桜舞う丘の上で

りょう

第51話 やって来た姉妹

                 第51話 やって来た姉妹

1
船着場で二人を待つこと十分、二人は笑顔で船から降りてきた。
「久しぶりー、結心」
「遊びに来たよ結心お兄ちゃん」
「二人とも長旅お疲れ様。元気だった?」
「当たり前じゃない。私達はいつでも元気よ」
「それなら安心したよ」
彼女達の荷物を持ち歩き出す。二人が元気そうでなりよりだ。
「でも結心、本当にいいの?」
「何が?」
「他人の家に泊めてもらう事よ。あんたがお世話になっている宮崎さんの家だっけ? 二人も泊めて大丈夫なの?」
「ちゃんと話をしたから大丈夫だよ。皆優しいから心配しなくていいよ」
「それならいいんだけど…」
「私楽しみだな。どんな家なの?」
「皆優しくて暖かい家族だよ。僕が住む事になった事だって、受け入れてくれたし」
「へぇ」
「まあ、実際に行ってみれば分かる話だよ」
「うん」
そんな会話をしながら歩くこと十分、宮崎家へ到着した。
「ここだよ」
「なかなか大きい家ね」
「わあ、パン屋だ」
それぞれ感想を述べる。そういえば新作パンの開発だけど、いくらか開発し売ってみた所、なかなか売れているので今は景気は安定している。相変わらず夏海さんの考えるパンはぶっ飛んでいるけど…

「ただいま」
僕は二人を引き連れて、家の扉を開けた。
「あ、ゆーちゃん。お帰りなさい。後ろに居るのが、ゆーちゃんが言っていた二人?」
「う、うん」
桜が挨拶した途端、背後からすごい殺気を感じた。
あ、言い忘れてた…。
「結心って、ここではすごい呼ばれ方してるのね」
「うん。私もビックリしちゃった」
文字で表すとまさしく『ゴゴゴ』という言葉がピッタリな程に、とんでもないオーラを感じた。
「ねえゆーちゃん、後ろからすごい殺気が湧いてるけど、大丈夫?

「だ、だ、大丈夫だよ」
「よくそんな事言えるわね。ゆーちゃん?」
「私久しぶりに怒ってもいいのかな?」
や、やばい。凛々に至っては呼び始めちゃってる。しかも、メチャクチャ怖い。
「さ、桜。ちょっと僕、走ってくる!」
僕はそう言うと全速力でその場から脱出。
「え、あ、ちょっとゆーちゃん? 何で帰ってきたばかりなのに」
「あ、何で逃げるのよ結心!」
「待ってよ結心お兄ちゃん!」
それを追ってくる二人。
桜よ、僕は今この場に立ち続けていたら、命の危険にさらされるんだ。許して欲しい!
「何で逃げるのよ?」
「すごい殺気で追ってくるからだよ」
「そんなぁ、殺気なんか出してないですよぉ」
「愛華、笑顔がすごく怖いよ」
このままだと三日も体が保ちそうにない。
部室で寝泊まりしようかな…。
                          第52話 3:1=修羅場 へ続く

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