桜舞う丘の上で
第48話 親として
                 第48話 親として
1
「で、俺達が何を話したいのかは分かるよな?」
「はい。何となくは…」
呼び出された先には、夏海さんも居て本格的にまずそうな雰囲気をかもし出していた。
「結心さんに私が中身を確認せずにアルバムを渡したから、私が悪いんです」
「いや、お前は謝らなくていい。俺はこいつに話を聞くんだから、お前は黙っていてくれ」
「分かりました…」
そう言って夏海さんは少し下がった。男と男の話し合いか…。
「さてと、こうして呼び出しておいて何なんだが…」
と前置きをすると、秋久さんはいきなり頭を下げてきた。
「頼む!あの事だけは桜に話さないでくれ!」
「あ、秋久さん?」
「あなた…」
この行動には流石に僕も夏海さんも驚いた。まさか、怒るどころか懇願されるとは思ってもいなかった。何で…。
「俺達はこの事を一生話さないで幸せに暮らしていきたいんだ。勿論お前が居たって構わない。だから、黙っていてくれねぇか。これはあいつの親としてのお願いだ、頼む」
何で僕が悪いのに、こんな風に言われなければならない。僕が悪いのに…。でもまあ、僕の答えなんて決まっているけど。
「そんなの決まってるじゃないですか。僕は桜の為ならどんな事だって約束します。更に言えば、今回の事はあまりにも彼女にとって辛い話です。絶対に守ってみせます。だから…頭を上げてください」
僕が言うと、秋久さんはゆっくりと頭を上げた。
「今言った事は本当だな結心?」
「はい」
「桜を頼む」
「はい」
というわけで今回の件は意外すぎる形で、終わりを迎えようとしていた。僕は桜の秘密、宮崎家の秘密を知ってしまった。桜は知らなくて僕が知っているのは変なんだけど、まあ仕方ない…か。
僕はその後二人とゆっくりとその話をした後に部屋を出た。これで後は隠し通せば…。
2
「ね、ねえゆーちゃん…今の話…」
部屋を出た所には桜が立っていた。体がブルブル震えている。
「さ、桜! ど、どうしてここに…」
「そんなの今関係ないでしょ? それより今話していた事はどういう意味って、聞いてるのよ!」
桜が思いっきり壁を蹴った。怒りが沸点に達したのか、僕に思いっきりぶつかった後、
「私…私…」
「桜?」
「もうこんな家、嫌だ!!」
そのまま桜は家を飛び出してしまった。
このままだと桜が…。
「あ、桜!!」
桜が壊れてしまう。今の話を全部聞いていたとしたら、彼女の精神への負担は計り知れない。何をしでかすのかも分からないし、怖い。
「お、おい。何だ今の音は?」
「結心さん、何か起きましたか?」
遅れて秋久さんと夏海さんが出てくる。僕は…僕は…。
「お、おい。いきなり家を飛び出してどう…」
「結心さん!」
彼女を追わなければ!
彼女に何かが起こってしまうその前に!
僕は桜を追って、懸命に走り出した。
                第49話 追いついて追い抜く へ続く
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「で、俺達が何を話したいのかは分かるよな?」
「はい。何となくは…」
呼び出された先には、夏海さんも居て本格的にまずそうな雰囲気をかもし出していた。
「結心さんに私が中身を確認せずにアルバムを渡したから、私が悪いんです」
「いや、お前は謝らなくていい。俺はこいつに話を聞くんだから、お前は黙っていてくれ」
「分かりました…」
そう言って夏海さんは少し下がった。男と男の話し合いか…。
「さてと、こうして呼び出しておいて何なんだが…」
と前置きをすると、秋久さんはいきなり頭を下げてきた。
「頼む!あの事だけは桜に話さないでくれ!」
「あ、秋久さん?」
「あなた…」
この行動には流石に僕も夏海さんも驚いた。まさか、怒るどころか懇願されるとは思ってもいなかった。何で…。
「俺達はこの事を一生話さないで幸せに暮らしていきたいんだ。勿論お前が居たって構わない。だから、黙っていてくれねぇか。これはあいつの親としてのお願いだ、頼む」
何で僕が悪いのに、こんな風に言われなければならない。僕が悪いのに…。でもまあ、僕の答えなんて決まっているけど。
「そんなの決まってるじゃないですか。僕は桜の為ならどんな事だって約束します。更に言えば、今回の事はあまりにも彼女にとって辛い話です。絶対に守ってみせます。だから…頭を上げてください」
僕が言うと、秋久さんはゆっくりと頭を上げた。
「今言った事は本当だな結心?」
「はい」
「桜を頼む」
「はい」
というわけで今回の件は意外すぎる形で、終わりを迎えようとしていた。僕は桜の秘密、宮崎家の秘密を知ってしまった。桜は知らなくて僕が知っているのは変なんだけど、まあ仕方ない…か。
僕はその後二人とゆっくりとその話をした後に部屋を出た。これで後は隠し通せば…。
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「ね、ねえゆーちゃん…今の話…」
部屋を出た所には桜が立っていた。体がブルブル震えている。
「さ、桜! ど、どうしてここに…」
「そんなの今関係ないでしょ? それより今話していた事はどういう意味って、聞いてるのよ!」
桜が思いっきり壁を蹴った。怒りが沸点に達したのか、僕に思いっきりぶつかった後、
「私…私…」
「桜?」
「もうこんな家、嫌だ!!」
そのまま桜は家を飛び出してしまった。
このままだと桜が…。
「あ、桜!!」
桜が壊れてしまう。今の話を全部聞いていたとしたら、彼女の精神への負担は計り知れない。何をしでかすのかも分からないし、怖い。
「お、おい。何だ今の音は?」
「結心さん、何か起きましたか?」
遅れて秋久さんと夏海さんが出てくる。僕は…僕は…。
「お、おい。いきなり家を飛び出してどう…」
「結心さん!」
彼女を追わなければ!
彼女に何かが起こってしまうその前に!
僕は桜を追って、懸命に走り出した。
                第49話 追いついて追い抜く へ続く
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