桜舞う丘の上で

りょう

第38話 帰宅とハプニング

               第38話 帰宅とハプニング

1
故郷との別れを告げ、再び電車と船の旅を終え、夜頃に宮崎家に到着した。
「ただいま」
家に入りいつも通り二階へ上がり、リビングに寄ると、丁度夕飯を食べている桜と桜の両親が居た。
「あ、ゆーちゃん。お帰りなさい」
「おう、やっと帰ってきやがったな」
「今夕飯の準備をしますね」
そこにはいつも通りの光景が広がっていて、三人は僕を暖かく迎えてくれる。ここは本当に僕の憩いの場なんだ。やっと僕にも…。
って、あれ…、意識が…。
「ちょ、ゆーちゃん! 大丈夫?」
「お、おい。熱があるんじゃねえのか?」
「大変! 」
僕の視界はいつの間にか真っ暗になっていた。
2
再び目を覚ました時は既に外は明るくなっていた。
(あれ? 僕どうしたんだろ? 確か昨日あのまま倒れて…)
その後は全く覚えていない。デコに湿布が貼ってあるから、熱でも出したのかな…。
(まだ体がだるいし、もう少し寝ようかな…)
再び体を倒そうとした時、ある異変に気づく。
(ここ、僕の部屋じゃない)
明らかに女の子らしい部屋だ。しかも僕は今ベッドの上で寝ている。ここってまさか…。
(さ、桜の部屋?)
そして今更ながら腹部に違和感を感じた。目線をやるとそこには、桜がぐっすり眠っていた。
(っ!!)
あまりの衝撃に体が跳ね上がりそうになったが、彼女を起こしてはいけないと思い、ゆっくりと僕は体を倒した。
(どうしよう、今までにないほど緊張しているよ僕)
好きな人がこんなにも側にいる。こんドキドキするようなちょっとしたハプニングなんてかつてあっただろうか?
(でもまあ、いいか)
僕はゆっくり目を瞑る。
こんなハプニングも決して悪く無い気がする。むしろ幸せだ。
3
眠るだけ眠り、次起きた時にはすっかり夜。
「大丈夫ゆーちゃん? 頭とか痛くない?」
「大丈夫だよ。だいぶ寝たおかげですっかり体調がよくなった」
その頃にはすっかり体調が良くなって、ボーッとしていた頭も、かなりスッキリしたような気がした、
「桜が看病てくれたおかげだよ、ありがとう」
「べ、別にお礼言われるような事なんかしてないよ」
何故かこちらを見ない桜。ん? 別に恥ずかしがる事なんてないのにな。
「そ、そういえばまだゆーちゃんに話してない事があった」
慌てて話を変える桜。様子が変だけど、まあいいかな。
「話してない事?」
「うん。実はね…」
「実は?」
「八月の最初に友人部で合宿しようかなと思うの。場所は部室で」
「が、合宿?」
うちの部活、合宿する事なんてなく無いか?
                                                          第8章 完
                              第39話 合宿の意義 へ続く

「桜舞う丘の上で」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「その他」の人気作品

コメント

コメントを書く