様』ってやつね。正式な名前は稲荷神。京都にある伏見稲荷がその総本山ね。まぁ細かいこと言っちゃうと作者が取材(という名のウ○キ検索)めんどくなるらしいからほっぽっとくけど」
「すっげーメタ発言! ってか作者のソースウ○キだったの?!」
「だってこれ書きたかった理由巫女さんでしょ? ぶっちゃけそれさえ書ければストーリーなんてどうでもいいとか」
「一番言っちゃいけねぇよその台詞! 俺らの存在否定してんじゃねぇか!」
こんな話をしてると本筋が進まなくなるので軌道修正しよう。
「……と、ところでなんで狐のカミサマがいると暑くなるんですか?」
「簡単なことなんだけど、狐ってなんでも炎を操るらしいのよね。んで、不知火の神子ってのも狐なのよ。あなた玉藻前って……知らないよね」
「なんですかそりゃ?」
「鳥羽上皇に仕えてた絶世の美女。安倍晴明に正体がバレちゃって逃げるんだけど最終的には人間に殺されちゃうのよね。まあ、その正体ってのが九本の尾をもった狐ってわけ。妖狐っていうのかな、その類いなのよ」
「それと、不知火の神子に何の関係が?」
「玉藻前と不知火の神子がほぼ同じ霊体であることは既に判明しているの。……それで、不知火の神子も女性に姿を変えることが判明したわ。……すなわち、」
「同一体?」
「その通り」
そういうとズビシッ!! って効果音が聞こえてきそうなくらい手をこちらに向けてきた。これ武器に使えそうだね。
……しかし、同一体とは言ってみたがまさか当たるとは言ってみるものだね。でも、それってどういう意味?
「恐らく玉藻前の霊体が媒体となる身体を失って、浮遊していたところをカミサマの卵……私たちはそれを神卵って呼んでるわ。それに定着して、カミサマとしてこの世に再びやってきたことと考えられる」
「ははぁ、つまりそれで同一体と。個体そのものがってわけじゃなく、霊体が一致するわけなんですね」
「早い話がそう言うところ。飲み込みが早いじゃない」
「いやぁ……」
まさか早速みずきさんに誉められるとは思わなかった。こりゃ何か良いことあるかな?
「それじゃ……この辺の人たちはカミサマじゃなくて妖怪を崇拝してたって訳なんですか?」
「まぁ、そういうことになるね。どうしてだい?」
「今までカミサマだと思ってたのに妖怪って……崇拝していた人が可哀想に思えませんか?」
「……その件に関して、君は偶像崇拝という単語をよく理解していないようだな」
「偶像崇拝?」
「簡単に言えば、君は家で仏壇や神棚に頭を下げたりお供え物をあげたりしないか?」
「……まぁ、しますね。我が家は代々こういう仕事やってるから余計に敏感で」
「別に“崇拝する人間がその偶像が自分の信ずるカミサマ”だと思えばいいだけじゃないか? そんなこと言ったら昨今の新興宗教はどう判断する? 下手したら人間が勝手に作った架空のカミサマを偶像崇拝して、その後実際にカミサマが誕生してしまう例だってあるぞ?」
「……そう、なんですか」
「まぁ極稀にだけどな。そう何度も起こってたら出雲大社は毎回カミサマの座る席を増やさないといけない」
「……大変なんですね。カミサマも、出雲大社も」
「そりゃ、神無月にカミサマが全てそこに揃うからな。そこの巫女さんは大変らしいぞ?」
なんだか後半みずきさんの口調が変わったり、最後のセリフが意味深でもあったが、それ以前に疲れてしまったのでそんなことはどうでもよくなってしまった。いいんだよ、だって夏なんだもの。
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